田舎で、築年数も古く、到底住むことは考えられないとしても、思い出のある実家の処理はなかなか決断しにくいですよね。
そこでこの記事では、住まない実家の処理(活用)方法として考えられる、現実的な5つの選択肢をご提示します。
住まない実家の処理(活用)方法 | おすすめのケース |
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① 実家を「売却する」 | 実家を残す必要がない人 まとまった現金を必要としている人 実家の維持管理ができない(したくない)人 |
② 実家を「賃貸に出す」 | 実家を残したい人 将来的に実家に住む可能性がある人 実家を有効活用して定期的な収入を得たい人 |
③ 実家を壊して「土地活用する」 | 思い入れのある土地を有効活用したい人 新しい商売を始める資金がある人 収益を得るまでに時間がかかっても構わない人 |
④ 「空き家バンク」に登録する | 仲介手数料なしで実家を売却(賃貸)したい人 自治体や国が推進する制度に信頼性を感じる人 |
⑤ 相続放棄する | 実家が売却や賃貸の難しい「負の遺産」と考えられるケース 借金などマイナスの財産が多いケース |
売却をする場合には、不動産売却の一括サイトで価格を比較するのがおすすめです。
査定額をより正確に出したい場合は、不動産会社1社のみではなく、少なくとも2〜3社まとめて査定を依頼するようにしましょう。
1社だけの査定額だと、相場よりも低い価格で売却して、損をしてしまうかもしれません。
2~3社に依頼すれば、数字を照らし合わせていくらが相場なのかチェックができ、売り出し価格を決める際の参考になります。
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上記の中からあなたのニーズに合う不動産一括査定サイトを選んでチェックしてみましょう。
不動産一括査定サイトの評判を確認したい方は以下の記事も参考にしてみて下さい。
- 田舎の実家をどうにかしたいと悩んでいる人
- 住まない実家にどんな活用法があるのか具体的に知りたい人
- 自分の実家に1番合う処理(活用)方法を選びたい人
- 実家の処理(活用)方法それぞれのメリットとデメリットを把握したい人
遺産の内容や状況によっては、相続放棄も視野に入れなくてはなりません。
遺産相続では、資産価値のあるプラスの財産だけでなく、借金などマイナスの財産も相続しなくてはならない可能性があります。
売却も賃貸も難しい活用手段のない実家は、「負の遺産」にもなりうるのです。
記事では選択肢のひとつとして、相続放棄についても解説しますので、後で後悔することのないよう、しっかり把握しておきましょう。
この記事を読めば、田舎の実家をどうすべきかが具体的にイメージできるようになります。
いずれ実家を相続する予定の方にも役立つ内容ですので、ぜひ最後まで目を通して頂けたらと思います。
一級建築士の資格を持つ方が田舎の実家の処分について解説している動画も参考にしてください。
※【プロが教える賢い不動産売却】田舎にある相続した土地や家を処分したい/アーキ不動産(岡山市中区)
【一覧】田舎の実家をどうする?活用法と処理方法を網羅して紹介
田舎の実家をどうするかでお悩みの方は、できるだけ多くの「現実的な選択肢」を求めていらっしゃるでしょう。
住んでいない実家の処理(活用)方法として考えられる、現実的な選択肢は5つです。
それぞれのメリット・デメリット、おすすめのケースを示した下表をご覧ください。
処理(活用)方法 | メリット・デメリット/おすすめのケース |
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方法①実家を「売却する」 | <メリット> ・売却代金が手に入る維持費が不要になる <デメリット> ・売却までに時間がかかる場合がある ・希望額で売れるとは限らない ・売る準備に費用がかかる <おすすめのケース> ・実家を残す必要がない人 ・まとまった現金を必要としている人 ・実家の維持管理ができない(したくない)人 |
方法②実家を「賃貸に出す」 | <メリット> ・実家を残せる ・定期的な収入が得られる <デメリット> ・リフォーム費用がかかる ・固定資産税など貸主が負担すべき費用がある ・すぐに借り手が見つかるとは限らない <おすすめのケース> ・実家を残したい人 ・将来的に実家に住む可能性がある人 ・実家を有効活用して定期的な収入を得たい人 |
方法③実家を壊して「土地活用する」 | <メリット> ・実家の土地を手放さないで活用できる ・土地利用で定期的な収入が見込める <デメリット> ・初期コストがかかる ・利益を得るまでに時間がかかる ・利益があげられるとは限らない <おすすめのケース> ・思い入れのある土地を有効活用したい人 ・新しい商売を始める資金がある人 ・収益を得るまでに時間がかかっても構わない人 |
方法④「空き家バンク」に登録する | <メリット> ・無料で物件情報を広められる ・補助金や助成金が利用できる <デメリット> ・不動産会社と媒介契約を締結していると利用できない ・マッチングまでに長い時間がかかる場合がある ・個人間の取引になるためトラブル対応も自分で行わねばならない <おすすめのケース> ・仲介手数料なしで実家を売却(賃貸)したい人 ・自治体(市区町村)や国が推進する制度に信頼性を感じる人 |
方法⑤相続放棄をする | <メリット> ・維持費用や固定資産税などの税負担がなくなる ・実家を管理する必要がなくなる <デメリット> ・資産価値のある財産もすべて放棄することになる ・次の相続人、又は相続財産管理人が見つかるまで ・実家の管理義務が生じる <おすすめのケース> ・実家が売却や賃貸の難しい「負の遺産」と考えられるケース ・資産価値のあるプラスの財産より、借金などマイナスの財産の方が多いケース |
実家の状態や、ご自身の状況に1番合う方法はどれでしょうか。
次章から、それぞれについて詳しく解説していきます。
メリット・デメリットをしっかり把握して、後悔のない正しい判断をしていきましょう。
方法①|実家を「売却する」
実家を「売却する」 | |
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メリット | ・売却代金が手に入る ・維持費が不要になる |
デメリット | ・売却までに時間がかかる場合がある ・希望額で売れるとは限らない ・売る準備に費用がかかる |
おすすめのケース | ・実家を残す必要がない人 ・まとまった現金を必要としている人 ・実家の維持管理ができない(したくない)人 |
実家の処理方法の1つめは、「売却」です。
売却は、実家を残さなくても良いとお考えの方に適しています。
売却すれば、代金が手に入り、空き家管理の悩みから解放されます。
一方で、売ってしまえば実家は買主のものとなり、当然ながら、もう自分の手には戻りません。
「売却する」メリット・デメリット
売却するメリットは、実家をまとまった現金に換えられることです。
家の状態※にもよりますが、立地が良ければ好条件で売却できる可能性があります。
※土地の値段に関しては家屋の状態が値段に影響することはありません。
また、固定資産税などの維持費の負担から解放されるのもメリットといえるでしょう。
ただ注意点として、買い手が容易に現れない場合があることを覚えておいてください。
特に築年数の古い物件は、売却の難易度が上がり、売れたとしても価格が安く抑えられてしまいます。
実家がなかなか売れない場合、家を解体して土地を売却する選択肢があります。
不動産市場では、中古住宅よりも更地の方が取引しやすい場合があるのです。
しかしこの場合の解体費用は所有者負担となります。
したがって、売却のためにかかる費用と、バランスのとれた価格設定を不動産会社と綿密に相談することが重要です。
田舎の実家の商品としての価値を把握するには、手始めに不動産会社に査定依頼をすると良いでしょう。
実家を「売却する」流れ
実家の売却は、一般的には不動産会社を仲介して行います。
売却までの流れは以下の通りです。
名義変更を行う
相続した実家の売却には、まず、名義変更が必要です。
親の名義のままの土地や家を、あなたが売ることはできません。
名義変更は以下の手順で行います。
- ✓ 遺産分割協議を行う
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遺産分割協議とは、親名義の遺産の分割について、相続人全員で協議し合意することです。
ここで、実家の相続人(新しい名義人)を明確にし、「遺産分割協議書」を作成します。
- ✓ 必要な書類を準備する
-
名義変更に必要な書類は以下の通りです。
- 登記事項証明書(登記簿謄本)
- 相続登記申請書
- 被相続人の住民票の除票(本籍の記載があるもの)
- 被相続人の死亡時から出生時までの戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書
- 実家を相続する相続人の住民票
- 不動産の固定資産評価証明書
- 遺産分割協議書
- ✓ 法務局で相続登記(名義変更)を行う
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書類の準備が整ったら、実家の住所を管轄する法務局で相続登記(名義変更)を行います。
相続登記(名義変更)には準備期間を含めて、数週間から長くて2ヶ月ほど時間がかかることも頭に入れておきましょう。
売却額の査定依頼をする
名義変更が完了したら、不動産会社に売却額の査定依頼をしましょう。
想定している価格があるかもしれませんが、それが相場通りなのか、高いのか安いのか、素人では判断できません。
ただ、不動産会社なら必ず適正な査定額を提示するとは限りませんので、1社のみではく複数の会社に依頼するようにしてください。
複数の査定額を比較することで、納得できる価格で売りに出すことができます。
また各会社の査定額の根拠や、販売方法を訊ねることで、信頼性の高い、相性の良い不動産会社を見極めやすくなります。
【「賃貸管理一括査定サービス」が便利】
不動産査定の取っ掛かりとしては、無料で簡単に複数の不動産会社に査定依頼を出せる「不動産一括査定サイト」がおすすめです。
8.【実家の価値を判断】無料の「不動産売却一括査定サイト」がおすすめで詳しく紹介しますので、そちらも参考にしてください。
不動産会社と媒介契約〜売却活動開始
売却を依頼する不動産会社を選んで媒介(ばいかい)契約を結んだら、販売開始です。
不動産会社は下記のような売却活動を行います。
- レインズ(指定流通機構)※に登録
- 不動産サイトに掲載
- 顧客に紹介
- 住宅情報誌に掲載
- 折込チラシやポスティング
- 希望者が現れた際の内覧の実施
※レインズ:国土交通大臣が指定した不動産流通機構で、不動産会社間で物件情報を交換するためのネットワークシステム。不動産会社の販売活動では、レインズに物件情報を登録するのが一般的ですが、一般媒介では登録義務がないため行われない可能性もあります。参照:REINS TOWER|公益財団法人 東日本不動産流通機構
売買契約の締結
買主が見つかり交渉がまとまると、売買契約の締結となります。
契約締結後、決済※を経て、引き渡しが行われます。
※決済:買主が売主に売買代金(残代金全額)を支払うこと。
一括査定サイト | 特徴 |
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方法②|実家を「賃貸に出す」
実家を「賃貸に出す」 | |
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メリット | ・実家を残せる ・定期的な収入が得られる |
デメリット | ・リフォーム費用がかかる ・固定資産税など貸主が負担すべき費用がある ・すぐに借り手が見つかるとは限らない |
おすすめのケース | ・実家を残したい人 ・将来的に実家に住む可能性がある人 ・実家を有効活用して定期的な収入を得たい人 |
「思い出がある実家を残しておきたい」「いつか戻って住みたい」とお考えなら、実家を残して賃貸に出す方法があります。
「賃貸に出す」メリット・デメリット
賃貸に出すメリットは、実家を壊さずに有効活用でき、定期的な家賃収入が得られることです。
家賃収入は、月々の生活費や貯蓄に充てられます。
【賃貸には2つの契約方法がある】
賃貸の契約方法には、下記の2種類があります。
- 普通借家契約
- 定期借家契約
一般的に用いられる普通借家契約は、基本的に借り主が希望する限り契約が更新されます。
貸主から解約するのは難しいため、将来実家を利用する予定がある場合は、定期借家契約がおすすめです。
定期借家契約なら、あらかじめ定めた期間のみを賃貸期間とすることができます。
ただ、借り手が見つかりやすいのは、普通借家契約の方だということも把握しておきましょう。
賃貸に出すデメリットは、リフォーム費用などの支出が発生することです。
賃貸に出せる状態にするためには、多くの場合リフォームが必要になります※。
※リフォームをせず、そのままの状態で安価で貸し出すケースもあります。
また、固定資産税や火災保険料は貸主が支払うということも把握しておいてください。
賃貸で得る収入と、賃貸に出すための支出のバランスを考えた判断が必要となります。
さらに、賃貸に出すといっても、すぐ借り手がつくとは限らないことにも注意が必要です。
需要がなければ、収入のないまま、維持管理費を払い続けることになります。
実家に賃貸物件としての価値があるかどうかは、不動産会社に相談して査定してもらうと良いでしょう。
実家を「賃貸に出す」流れ
「賃貸に出す」といっても、何から手をつけて、どんな風に始めるのかと戸惑われる方もいるでしょう。
実家を賃貸に出すまでの、一般的な流れを解説します。
賃料相場を確認する
まず最初に、実家を賃貸に出した場合の賃料相場はいくらくらいかを確認しましょう。
賃料は主に下記の要件に左右されます。
- 立地条件が良いかどうか
- 築年数が古すぎないかどうか
- 家屋の劣化の度合いは激しいかどうか
- 事故物件ではないか
具体的な賃料について、近隣の不動産賃貸会社に相談してみるのも一案です。
賃貸管理を比較するなら一括査定サイト 「マンション貸す.com」がおすすめ! | |
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リフォーム計画〜工事の実施
リフォーム計画を立て、実際に工事をしてくれるリフォーム会社を選んで実施します。
計画を立てる際の注意点は、家屋の状態だけでなく、投資と収益のバランスを考えるということです。
高額な費用をかけてリフォームをすれば、賃料を高く設定できますが、それに対応できる入居者が見つからなければ意味がありませんし、回収にも時間がかかってしまいます。
賃貸のためのリフォームは、家屋の状態、賃料相場、回収期間などを総合的に考えて計画しましょう。
おすすめのリフォームの無料相談サービス | |
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ホームプロ | 【地元の優良企業を紹介してくれる】 ・全国で約1,200社の優良企業からピッタリの業者を紹介してくれる ・利用者満足度90%、成約件数8,237件の実績(2022年4月~2023年3月) ・匿名でやり取りができる ホームプロでリフォーム会社を選ぶ |
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入居者を募集する
リフォームが終わったら、不動産会社や管理会社に依頼して入居者を募ります。
※仲介を入れず、家(部屋)探しのマッチングサイトに自ら物件情報を掲載して借主を募る方法もあります。
但し、その場合は賃貸契約のさまざまな手続きをすべて自分で取り仕切らなくてはなりません。
内覧を経て「賃貸借契約の締結」
入居希望者が現れたら、物件の内覧を行います。
いくつかの内覧を経て、入居の意思が固まった希望者に対し、保証会社などが家賃の支払い能力を審査し、問題がなければ賃貸借契約を締結します。
方法③|実家を壊して「土地活用する」
実家を壊して「土地活用する」 | |
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メリット | ・実家の土地を手放さないで活用できる ・土地利用で定期的な収入が見込める |
デメリット | ・初期コストがかかる ・利益を得るまでに時間がかかる ・利益があげられるとは限らない |
おすすめのケース | ・思い入れのある土地を有効活用したい人 ・新しい商売を始める資金がある人 ・収益を得るまでに時間がかかっても構わない人 |
次にご紹介するのは、実家の家屋を取り壊して、土地活用をする方法です。
老朽化の進んだ実家の売却や賃貸が難しい人、先祖代々の土地であるなど、土地に思い入れがあって手放したくない人におすすめです。
土地を残せる上に、定期的な収入が見込めます。
土地活用の選択肢は、駐車場やアパート、トランクルームなど様々です。
【土地活用の例】
駐車場 | 狭小地や変形地でも活用できる初期コストが低く抑えられ、比較的手間がかからない後の売却や利用転換も簡単 |
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アパート | 敷地にアパートを建てる初期費用はかかるが、賃貸需要がある立地なら高収益が見込める |
トランクルーム | 狭小地や変形地でも活用できるコンテナを設置するだけなので、少ない初期コストで始められる長期間レンタルでは安定した賃料収入が期待できる |
他に、「コインランドリー」にしたり、駅や商業地の近くの立地なら「貸店舗」にするといった方法もあります。
ただ、デメリットとして、どの活用方法を選んだとしても、家屋を解体して新しく設置する費用がかかることが挙げられます。
商売をはじめるための広告費も含めて、最初に投資をする資金が必要になるのです。
また、継続運営のためのランニングコストも必要です。
利益が出るまでには時間がかかりますし、継続的に利益をあげられなければ、初期コストが取り戻せない可能性もあります。
土地活用は、相続した土地を大切に守って有効活用できる点が魅力的ですが、現時点で資金に余裕がない人には、リスクが高いためあまりおすすめできません。
おすすめの解体業者サービス | |
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方法④|「空き家バンク」に登録する
「空き家バンク」に登録する | |
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メリット | ・無料で物件情報を広められる ・補助金や助成金が利用できる |
デメリット | ・不動産会社と媒介契約を締結していると利用できない ・マッチングまでに長い時間がかかる場合がある ・個人間の取引になるためトラブル対応も自分で行わねばならない |
おすすめのケース | ・仲介手数料なしで実家を売却(賃貸)したい人 ・自治体(市区町村)や国が推進する制度に信頼性を感じる人 |
空き家になった実家の処理方法に悩んだら、「空き家バンク」に登録することを検討しましょう。
「空き家バンク」とは、地方自治体が、土地家屋(空き家)の所有者から集めた情報をウェブサイトなどで公開し、購入(居住)希望者に提供する制度です。
空き家(実家)の所有者は「空き家バンク」に物件を登録することで、条件の合う希望者とのマッチングが叶います。
「空き家バンク」では、所有者と空き家利用希望者の連絡調整もしてくれます。
全国的に増加する「空き家問題」が深刻化する中、空き家対策事業の一環として、国も積極的に「空き家バンク」の取り組みを推進しています。
「空き家バンク」のメリット・デメリット
空き家バンクを利用するメリットは、無料で誰でも物件情報を発信できることです。
登録すれば契約不要で利用でき、物件の資産価値にかかわらずサイトに掲載してもらえます。
自治体によって違いますが、空き家バンクに登録すると、主に下記のような広告活動が行なえます。
- 自治体ホームページでの情報公開
- 民間の不動産情報サイトへのリンク
- 雑誌広告・バナーなどの宣伝
- 地域住民の交流会での宣伝
もうひとつの大きなメリットは、多くの自治体で補助金や助成金が受け取れることです。
内容や金額は自治体によって異なりますが、よくある例が、改修費用の一部を負担してもらえる「リフォーム助成」です。
ほかに、「家財処分」や「耐震改修費」などへの補助金があります。
ただし、既に不動産会社と媒介契約を締結している場合、「空き家バンク」は利用できません。
また、「空き家バンク」は、不動産会社のように宣伝活動をしてくれるわけではないので、マッチングまでに長い時間がかかる可能性があります。
また、基本的に仲介のない個人間の取引になり、売買の過程で買主とトラブルが生じた場合、すべて自分で対応しなくてはならないので注意が必要です。
参照:国土交通省|「全国版空き家・空き地バンク」について
国土交通省|空き家・空き地バンク総合情報ページ
「空き家バンク」に登録する流れ
不動産(空き家)の所有者が、「空き家バンク」に登録する流れは以下の通りです。
ただし、市町村ごとに登録の手順は多少とも異なりますので、こちらは大まかな流れとしてご覧ください。
① 必要書類や申込書を自治体の担当部署に提出する |
② 自治体担当者による現況調査 |
③ 売買希望金額等を話し合って決定し登録 |
- ①必要書類や申込書を自治体の担当部署に提出する
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市町村の役所にいくと、空き家バンク登録に必要な「登録申込書」と「登録カード」がありますので、記入して担当部署に提出します(郵送も可)。
※市町村によっては「間取り図」「登記簿謄本」「公図」「測量図」などの提出が必要となることもあります。
- ②自治体担当者による現況調査
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申し込み後、自治体の担当者が空き家(実家)の現況調査に訪れ、売却や賃貸に出しても問題がないかを調査します。
※場合によっては、自治体が認定した宅地建物取引業者の職員が同行することもあります。
- ③売買希望金額等を話し合って決定し登録
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現況調査で問題がなければ、担当者や宅地建物取引業者と「売買希望金額」「希望賃料」「修繕の有無」などを話し合い、登録が完了します。
登録が完了すると、自治体のホームページで空き家情報として実家の情報が公開されます。
方法⑤|相続放棄をする
相続放棄をする | |
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メリット | ・維持費用や固定資産税などの税負担がなくなる ・実家を管理する必要がなくなる |
デメリット | ・資産価値のある財産もすべて放棄することになる ・次の相続人、又は相続財産管理人が見つかるまで実家の管理義務が生じる |
おすすめのケース | ・実家が売却や賃貸の難しい「負の遺産」と考えられるケース ・資産価値のあるプラスの財産より、借金などマイナスの財産の方が多いケース |
実家の築年数が古く、立地条件が悪いなど「売却」も「賃貸」も難しい状況である場合は、相続放棄をするのも一案です。
相続放棄とは、言葉通り、財産相続を放棄することです。
相続放棄をすれば、実家の維持費や固定資産税などの税負担はなくなり、相続後の管理の手間もなくなります。
ただし、相続人としての立場を放棄することになり、実家だけでなく、資産価値のある財産を相続する権利も失うことにるので注意してください。
遺産として、実家のほかに、現金や株式などのプラスの財産、活用できそうな土地や不動産がある場合は、慎重な判断が必要です。
財産全体のバランスを確認して、プラスの財産が多い場合は相続、「活用できない空き家」や「借金」などマイナスの財産が多い場合は相続放棄を検討するようにしましょう。
【相続財産管理人が決まるまでは管理義務が残る】
相続放棄をしても、次の相続人が決まらなかった場合、「相続財産管理人」が選任されるまでの間は管理義務が残ります。
相続放棄をすると、次の順位の人に相続の順位は移ります。
しかしながら、親や子、兄弟姉妹などすべての法定相続人が相続放棄をした場合は、実家の売却やその売却益などの国庫納付などを行う「相続財産管理人」を選任しなければなりません。
選任されるまでは、最初に相続をした人に実家の管理をする義務が生じることを把握しておきましょう。
実家をどうする?利用方法を選ぶ5つのポイント
実家の処理(活用)方法として、5つの選択肢を解説してきましたが、それぞれメリット・デメリットがあることから、まだ判断に迷っている方もいらっしゃるでしょう。
そこで最後に、5つの選択肢から最適な方法を選ぶポイントをお伝えしたいと思います。
順に解説しますので、ご自身の状況に照らし合わせながらみていきましょう。
ポイント①|「実家を残したい」かどうか
方法①売却する | 方法②賃貸に出す | 方法③土地活用 | 方法④空き家バンク | 方法⑤相続放棄 |
---|---|---|---|---|
✕ | ◯ | △ | △ | ✕ |
実家を残したい思いが強いのであれば、1番におすすめしたいのは「賃貸に出す」ことです。
実家を壊さずに有効活用することができます。
あらかじめ定めた期間のみを貸し出す「定期借家契約」を選択すれば、将来的にご自身や家族が住むことも叶います。
家屋の老朽化などで賃貸が現実的でない場合は、「土地活用」を選択することで、実家の土地を残すことができます。
ただしその場合、家屋を解体して新しく活用する建物を設置する費用がかかります。
※「空き家バンク」への登録でも賃貸に出すことはできますが、不動産屋を介した場合と比べ、マッチングに時間と手間を要する可能性が高いことから評価は△にしました。
ポイント②|「実家の老朽化が激しい」かどうか
方法①売却する | 方法②賃貸に出す | 方法③土地活用 | 方法④空き家バンク | 方法⑤相続放棄 |
---|---|---|---|---|
△ | ✕ | ◯ | △ | △ |
家屋の老朽化が進んでいる場合は、更地にして土地を有効活用することをおすすめします。
立地条件にもよりますが、適した活用法を選べれば定期的な収入が見込めます。
相続した大切な土地を残せるのもメリットといえるでしょう。
ただ土地活用では、実家を壊し、更地にして新しく建物を設置する費用がかかります。
収益を得るまでには、時間も必要です。
現時点で土地活用に投資する余裕がない場合は、更地にして「売却する」のも一案です。
この場合も、解体費用はかかりますが、買い手がつけば、短期間で売却代金が得られます。
家屋の老朽化が進んでいて資金に余裕がなく、さらに、立地条件が悪くて売却も難しい状態であれば、相続放棄も視野に入れる必要があるでしょう。
※「空き家バンク」は資産価値を問わないため、老朽化が進んでいても、売却や賃貸向け物件として登録できます。ただ、マッチングには時間と手間を要する可能性が高いことから評価は△にしました。
ポイント③|「土地の立地条件が良い」かどうか
方法①売却する | 方法②賃貸に出す | 方法③土地活用 | 方法④空き家バンク | 方法⑤相続放棄 |
---|---|---|---|---|
◯ | ◯ | ◯ | △ | ✕ |
実家の立地条件が良い場合は、「売却」「賃貸」「土地活用」の3つの選択肢があります。
おすすめは以下の通りです。
- 早めに現金を得たい→「売却する」
- すぐ現金を得るより、実家を残したい思いが強い→「賃貸に出す」
- ある程度資金があって、実家の土地を有効活用したい→「土地活用する」
立地条件が良ければ、高額な売却価格がつく可能性があります。
賃貸や、それ以外の商売でも人を集めやすく、安定収入がめざせます。
ポイント④|「なるべく早く現金を得たい」場合
方法①売却する | 方法②賃貸に出す | 方法③土地活用 | 方法④空き家バンク | 方法⑤相続放棄 |
---|---|---|---|---|
◯ | ✕ | ✕ | △ | ✕ |
今の時点で、まとまった現金を必要としている場合は、売却一択です。
空き家バンクは誰でも無料で登録できますが、不動産会社のように宣伝活動をしてくれるわけではないので、マッチングまでに長い時間がかかる可能性があります。
賃貸と土地活用は、集客に成功したとしても、収益を得るまでに時間と初期費用がかかります。
そのため、「なるべく早く現金を得たい」とお考えの方には、おすすめできません。
ポイント⑤|「相続財産に借金が多い」場合
方法①売却する | 方法②賃貸に出す | 方法③土地活用 | 方法④空き家バンク | 方法⑤相続放棄 |
---|---|---|---|---|
✕ | ✕ | ✕ | ✕ | ◯ |
実家以外の相続財産に、借金や保証債務、クレジット残債務など、マイナスの遺産が多い場合は「相続放棄」を検討しましょう。
資産価値のある財産より借金が多い場合、実家を相続すると、大量の借金まで抱え込む可能性があります。
財産全体のバランスを確認して、プラスの財産より、「活用できない不動産(実家)」や「借金」などマイナスの財産が多い場合は、「相続放棄」を選んだ方が賢明です。
【実家の価値を判断】無料の「不動産売却一括査定サイト」がおすすめ
相続した実家の有効活用を考えるなら、「不動産一括査定サイト」で複数社の査定額をチェックしましょう。
査定額から実家の適正価格が把握できるので、処理(活用)方法が見極めやすくなります。
不動産一括査定とは、無料で簡単に複数の不動産会社に査定依頼を出せるサービスです。
サイトでは、入力した物件の情報をもとに、条件に合う不動産会社とのマッチングが行われ、その中から、あなたが査定を依頼したい不動産会社数社が選べます。
- 物件の適正価格が把握できる
- 手軽に複数社に査定を依頼できる
- 自分の目的に見合った不動産会社を見つけやすい
空き家の実家を一刻も早くどうにかしたいとお考えの方には、多くの不動産会社に問い合わせる手間なく、複数社の査定額が比較できることは何よりの利点でしょう。
また、不動産会社と一口にいってもそれぞれ特徴があり、得意とする物件種別やエリアがあります。
自分の目的やケースに合った不動産会社を見つけるのは容易ではありませんが、不動産一括査定サイトなら、最初から目的に沿った会社に絞って依頼できるため手間がかかりません。
普段不動産会社を利用していない人は、良い不動産会社とそうでない会社を簡単には見分けられませんが、不動産一括査定サイトでは、全国の不動産会社の中から厳選した不動産会社を掲載しています。
厳選された質の高い不動産会社の中から、あなたやご家族の目的に合った不動産会社が見つけやすくなるのです。
実家の処理で迷っているなら、まずは無料の『不動産一括査定サイト』で、実家の価値を見極めましょう。
【おすすめの不動産一括査定サイト】
不動産一括査定サイト2選をご紹介します。
数ある無料の一括査定サイトの中から、どれを利用するか迷ったときの参考にしてださい。
①HOME4U不動産一括査定
「HOME4U」は、NTTデータグループが運営する不動庵一括査定サイトです。
官公庁などのデータを扱う信頼と実績のあるNTTデータグループの高いセキュリティとシステムで、国内最長22年の運営実績を誇ります。
培われたノウハウで、実績ある不動産会社のみを選定し、大手企業から地域に精通した中小企業まで、約2,300社と提携。
あなたと相性の良い不動産会社を厳選してご紹介します。
②すまいValue不動産一括査定
「すまいValue」は、三井不動産リアルティ(三井のリハウス)・住友不動産販売・東急リバブル・野村不動産・小田急不動産・三菱地所の大手6社が運営する不動産一括査定サイトです。
6社だけと聞くと少なく感じるかもしれませんが、実はこの6社の実績合計は、日本国内の不動産売約実績の約60%を占めています。
業界トップの超大手不動産会社6社に括査定を申し込めるサイトは「すまいValue」のみで、圧倒的な信頼と安心感があります。
ただし、店舗がない地域には対応していないので、その点は注意が必要です。
まとめ
住まない実家の処理(活用)方法は、5つ考えられます。
国の推進する「空き家バンク」は、実家の資産価値に関わらず誰でも無料で登録できますが、不動産会社と媒介契約を結んでいると、利用できないので注意してください。
「相続放棄」は、実家が活用方法の見いだせない状況である場合に検討の余地があります。
ただし、相続人としての立場を放棄すると、実家だけでなく、資産価値のある財産相続の権利も失うことをしっかり把握しておきましょう。
この記事を、田舎の実家に関するお悩みの解消に大いに役立てて頂けたらと思います。
査定額をより正確に出したい場合は、不動産会社1社のみではなく、少なくとも2〜3社まとめて査定を依頼するようにしましょう。
1社だけの査定額だと、相場よりも低い価格で売却して、損をしてしまうかもしれません。
2~3社に依頼すれば、数字を照らし合わせていくらが相場なのかチェックができ、売り出し価格を決める際の参考になります。
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