「家を売るベストタイミングが知りたい。いつ売ったらいいだろう?」
あなたは、ご自宅を「売却益を最大化できるタイミング」で売りたいのかもしれませんね。
結論をいえば、家の「売り時」を左右する要素が「4つ」あります。
要素をご自宅の条件と照らし合わせることで「できるだけ高く家を売るベストタイミング」がわかります。
基本的に、家は早く売るほど高く売れます。
戸建の場合は5年以内、マンションの場合は10年以内に売るのがベストな選択でしょう。また、税金も家を売るタイミングに深く関係します。
中古の家を売る際は、所有年数に応じて課税される「譲渡所得税(所得税・住民税)」の掛け率が低く設定される、5年・10年が経ったタイミングがおすすめです。その他にも、家を売るタイミングは複数あります。
本記事で取り上げる要素をチェックして「家を売却するベストタイミング」を見極めてみてください。
本記事を読まないと「想定よりも手残りが少なかった……」といった事態に陥る可能性がありますから、注意してください。
本記事では「家を売るタイミングを決める4つの要素」のほかに、以下についても解説します。
本記事を読むことで、ご自宅の売却益を最大化できる可能性が高まります。
まずは無料の不動産一括査定サイトで、今売るといくらで売れるのか確認すると良いでしょう。
査定額をより正確に出したい場合は、不動産会社1社のみではなく、少なくとも2〜3社まとめて査定を依頼するようにしましょう。
1社だけの査定額だと、相場よりも低い価格で売却して、損をしてしまうかもしれません。
2~3社に依頼すれば、数字を照らし合わせていくらが相場なのかチェックができ、売り出し価格を決める際の参考になります。
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不動産一括査定サイトの評判を確認したい方は以下の記事も参考にしてみて下さい。
家を売るタイミングについて知りたい方は、宅地建物取引士・一級建築施工管理技士の資格を持つ方が解説している動画も参考にしてください。
※【不動産売却】焦ると損する!賢く売るタイミング!
家を売るタイミングを決める要素4つ
冒頭でご説明した通り「家を高く売るベストタイミング」を左右する要素は「4つ」あります。
以下を考慮して「売り時」を見極めるのがおすすめです。
築年数
家を売るタイミング(=高値で売れる「売り時」)を決めるうえで、重要なのが「家の築年数」です。
中古の家は、「築年数」によって「売却価格」が大きく異なるからです。
「築年数」で知っておきたいのは、以下の2点です。
- 早く売るほど、売却益を増やせる
- (戸建の場合)築20年以上なら、いつ売ってもよい
一つずつ見ていきましょう。
早く売るほど、売却益を増やせる
一般的には、築浅であるほど「高額」で売却できます。
従って「中古の家の売り時=なるべく早く」ということになります。
まずは、この基本原則を押さえておきましょう。以下は、戸建とマンションが、築年数ごとの「査定価格の推移」を示したグラフです。
ご覧いただくとわかる通り、戸建は、新築時を「100」とした場合。
築15年で「新築時の30%」になります。
仮に、3000万円で戸建を購入した場合。
15年後には「900万円」ほどが、査定額の相場になります。
一方、マンションは、戸建よりは「下落率」がゆるやかです。
築15年で「新築時の70%程度」が相場です。
仮に、3000万円のマンションを購入した場合。15年後には「2100万円」ほどの査定額に落ち着く可能性があるのです。

基本的には「中古の家は、早く売るほど、売却益を増やせる」と、理解しておきましょう。
もしもあなたが「新築時の『80%以内の査定額』で売却したい」という場合。
それぞれ、以下のタイミングが「売り時」です。
- 戸建:「築5年」以内
- マンション:「築10年」以内
一つの目安として、参考にしてみてください。
上記のグラフをもとに「築年数ごとの査定額」を、戸建/マンションに分けた一覧表を作成しました。
併せて、チェックしておきましょう。
【「中古戸建」の査定価格の推移】 | |
---|---|
経過年数 | 「新築時=100」とした場合の割合(%)/ |
「経過年数」ごとの「査定価格(相場)」 | |
新築時(0年) | ・「新築時=100」とした場合の割合(%) 約100% |
・「査定価格」(新築3000万円の相場) 3000万円 | |
5年後 | ・「新築時=100」とした場合の割合(%) 約80% |
・査定価格(新築時3000万円の場合) 2400万円 | |
10年後 | ・「新築時=100」とした場合の割合(%) 約50% |
・査定価格(新築時3000万円の場合) 1500万円 | |
15年後 | ・「新築時=100」とした場合の割合(%) 約30% |
・査定価格(新築時3000万円の場合) 900万円 | |
20年後 | ・「新築時=100」とした場合の割合(%) 約15% |
・査定価格(新築時3000万円の場合) 450万円 | |
30年後 | ・「新築時=100」とした場合の割合(%) 約10% |
・査定価格(新築時3000万円の場合) 300万円 |
【「中古マンション」の査定価格の推移】 | |
---|---|
経過年数 | 「新築時=100」とした場合の割合(%) |
「経過年数」ごとの「査定価格(相場)」 | |
新築時(0年) | ・「新築時=100」とした場合の割合(%) 約100% |
・「査定価格」(新築3000万円の相場) 3000万円 | |
5年後 | ・「新築時=100」とした場合の割合(%) 約90% |
・「査定価格」(新築3000万円の相場) 2700万円 | |
10年後 | ・「新築時=100」とした場合の割合(%) 約80% |
・査定価格(新築時3000万円の場合) 2400万円 | |
15年後 | ・「新築時=100」とした場合の割合(%) 約70% |
・査定価格(新築時3000万円の場合) 2100万円 | |
20年後 | ・「新築時=100」とした場合の割合(%) 約60% |
・査定価格(新築時3000万円の場合) 1800万円 | |
30年後 | ・「新築時=100」とした場合の割合(%) 約40% |
・査定価格(新築時3000万円の場合) 1200万円 |
中古住宅:「㈶不動産流通近代化センターのマニュアルに基づく試算」を参照
中古マンション:「「ヘドニック法による分析」を参照
(戸建の場合)築20年以上なら、いつ売ってもよい
「築20年以上の戸建」は、ほとんど査定額が下がりません。
立地や条件によって「査定額がつけられない」可能性もありますが、新築時の「10%~15%程度」の査定額になる可能性があるのです。
そのため、築20年以上の戸建ならば「いつ売ってもよい」といえます。

リセールバリュー
家を売るタイミングを左右する2つ目のポイントが「リセールバリュー」です。
「リセールバリュー」とは、新築マンションが10年後に売れる相場価格です。
例えば、3000万円の物件の「リセールバリュー」が「150%」の場合。
その物件は、10年後に4500万円で売れる物件ということです。
つまり、「リセールバリューの高い物件」ならば、5年後、10年後に売却するのも手ということです。
リセールバリューが良いのはどのような物件でしょうか。
一つは、「東京都内の人気エリアに建てられたマンション」です。
「NHK首都圏ナビ」(2023年3月1日のレポート記事)によると、2009年に東京都江東区に建てられた「某中古マンション」は「7000万円(2009年)」→「8000万円(2023年)」に値上がりしたことが報告されています。
ものの14年で「1000万円」も値上がりしている計算です。
こういった現象が起こることについて、専門家は「都内の新築供給数が限られているなかで、(新築よりも割安な)中古マンションに目を向ける人が増えているから」だと分析しています。
首都圏におけるリセールバリュー堂々1位は「東京メトロ南北線 六本木一丁目駅」です。
リセールバリューは「251.6%」に達しています。
もしも、六本木一丁目駅周辺で、5000万円の物件を購入したならば、10年で「1億2580万円」に高騰する計算です。これはすごい高騰率ですね。
以上の通り、都内の好立地に「マンション」を所有している場合。
新築マンションが10年後に売れる相場価格を示す「リセールバリュー(=10年後の売却価格)」を調べたうえで「売り時」を判断するのも「一つの手」なのです。
そして「満足できる売却益になったタイミング」で売るのを検討するのもよいでしょう。
【首都圏 駅別 築10年中古マンションのリセールバリューランキング 2022】 | |
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順位 | 駅名(リセールバリュー) |
1位 | 東京メトロ南北線 六本木一丁目駅(251.6%) |
2位 | 東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅(208.1%) |
3位 | 小田急小田原線 代々木上原駅(192.0%) |
4位 | 都営地下鉄三田線 神保町駅(188.2%) |
5位 | JR山手線 新橋駅(179.5%) |
6位 | 都営地下鉄大江戸線 赤羽橋駅(179.0%) |
7位 | 東急東横線 代官山駅(175.2%) |
8位 | 東京メトロ銀座線 外苑前駅(172.9%) |
9位 | JR山手線 大崎駅(172.6%) |
10位 | 東急目黒線 大岡山駅(172.0%) |
11位 | 東京メトロ日比谷線 六本木駅(171.9%) |
12位 | JR総武線 飯田橋駅(171.9%) |
13位 | 都営地下鉄三田線 御成門駅(171.8%) |
14位 | 都営地下鉄三田線 白金高輪駅(171.6%) |
15位 | 東京メトロ千代田線 乃木坂駅(171.2%) |
もちろん、今から10年後にマンションが高騰するか否かは未知数です。
しかし、少なくとも、ランクインしているエリアにある築浅マンションならば「自宅をすぐ売るべきか否か」を判断する際の参考材料にはなるはずです。
大規模開発
大規模開発が行われると、その周辺の地価が上昇することが多いです。
築年数の経過した戸建であっても、土地価格で、大きな売却益を得られる場合もありますから、「資産価値の上昇」を待ち、納得価格で売れる時に売るのも手です。
例えば、近年、急激に都市開発が進んだ「武蔵小杉(神奈川県川崎市)」の場合。
15年ほどで地価が「約1.4倍」にアップしています。
【武蔵小杉駅周辺の土地価格】 | |
---|---|
2005年頃 | 坪単価180万円ほど |
2015年頃 | 坪単価240万円ほど |
2020年頃 | 坪単価260万円ほど |
その背景にあるのは、まさしく「大規模開発」です。
2007年に24階建てのタワーマンション「レジデンス・ザ・武蔵小杉」が建設されたことを皮切りに、十数のタワーマンションが建設され、「ららテラス武蔵小杉」や「グランツリー武蔵小杉」などの大型商業施設も建設されました。
このように、周辺エリアで「新しい複合型施設」の建設や「タワーマンション」の建設ラッシュがあると、地価は急上昇する可能性が高いです。
もしも、近い将来に、大規模な再開発が見込まれているならば、地価の高騰を待ってから、売却するのも手でしょう。
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税金
家の売り時を左右する4つ目のポイントが「税金」です。
もしもあなたが、中古の家を売却する際に「支払う税金を安く抑えたい」と思うならば、所有してから「5年超え/10年超え」が「売り時」になる可能性があります。
なぜならば「自宅の所有年数」に応じて課税される「譲渡所得税(所得税・住民税)」の掛け率が、低く設定されているからです。
【「譲渡所得税(所得税・住民税)」の利率が低くなるケース】
- 所有してから「5年超え」
- 所有してから「10年超え」
実際にどれくらい支払う税金を抑えられるのか、みてみましょう。
所有してから「5年超え」
家を所有して「5年超え」の場合、譲渡所得税(所得税・住民税)の利率が、「所有期間5年以下」の場合と比べて「19.315%」低くなります。
【所得税・住民税の「税率」の違い】 | |
---|---|
所得の種類 | 譲渡所得税(所得税&住民税) |
短期譲渡所得(所有=5年以下) | 39.63% |
長期譲渡所得(所有=5年超え) | 20.315% (「所有期間5年以下」と比べて-19.315%) |
実際「譲渡所得税」に、どれくらいの差があるのかを、以下の4パターンでシミュレーションしてみます。
【シミュレーションのパターン】
- 購入時より「高値」で売れた場合(所有期間:5年以下(短期所有))
- 購入時より「高値」で売れた場合(所有期間:5年以下(短期所有))
- 購入時より「高値」で売れた場合(所有期間:5年超え(長期所有))
- 購入時より「高値」で売れた場合(所有期間:5年超え(長期所有))
【条件】
- ・購入時より「高値」で売れた場合
取得価格「3000万円」(取得時の諸費用:330万円)
売却価格「4000万円」(売却時の諸費用:126万円) - ・購入時より「安値」で売れた場合
取得価格「3000万円」(取得時の諸費用:330万円)
売却価格「2000万円」(売却時の諸費用:70万円)
「smlt.jp(不動産に関する税金などを瞬時に計算・シミュレーション|リアルタイムシミュレーター)」というサイトを使うと、譲渡所得税(概算)等を簡単に計算できます。
シミュレーションの結果は以下の通りです。
「5年超え」の長期所有は、「5年以下」の短期所有に比べて、譲渡所得税が「115.9万円」安いです。
【所有してから「5年以下」の場合(短期所有)】 | |
---|---|
条件 | 譲渡所得税 |
購入時より「高値」で売れた場合 (+1000万円で売れた) | 237.8万円 |
購入時より「安値」で売れた場合 (-1000万円で売れた) | 0円 |
【所有してから「5年超え」の場合(長期所有)】 | |
---|---|
条件 | 譲渡所得税 |
購入時より「高値」で売れた場合 (+1000万円で売れた) | 121.9万円 (「5年以下」の短期所有に比べて、 譲渡所得税が「115.9万円」安い) |
購入時より「安値」で売れた場合 (-1000万円で売れた) | 0円 |
従って、物件購入時よりも、高値で売れそうな「高リセールバリュー物件」ならば、譲渡所得税を加味して「5年超え」で売ったほうがよいと考えられます。
所有してから「10年超え」
売却のタイミングを見計らった方がよいタイミングが、もう一つあります。
それは「所有してから10年超え」です。
なぜならば、家を売却した年の1月1日現在で「所有期間が10年超え」になっている場合、「6000万円以下の譲渡所得」への「譲渡所得税(所得税・住民税)」が、若干軽減されるからです。
【物件所有期間が「10年超え」の「譲渡所得税率」の違い】 | |
---|---|
所得の種類 | 譲渡所得税(所得税&住民税) |
6000万円までの部分 | 14.21% (-6.105%) |
6000万円超えの部分 | 20.315% |
以上の通り、6000万円までの部分は譲渡所得税が「-6.105%」です。
ご自宅が高リセールバリュー物件の可能性がある場合。
物件を所有してから9年目などの場合は「10年超え」を待ってから売却するとよいでしょう。
納める譲渡所得税を軽減できます。
「譲渡所得税」を軽減できる「3000万円の特別控除」とは?
「1-4.税金」では、所有年数によって「譲渡所得税」が軽減されるケースを解説しました。
この制度については「押さえておきたい重要ポイント」があります。
それは「3000万円の特別控除」です。
マイホームを売却する場合、所有期間にかかわらず「課税対象の譲渡所得」が3000万円分、控除されるのです。
控除のための「一定の条件」を満たしていれば、この制度が適用されます。
この制度が適用されれば「高リセールバリュー物件」でも、譲渡所得税がかからない場合があります。
従って「5年超え」「10年超え」などを待たずに売却できる可能性があります。
以下、2つのケースでみていきましょう。
所有から「5年超え」の場合
以下の条件の物件に「3000万円の特別控除」を加えて「smlt.jp(不動産に関する税金などを瞬時に計算・シミュレーション|リアルタイムシミュレーター)」でチェックしてみました。
【条件】
所有してから5年超え
取得価格「3000万円」(取得時の諸費用:330万円)
売却価格「4000万円」(売却時の諸費用:70万円)
その結果、譲渡所得税は「ゼロ」となりました。
「税金を軽減できる『売り時』を知りたい!」という場合。
まず「自宅は、3000万円の特別控除を受けられるか?」を確認することが大切です。
3000万円の特別控除が適用されれば、所有年数を考慮するまでもなく「譲渡所得税」がゼロになる場合があるからです。
以下に「特別控除を受けられる条件」を挙げました。
あなたのご自宅の条件と照らし合わせて、チェックしてみてください。
詳しくは、国税庁のホームページをご覧ください。
【「3000万円の特別控除」が適用される条件(一部抜粋)】 | |
---|---|
「3000万円の特別控除」 適用条件 | 売却予定の家は「自分が住んでいた家(=マイホーム)」である |
「家の売却」を行う前年・前々年に、この特例を受けていない | |
「家の売却」を行う前年・前々年に、マイホームの買い替えをしていない | |
売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でない |
所有から「10年超え」の場合
所有から「10年超え」の物件も同様です。
一定の条件を満たしていれば、「3000万円の特別控除」が受けられます。
以下の条件でシミュレーションしてみました。
【条件】
所有してから10年超え
取得価格「4500万円」(取得時の諸費用:500万円)
売却価格「7500万円」(売却時の諸費用:230万円)
シミュレーションの結果、譲渡所得税は「0円」でした。
やはり「3000万円の特別控除が受けられるか否か」が重要だといえます。
中古の家においては「3000万円の特別控除」が受けられない場合に限り、「5年超え」「10年超え」などのタイミングを考慮して、売却すればよいでしょう。
「家を売るタイミング」がわかる情報一覧まとめ
1章を通じて、家の売り時(=ベストタイミング)は「自宅の条件によって異なる」ということが、ご理解いただけたのではないかと思います。
こうしたなかで「自宅はいつ売るべきなのか」を判断したい方が多いはずです。
そのため、判断軸別にまとめました。以下をご確認ください。
【「家を売るタイミング」がわかる情報一覧まとめ】 | |
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判断軸 | 家を売る「ベストタイミング」 |
築年数 | ・早ければ早いほどがよい |
・(戸建の場合)築20年以上ならば、いつ売ってもよい | |
リセールバリュー | (「高リセールバリュー物件」の場合)「売ってもよい価格」になって から売るのも手 |
大規模開発 | (大規模開発を予定しているエリアに家がある場合)大規模開発を待 ち、「売ってもよい価格」になってから売るのも手 |
税金 | ・家が「3000万円の特別控除」の条件を満たす場合 譲渡所得税が「ゼロ」になる場合が多いため、いつ売ってもよい |
・家が「3000万円の特別控除」の条件を満たさない場合 -所有して5年以下なら「5年超え」を待つのも手 -所有して10年以下なら「10年超え」を待つのも手 |
上記を参考に「家を売るタイミング」を見極めてみてください。
家を売らない方が良い「不利なタイミング」
家の売るベストなタイミングについて、理解が深まりましたでしょうか。
一方「家を売らない方がよい不利なタイミング」も把握しておきたい方も多いのではないでしょうか。
結論をいえば「住宅ローンの残債が、物件の売却価格を上回りそうなとき(=オーバーローンになりそうなとき)」は、売り時を調整すべきです。

例えば、5000万円で購入した物件の場合。ローンの返済が滞っており、残債が4300万円残っているが、査定額が3000万円しかつかないといったケースです。
単純計算になりますが、1300万円ほどは、貯金などから切り崩さなければなりません。こういったケースを「オーバーローン」といいます。
オーバーローンになると、家の売却はむずかしいです。家の売却は「ローン残債の一括返済」が絶対条件だからです。
「住み替えローン」など、今住んでいる家と、新しく購入する家のローンを合算できるものもありますが、住宅ローン金利が高く設定されているうえ、審査が厳しいため、あまり現実的ではありません。
住み替えローンの場合「2~4%」ほどの金利が相場です。変動金利が「0.3~1.0%」ほどですから、ローン完済までの総額が大きく膨れ上がります。
生活を大きく圧迫することになるでしょう。そのため、オーバーローンになりそうならば、家を売るタイミングは調整すべきです。
ローンの返済を進めつつ、家の査定額とのつり合いが取れそうなタイミングまで待ちましょう。
例えば、ローンの残債が2000万円ほどになるまで返済を進め、査定額が3000万円以上になりそうなタイミングに売るといった具合です。
「ローン残債<売却価格」になることを「アンダーローン」といいます。
上記の場合、単純計算になりますが、3000万円のうち、2000万円を「ローン残債の一括返済」に充当できます。残りの1000万円を、新築購入の頭金に充当できます。
実際には、諸経費が諸々発生するため、ここまで単純ではありません。
しかし、原則として「売らない方がよいタイミング=オーバーローンになりそうなとき」と覚えておきましょう。
「少しでも高く売りたい!」と思う方が行うべきこと4個
これまで「家を売るべきタイミング」「売らない方がいいタイミング」を詳しく解説しました。
なかには「売り時を知ったうえで、少しでも、高値で売却するテクニックも知っておきたい!」と考えている方も少なくないのではないでしょうか。
そこで、本章では「高額売却」を実現するために押さえたいことを、チェックリストでまとめました。
ここで取り上げる4つのポイントを押さえれば「高額売却」の可能性が高まります。
【「少しでも高く売りたい!」行うべきチェックリスト4個】 | |
---|---|
チェックリスト | 行うべき「主な理由」 |
☑ 「複数社」に査定依頼する | 「適正な売却価格」を見極められるから |
☑ 「修繕工事の記録」をまとめる | 耐震性能の向上、外壁塗装、リフォーム、害虫予防などの「修繕工事」は、査定額に多少プラスになるから |
☑(戸建の場合)土地の境界線を把握する | 土地の面積が不明だと、査定精度が低くなり、低い査定額になる可能性が高まるから |
☑「セールスポイント」をリストアップする | 査定額のプラスになるから |
一つずつ、みていきましょう。
「複数社」に査定を依頼する
家を高値で売却したいならば、複数社に査定依頼を出しましょう。
なぜならば、早く売れやすく、売却益を多く残せる「適正な売却価格」を見極められるからです。
仮に、1社にしか、査定を依頼しない場合。不動産会社による査定が、相場よりも高すぎることがあります。
そうすると、なかなか売れません。「早く売りたいのに売れない」「売れ残ってしまう」などの状況に陥る可能性があるのです。
一方、査定額が、相場よりも低い場合、早く売れたとしても、売却益が目減りします。
手残りが少なくなるリスクがあるのです。
結局のところ「相場より少し高いが、売れやすい価格(=適正価格」」で売り出すことが、売却益の最大化につながります。
従って「ベストな売却価格」を見極めるためにも、複数社への査定依頼を行うべきなのです。
・「中古戸建」の一括査定におすすめのサイト:「HOME4U」
「HOME4U」はNTTデータグループ「株式会社NTTデータスマートソーシング」の一括査定サイト。
21年以上、50万件以上の査定実績がある「国内最大級」のサイトで、「2100社以上」の不動産会社と提携しています。
「1分1回」の入力で「最大6社」の査定価格を「無料」で一括請求できます。
「戸建をなるべく高く売りたい」「戸建のベストな査定額が知りたい」という人におすすめです。
・「中古マンション」の一括査定におすすめのサイト:「マンションナビ」
「マンションナビ」は、マンションに専門特化した一括査定サイト。
年間2万人以上が利用しており、会員数は14万人を突破しています。
「最大9社」の査定価格を「無料」で一括請求できます。
「戸建をなるべく高く売りたい」「戸建のベストな査定額が知りたい」という人におすすめです。
「修繕工事の記録」をまとめる
家を修繕したことがあるならば、その記録をまとめておきましょう。
耐震性能の向上、外壁塗装、リフォーム、害虫予防などの「修繕工事」は「住宅性能の向上」「見栄えの向上」などに寄与するため、多少なりとも「査定額のプラス」になる場合があるからです。
ただし「積極的にリフォームをする必要はない」というのが一般的な見解です。
リフォーム等を行ったからといって、リフォーム代がそのまま、査定額に上乗せされるほどのインパクトはないからです。
「査定額のマイナスにはならないが、プラスにもならない」こともあります。
費用対効果を考えるならば「リフォーム歴があるなら、まとめる」に留めておくのが吉です。
(戸建の場合)土地の境界線を把握する
戸建の場合、土地の境界線を把握しておきましょう。
境界線があいまいなまま査定を依頼すると、土地の面積を正しく算出できず、想定よりも安い査定額が算出される場合があるからです。
土地に関する書類があれば問題ありませんが、ない場合は「土地家屋調査士」に測量を依頼しましょう。
「セールスポイント」をリストアップする
家の魅力をリストアップしておきましょう。
査定額のプラスになる場合があるからです。
例えば、以下の通りです。
【メリットの例】 | 日当たりがいい |
---|---|
整備された公園/緑地が近隣にある | |
役所・病院などが近い | |
駅から近い(10分以内)/バス停から徒歩〇分 | |
近くに「大型商業施設」がある | |
毎年、花火大会が開催されている場所の近くである | |
有名私立中学校/名門私立が近くにある |
参考になりましたら幸いです。
まとめ
いかがでしたか。
あなたの家を「売るべきタイミング」について、参考になる情報が得られましたか。
ここで本記事の内容を整理します。
●「家を売るベストタイミングを決める要素」は以下の4点です。
【「家を売るタイミング」がわかる情報一覧まとめ】 | |
---|---|
判断軸 | 家を売る「ベストタイミング」 |
築年数 | ・早ければ早いほどがよい |
・(戸建の場合)築20年以上ならば、いつ売ってもよい | |
リセールバリュー | (「高リセールバリュー物件」の場合)「売ってもよい価格」になってから売るのも手 |
大規模開発 | (大規模開発を予定しているエリアに家がある場合)大規模開発を待ち、「売ってもよい価格」になってから売るのも手 |
税金 | ・家が「3000万円の特別控除」の条件を満たす場合 譲渡所得税が「ゼロ」になる場合が多いため、いつ売ってもよい |
・家が「3000万円の特別控除」の条件を満たさない場合 -所有して5年以下なら「5年超え」を待つのも手 -所有して10年以下なら「10年超え」を待つのも手 |
●「少しでも高く売りたい!」そのために行うべきことは、以下の4点です。
【「少しでも高く売りたい!」行うべきチェックリスト4個】 | |
---|---|
チェックリスト | 行うべき「主な理由」 |
☑ 「複数社」に査定依頼する | 「適正な売却価格」を見極められるから |
☑ 「修繕工事の記録」をまとめる | 耐震性能の向上、外壁塗装、リフォーム、害虫予防などの「修繕工事」は、査定額に多少プラスになるから |
☑(戸建の場合)土地の境界線を把握する | 土地の面積が不明だと、査定精度が低くなり、低い査定額になる可能性が高まるから |
☑「セールスポイント」をリストアップする | 査定額のプラスになるから |
本記事を参考に、あなたの家を売る「ベストなタイミング」を見極めてみてください。
査定額をより正確に出したい場合は、不動産会社1社のみではなく、少なくとも2〜3社まとめて査定を依頼するようにしましょう。
1社だけの査定額だと、相場よりも低い価格で売却して、損をしてしまうかもしれません。
2~3社に依頼すれば、数字を照らし合わせていくらが相場なのかチェックができ、売り出し価格を決める際の参考になります。
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