【図解】不動産鑑定とは?査定との違いや費用、依頼すべきケース解説

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不動産鑑定

不動産鑑定とは、あなたの不動産を、国家資格を持つ専門家(不動産鑑定士)に鑑定依頼することです。

不動産鑑定士は法的基準を元に、誰が見ても正しい金額(不動産鑑定評価額)を記載した書類(不動産鑑定評価書)を作成してくれます。

混同しやすい不動産査定とは、以下の3点が異なります。

【不動産鑑定と不動産査定の違い】

この記事では不動産鑑定とはどんなものか詳しく知りたい方に向けて、以下のポイントをご紹介します。

上記のポイントを押さえると、不動産鑑定について理解が深まり、不動産鑑定すべきかどうか判断できるようになります。

相続や離婚など、あなたが今、抱えている問題を解決できるように、ぜひ最後まで読み進めていただければと思います。

不動産査定を行いたい場合には、一括査定サイトの利用をすることで気軽に査定価格がわかります。

不動産売却を検討の際には最低3社の一括査定を利用することがおすすめ

査定額をより正確に出したい場合は、不動産会社1社のみではなく、少なくとも2〜3社まとめて査定を依頼するようにしましょう。

1社だけの査定額だと、相場よりも低い価格で売却して、損をしてしまうかもしれません。

2~3社に依頼すれば、数字を照らし合わせていくらが相場なのかチェックができ、売り出し価格を決める際の参考になります。

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上記の中からあなたのニーズに合う不動産一括査定サイトを選んでチェックしてみましょう。

不動産一括査定サイトの評判を確認したい方は以下の記事も参考にしてみて下さい。

おすすめ不動産一括査定サイト17社の評判や選び方を徹底解説

目次

【イラストで解説】不動産鑑定とは?

冒頭でもお伝えした通り、不動産鑑定とは、あなたの不動産を、国家資格を持つ専門家(不動産鑑定士)に鑑定依頼することです。

不動産鑑定士は法的基準を元に、誰が見ても正しい金額(不動産鑑定評価額)を記載した書類(不動産鑑定評価書)を作成してくれます。

通常、無料で依頼できる不動産査定では、不動産会社によって提示される金額が異なります。

しかし、不動産鑑定は最低でも20万円~の費用がかかる代わりに、誰が見ても正確な、不動産の時価を証明できます。

そのため、不動産鑑定評価書は公的書類として、裁判所や税務署に提出できるのです。

不動産鑑定について、さらに詳しく知るために、以下の3つの観点からご説明します。

不動産鑑定を行うのは、国家資格持ちの専門家「不動産鑑定士」

不動産鑑定を行うのは、国家資格持ちの専門家「不動産鑑定士」です。

不動産鑑定士は全国で1万人もいない、非常に難易度が高い国家資格で、弁護士・公認会計士と並んで「文系の三大国家資格」と言われることもあります。

国家資格を取得するだけでなく、取得後1~2年の実務研修を受け、小論文と口頭試験から成る修了考査をパスした人だけが、不動産鑑定士になることができます。

不動産鑑定士は不動産に関する幅広い知識があるため、不動産鑑定だけでなく、不動産の活用方法に関するアドバイスも可能です。

不動産鑑定をすると、法的根拠のある適正価格が出せる!

不動産鑑定をすると、法的根拠のある適正価格を出すことができます。

相続発生時や離婚時には、関係者できっちりと金額を分けられるように、誰が見ても正しい価格を出さなければなりません。

不動産鑑定によって算出された金額(不動産鑑定評価額)は、不動産鑑定士が法的根拠に基づいて、その不動産の時価を求めたものです。

そのため、不動産鑑定士が作成した書類(不動産鑑定評価書)は、裁判所や税務署に提出できる公的書類になります。

もし不動産鑑定をしなければ、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。

  • 「自分が不動産査定で取り寄せた価格はもっと高かったから、自分の分け前はもっと多いはずだ!」と、相続争いが起こる
  • 「納付された相続税が少なすぎます」と、後から税務署に調査される

次項で不動産鑑定と不動産査定の違いについて詳しくご説明しますが、不動産鑑定では以下のように誰が見ても適正な価格を出してもらうために必要なのです。

不動産鑑定と不動産査定の違い3つ

不動産鑑定と不動産査定の違いは、以下のように3つあります。

【不動産鑑定と不動産査定の違い】

不動産鑑定費用は20万円~!相場や安く抑えるコツを徹底解説

相続が発生した場合や、離婚で財産分与したい場合は、不動産鑑定が必要です。

一方で、単に自宅を売却したいだけなら不動産査定で構いません。不動産査定とはどういうものか詳しく知りたい方は、「不動産査定とは?手順と適正額の判断基準・不利にならないためのコツ」をご覧ください。

不動産査定が必要だと分かった方におすすめなのが、最短60秒大手6社の無料一括査定が依頼できるすまいValueです。

すまいValueは、以下の数字に表れているように、非常に高い売却力があります。

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不動産鑑定を依頼すべき4つのケース

不動産鑑定について分かってきたところで、「本当に不動産鑑定を依頼すべき?」と迷っている方も多いことと思います。

そこで、「やっぱり不動産鑑定を依頼しなきゃいけないんだ!」と判断できるように、不動産鑑定を依頼すべき、以下の4つのケースについてご紹介します。

相続が発生した場合

相続が発生した場合は、不動産鑑定を依頼すべきです。

なぜなら、以下の2つの理由があるからです。

  • 相続人で不動産を含む遺産を分ける際に、トラブルを起こさずに済む
  • 相続した土地が近隣の土地よりも明らかに広い場合は、相続税の申告で節税できる可能性がある

相続人で不動産を含む遺産を分ける際に、トラブルを起こさずに済む

不動産鑑定を依頼すれば、相続人で不動産を含む遺産を分ける際に、トラブルを起こさずに済みます。

なぜなら、不動産鑑定をすると、法的な根拠のある適正価格を出せるので、遺産の分け方について誰も文句を言えなくなるからです。

例えば、両親が亡くなって、兄弟二人が自宅を相続した場合、家を真っ二つに分けることはできません。

そこで、以下のように、兄が自宅をもらって住む代わりに、自宅を不動産鑑定して法的根拠のある時価を求め、それを半分にした金額を弟に渡せば、気持ちよく分けられます。

一方で、不動産鑑定をせず、鑑定評価額とはかけ離れた金額を渡すと、以下のようなトラブルが起こる可能性があります。

鑑定評価額の半額よりも低い金額を渡すと、これをきっかけに兄弟仲が険悪になりかねません。

また、鑑定評価額の半額よりも高い金額を渡すと、税務署から生前贈与だと疑われて、贈与税を払わなければならなくなります。

不動産鑑定をして、相続人すべてが納得せざるを得ない鑑定評価額を出し、それを元に遺産を分けると、相続人間でのトラブルが起こりにくくなるのです。

たとえ裁判になっても、不動産鑑定によって算出された鑑定評価額を元にした分け方を主張していれば、あなたの主張が採用されやすくなります。

相続した土地が近隣の土地よりも明らかに広い場合は、相続税の申告で節税できる可能性がある

相続した土地が、近隣の標準的な土地よりも明らかに広い場合は、不動産鑑定をすることで、相続税の申告で節税できる可能性があります。

なぜなら、相続税の計算をする際に一般的な「相続税路線価評価」よりも、実際の状況が正しく反映された「鑑定評価額」を用いた方が、相続税の課税対象額が下がり、相続税を安くできるからです。

例えば、相続税路線価評価では1億円だと算出される土地が、鑑定評価額では8,000万円になった場合、差額である2,000万円分にかかる相続税は支払わずにすみます。

相続税路線価評価の代わりに鑑定評価額を利用できることを知らないと、相続税を多く納付することになってしまうのです。
相続税の申告の際には、税務署に証拠資料として、不動産鑑定士に作成してもらった不動産鑑定評価書を添付しましょう。

路線価とは何かわかりやすく解説!これさえ読めば見方が分かる

離婚で財産分与をしたい場合

離婚することを決めて、財産分与を行う場合は、不動産鑑定を依頼すべきです。

なぜなら、財産分与では、不動産を含めた財産をどのように分けるのか、金額で揉めることが多いからです。

財産分与のために、不動産査定すると、以下のようにお互いの査定額が大きく違うせいで、話し合いが長引きやすくなります。

不動産鑑定をすれば、誰が見ても適正な鑑定評価額が出るので、財産分与においても二人が納得せざるを得ない価格を出せます

財産分与で揉めずに、スムーズに離婚したい場合は、不動産鑑定を依頼すべきです。

離婚で家の財産分与はどうやるの?流れや住み続ける方法・注意点解説

法人が不動産を扱う場合

法人の場合、不動産鑑定を依頼すると、以下のような場面で役立ちます。

  • 不動産を担保にして、お金を貸し借りするとき
  • 会計上、建物と土地を分けるとき
  • 時価評価が必要なとき
  • 役員と法人の間で不動産を売買するとき
  • 事業譲渡などで、不動産所有しているとき

不動産査定を依頼して、法人や一部の役員にとって都合の良い金額を元に話を進めると、会社法違反や脱税容疑などで、罪に問われる可能性があります。

このような場面では、不動産鑑定を依頼して不動産鑑定評価書を作成してもらい、適正な時価で取引された記録を契約書や議事録と合わせて、残しておきましょう。

特殊な不動産を売買する場合

特殊な不動産を売買する場合は、不動産鑑定を依頼することをおすすめします。

なぜなら、特殊な不動産は売買価格を決めるための参考資料や交渉材料が乏しいため、正確な売買価格が出しにくいからです。

特殊な不動産とは、以下のようなものです。

  • 病院
  • ホテル
  • ゴルフ場
  • ゴルフ練習場
  • メガソーラー用地

特殊な不動産を売買する場合は、不動産鑑定を依頼して、鑑定評価額を元に、納得できる売買価格を決めましょう。

不動産鑑定の費用相場

「不動産鑑定を依頼しなければ!」と思った方は、どれくらい費用がかかるのか気になっていることと思います。

不動産鑑定費用の相場は20万円~ですが、以下のように不動産の種類によって相場は変わります。

【不動産の種類別・不動産鑑定費用の相場】

不動産鑑定費用は、以下の2つを基準に決められることがほとんどです。

  • 不動産の種類
  • 鑑定によって算出された鑑定評価額

土地価格が最も高い東京都を含む首都圏では、土地価格の影響で鑑定評価額が上がり、不動産鑑定費用も高くなる傾向にあります。

首都圏での不動産鑑定費用相場や、不動産鑑定費用を安く抑えるポイントについては「不動産 鑑定 費用」でご紹介しているので、ぜひご覧ください。

10万円程度で依頼できる!簡易鑑定とは

簡易鑑定とは、不動産鑑定が簡素化されたもので、10万円程度で不動産鑑定士に依頼できます。

不動産鑑定と比べて約半分の費用で済みますが、簡易鑑定で作成してもらえる書類は以下のものです。

  • 調査報告書
  • 価格調査書
  • 意見書

これらは正式な不動産鑑定評価書ではないため、裁判所や税務署に提出することはできません。簡易鑑定で対応できるのは、以下のようなケースです。

  • 社内用稟議書類など、社員しか見ないケース
  • 家主が家賃を決めるなど、個人的な意思決定に利用するケース

<Point>

簡易鑑定を依頼してから「不動産鑑定でなければダメだった」と気付いたら、二重の費用が必要になる可能性があります。
簡易鑑定を検討したい方は、見積もりを依頼する際に、本当に簡易鑑定でもよいのか不動産鑑定士に相談してみましょう。

不動産鑑定の3つの評価方法

不動産鑑定によって算出される正確な金額のことを、「鑑定評価額」といいます。

鑑定評価額を求める際には、以下の3つの評価方法の複数を組み合わせて、用いられます。

あなたの不動産の場合、どの評価方法をメインに鑑定されるのか、知っておきましょう。

取引事例比較法

取引事例比較法は、過去によく似た取引事例がある場合に用いられる、3つの中では最も基本的な評価方法です。

【取引事例比較法】

算出方法よく似た不動産の過去の取引事例と比較して、違う部分の価値を調整して算出する
対象土地、マンション
※過去によく似た取引事例がある不動産

まったく同じ不動産、同じタイミングの取引事例はないため、対象の不動産がある地域や、面積・立地に加えて、以下の2点も考慮されます。

  • 市場全体の動き
  • 取引の時期

過去に似た取引事例がない場合や、事例があっても時間が経ちすぎている場合は、取引事例比較法を用いて不動産鑑定をすることはできません。

収益還元法

収益還元法は、主に賃貸アパートや賃貸マンションなどの、投資用不動産の投資判断をする場合に用いられます。

【収益還元法】

算出方法対象の不動産を貸した場合に、将来生み出すと予想される収益から算出する
対象賃貸アパート、賃貸マンション
※投資用不動産

一般的な戸建てやマンションの場合でも、鑑定評価額をあらゆる面から算出するため、取引事例比較法や原価法と一緒に行われることが多いです。

原価法

原価法は、改めてその土地や不動産を取得、建築すると仮定したときにかかる費用を元にする評価方法で、3つの中では最も求めやすい方法です。

【原価法】

算出方法対象の土地や建物を改めて取得・建築した場合にかかる費用(原価)を求めてから、建築年数が経過して価値が下がった分を差し引いて算出する
対象一戸建てなどの建物

築年数が経過すると、以下のように価値が変化するため、原価を元に現在の価値に修正して、不動産鑑定評価額を算出します。

  • 建物の破損、老朽化
  • お風呂やキッチンの各種設備の劣化
  • 周辺環境の変化
  • 土地の価値の変化

不動産鑑定をする際には、対象の不動産に応じて、これら3つの評価方法を組み合わせて、適正な価格を算出します。

不動産鑑定の評価額はどうやって決まる?判断基準3つ

不動産鑑定の評価方法は複数を組み合わせて用いられていることが分かったところで、どんな不動産だと取引される価格が高くなるのか、気になりますよね。

不動産鑑定評価額を決める、以下の3つの判断基準についてご紹介します。

不動産鑑定の評価額を決める判断基準3つ

一般的要因

国土交通省「不動産鑑定基準」によると、一般的要因には、以下の4つの項目があります。

  • 自然的要因
  • 社会的要因
  • 経済的要因
  • 行政的要因

不動産の評価が高くなる自然的要因は、以下の通りです。

【自然的要因】

地質・地盤の状態水はけが良い

地盤が硬い
土壌の状態汚染されていない
養分を十分に蓄えている
地勢の状態平坦
高台
(眺めが良く、水害にあいにくい)
地理的な位置関係海や川のすぐそばでない
気象の状態気候が穏やか
参考:国土交通省「不動産鑑定基準

不動産の評価が高くなる社会的要因は、以下の通りです。

【社会的要因】

人口の状態多い
増加傾向にある
家族構成、世帯分離の状態エリアにおけるニーズがある

(東京都=単身者向けなど)
都市形成、公共施設の整備の状態道路が整備されている
公園、図書館、学校、保育所などが多い
教育、社会福祉の状態進学率が一定基準を超えている
大規模な病院や、介護施設が近くにある
参考:国土交通省「不動産鑑定基準

不動産の評価が高くなる経済的要因は、以下の通りです。

【経済的要因】

物価インフレ傾向
税負担の状態子育て支援対策があるなど
賃金などの企業活動の状態賃金が高い
大手企業を誘致している
国際化の状態過疎地域より国際化で人口が増加している
交通体系の状態交通機関が充実している
参考:国土交通省「不動産鑑定基準

不動産の評価が高くなる行政的要因は、以下の通りです。

【行政的要因】

土地利用計画計画が進められている
防災等に関する規制の状態規制が徹底されている
(建物の密集度が高い防火地域では、木造建築は建てられない)
不動産に関する税制、取引規制の状態固定資産税の税率が低い
(人口が少ない地域)
不動産を建築する際の規制が少ない
(京都府は、街並みを守るため景観条例がある)
参考:国土交通省「不動産鑑定基準

地域要因

地域要因とは、日照や都心との距離など、一般的要因と絡み合いながら、その地域の特性となっている要因のことです。
国土交通省「不動産鑑定基準」によると、地域要因は以下の5つに分けて考えられます。

  • 住宅地域
  • 商業地域
  • 工業地域
  • 農地地域
  • 林地地域

不動産の評価が高くなる住宅地域は、以下の通りです。

【住宅地域】

日照や温度など気象の状態日当たりが良い
温暖である
街の道路の幅員、構造の状態広い道路がある
都心との距離、交通施設の状態都心と近い
近くに駅やバス停がある
災害発生の危険性災害が起こりにくい
街並みの状態良い
参考:国土交通省「不動産鑑定基準

不動産の評価が高くなる商業地域は、以下の通りです。

【商業地域(住宅地域における要因を含む)】

商業施設などの種類・規模賑わっている大型のショッピングモールがある
顧客、従業員の交通手段の状態顧客も従業員も行きやすい
商品の搬入、搬出の利便性利便性が良い
駐車施設の整備の状態商業施設の近くに広い駐車場がある
参考:国土交通省「不動産鑑定基準

不動産の評価が高くなる工業地域は、以下の通りです。

【工業地域(住宅地域における要因を含む)】

幹線道路や鉄道など輸送施設の整備状況高速道路の出入口や、鉄道の駅と近い
労働力確保の難易労働力が確保しやすい
関連産業との位置関係製品販売市場、原材料仕入市場と近い
公害発生の危険性水質汚濁、大気汚染などが発生していない
参考:国土交通省「不動産鑑定基準

不動産の評価が高くなる農地地域は、以下の通りです。

【農地地域】

日照や温度などの気象の状態日照時間が長い
温暖
土壌や水質の状態土壌、水質が良い
災害発生の危険性洪水や地すべりが起こりにくい
集荷地、産地市場との位置関係集荷地と産地市場が近い
輸送施設の状態鮮度を保ったまま輸送できる
参考:国土交通省「不動産鑑定基準

不動産の評価が高くなる林地地域は、以下の通りです。

【林地地域】

日照や温度などの気象状況日照時間が長い
温暖
標高や地勢などの状況標高が低い
(宅地化ができる可能性がある)
林道などの整備の状態林道が整備されている
労働力確保の難易労働力が確保しやすい
行政上の助成、規制の程度助成がある
規制が少ない(宅地化できる可能性がある)
参考:国土交通省「不動産鑑定基準

個別的要因

個別的要因とは、一つひとつの不動産によって異なる部分のことです。

国土交通省「不動産鑑定基準」によると、個別的要因は「土地」と「建物」に分けて考えられます。

不動産の評価が高くなる土地は、以下の通りです。

【土地】

地勢、地質、地盤など土壌が汚染されていない
地盤が硬い
日照、風通しなど日照時間が長い
風通しが良い
間口、奥行、形状など間口が広い
適度な奥行きがある
長方形
高低、角地、接面街路との関係角地
細い通路を通った先に敷地がある土地ではない
交通施設との距離近くに駅やバス停がある
商業施設との距離近くに商業施設がある
災害の危険性災害が起こりにくい
参考:国土交通省「不動産鑑定基準

不動産の評価が高くなる建物は、以下の通りです。

【建物】

築年数新築
築年数が浅い
面積、構造、材質など面積が広い
鉄骨構造
耐震性・耐火性建物の性能耐震性・耐火性が高い
有害物質の使用の有無、状態有害物質が検出されない
【賃貸の場合】
借主の状況、賃貸借契約の内容
騒音を出したり、家賃滞納する借主がいない
貸室の稼働状況満室に近い
修繕費用の負担修繕費用負担が少ない
参考:国土交通省「不動産鑑定基準

後悔のない依頼をしよう!不動産鑑定の流れとポイント

不動産鑑定をするなら、後になって「別の不動産鑑定事務所に頼めばよかった」と思うのは嫌ですよね。

そこで、不動産鑑定の流れを元に、後悔のない依頼をするためのポイントをご紹介します。

【STEP①】不動産鑑定事務所の選定

まずは、不動産鑑定事務所を選定することから始めましょう。

不動産鑑定事務所は、以下の2つの方法で探すことができます。

  • 専門家(弁護士、税理士、司法書士など)に紹介してもらう
  • インターネットで検索する

以下のポイントを参考に、3社程度の見積もりを取り寄せて、依頼する事務所を選定しましょう。

【不動産鑑定事務所を選定するポイント】

  • 不動産鑑定実績が豊富である
  • あなたの不動産があるエリアに詳しい
  • あなたの不動産の種類の鑑定に特化している
  • あなたの立場に寄り添って柔軟に対応してくれる
    (鑑定評価書が必要となる期日までに作成してくれる、説明が分かりやすい)
  • アフターフォローもしてくれる

見積もりを依頼するのが1社だけでは、費用が適正か、対応が良いかを判断できません。

必ず3社程度の中から、依頼する不動産事務所を選びましょう。

費用を安く抑えるポイントや、不動産鑑定事務所を選ぶポイントの詳細については「不動産鑑定費用は20万円~!相場や安く抑えるコツを徹底解説」で詳しくご紹介しているので、ぜひご覧ください。

【STEP②】不動産鑑定の申込

次に、選んだ不動産鑑定事務所に不動産鑑定の申込を行います。

申し込みの際には委託契約を結ぶことになり、納税通知書を始めとする多くの必要書類が必要です。

不動産鑑定申込時の必要書類は、以下の通りです。

ただし、事務所側で用意してくれたり、この他に指示があったりする場合もあるので、事前に確認することをおすすめします。

【不動産鑑定申込時の必要書類】

スクロールできます
必要書類取得場所取得費用
納税通知書※必須
(固定資産税・都市計画税)
自宅、実家など※再発行不可
ない場合、不動産がある市区町村役場で「名寄帳」を交付依頼する
全部事項証明書
(登記簿謄本)
法務局
法務局オンライン請求
700円
住宅地図
(所有者名・面積など情報記載)
法務局
法務局オンライン請求
450円
公図法務局
法務局オンライン請求
500円
地積測量図法務局
法務局オンライン請求
500円
建物図面、各階平面図法務局
法務局オンライン請求
500円
道路台帳市役所
オンライン請求
300円程度
上水道配管図水道局コピー代程度
下水道台帳水道局コピー代程度
ガス配管図ガス会社ガス会社による

上記の表の取得費用は、窓口で取得した場合の費用です。

オンライン請求だと窓口よりも安い費用で取得できるので、ぜひご利用ください。

【STEP③】対象不動産の調査対象不動産の調査

申込が済むと、依頼を受けた不動産鑑定事務所の不動産鑑定士は、対象不動産の調査に取り掛かります。

調査は、以下の2種類があります。

スクロールできます
資料を収集して行う調査・都市計画状況の確認
・道路状況の確認
・開発状況の確認
・建築許可の証明
・埋蔵文化財などの確認
現地に出向いて行う調査・土地や建物の状態の確認
・隣地との境界、接道、インフラ状況の実態の確認
・周辺環境、周辺施設、抜け道などの確認

多くの項目を調査するため、少なくとも10営業日以上の調査期間が必要です。

なお、以下のようなケースでは、調査期間は長引きやすくなります。

  • 広大な土地
  • 権利関係が複雑な不動産

【STEP④】鑑定評価

対象不動産の調査を元に、不動産鑑定士は鑑定評価を行います。

この段階では、以下の項目を始めとする、さまざまな状況を分析・検討します。

  • 不動産の種類
  • 建物の傷み具合
  • 周辺環境
  • 不動産の立地状況

4.不動産鑑定の3つの評価方法でご説明した複数の評価方法で試算して、調整を重ね、最終的な鑑定評価額が算出されます。

【STEP⑤】鑑定評価書の交付・報告

最後に、不動産鑑定士は鑑定評価書を作成し、依頼人に交付・報告を行います。
鑑定評価書に記載されている内容は、以下の通りです。しっかり読み込んで、抜け漏れがないか確認しましょう。

【不動産鑑定評価書に記載されている内容】

・対象となる不動産
(住所・地番、建物がある場合は不動産登記の家屋番号、面積など)

・依頼目的

・鑑定評価の条件
 ほとんどの場合、正常価格を記載する
 隣地を購入すると画地条件が良くなる場合は、限定価格を記載する

・不動産の鑑定評価額

・鑑定の基準となった日付
(不動産価格は、時期によって変動するため)

・鑑定評価額を決定した理由 ※1番ページ数が多い!
 鑑定額の上昇理由:世の中の通貨価値の上昇(インフレ)、近隣に公共交通機関がある など
 鑑定額の下落理由:地盤の緩み など

・不動産鑑定を依頼した人と関与した不動産鑑定士との利害関係
(親子や親族の場合は、明記する)

不明点があれば、質問しましょう。

まとめ

この記事では、不動産鑑定について詳しくご説明させていただきました。

最後に記事の内容をまとめてみると、不動産鑑定とは、あなたの不動産を、国家資格を持つ専門家(不動産鑑定士)に鑑定依頼することです。

不動産鑑定士は法的基準を元に、誰が見ても正しい金額(不動産鑑定評価額)を記載した書類(不動産鑑定評価書)を作成してくれます。

不動産鑑定費用の相場は20万円~ですが、以下のように不動産の種類によって相場は変わります。

不動産鑑定の評価方法は、以下の3つがあります。

不動産鑑定の評価額を決める判断基準3つは、以下の通りです。

この記事を元に、後悔のない不動産鑑定ができることを願っています。

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地図上でマンション名と参考価格が丸見えになる「プライスマップ」が便利
過去の成約事例が見られる「不動産アーカイブ」が参考になる
住み替えの場合「空き家バンク」も利用可能(国土交通省のモデル事業請負)

LIFULL HOME’sで査定
連絡時間を指定したい

マンションナビ
2011年~運営の老舗一括査定サービス
マンション専門なので、マンションの売却に強い不動産会社が揃っている
賃料査定もできるので売るか貸すか迷っている人にもおすすめ

マンションナビで査定

SUUMO売却査定
大手広告代理店のリクルートが運営
求める条件で不動産会社が探せる
不動産会社ごとの営業スタッフの人数がわかる
売却以外にも不動産関連コンテンツが豊富

SUUMOで査定
電話で確認したい

HOME4U
日本で初めて不動産一括査定サービスを始めた老舗
一括査定以外のサービス(土地活用注文住宅・賃貸経営など)が充実
ビル・店舗・倉庫・事務所も対応

HOME4Uで査定

すまいValue
不動産大手6社(三菱地所の住まいリレー・三井のリハウス・小田急不動産・住友不動産販売・野村の仲介+・東急リバブル)の直営サイト
売却までのスピードが早い(平均売却期間2.7ヶ月)
売却成約率約8割の実績

すまいValueで査定
農地・倉庫がある

HOME4U
日本で初めて不動産一括査定サービスを始めた老舗
一括査定以外のサービス(土地活用注文住宅・賃貸経営など)が充実
ビル・店舗・倉庫・事務所も対応

HOME4Uで査定

イエウール
2022年1月に不動産一括査定サイト3冠を達成
区分所有ビル・・工場・倉庫・農地も対応
全国の一戸建てに対応している「家査定シミュレーター」でその場で概算査定額がわかる

イエウールで査定

リビンマッチ
東証グロース市場上場企業が運営
加盟企業数は日本最大級の約1,700社
店舗や投資用物件・ビル・工場・倉庫・農地にも対応
土地活用任意売却・賃貸管理など、不動産査定以外のサービスも豊富

リビンマッチで査定

LIFULL HOME’s
買取査定任意売却査定も可能
住まいに関わるコンテンツが充実
地図上でマンション名と参考価格が丸見えになる「プライスマップ」が便利
過去の成約事例が見られる「不動産アーカイブ」が参考になる
住み替えの場合「空き家バンク」も利用可能(国土交通省のモデル事業請負)
LIFULL HOME’sで査定

上記の中からあなたのニーズに合う不動産一括査定サイトを選んでチェックしてみましょう。

不動産一括査定サイトの評判を確認したい方は以下の記事も参考にしてみて下さい。

おすすめ不動産一括査定サイト17社の評判や選び方を徹底解説

著者

賃貸マンション・賃貸アパートなど、タイセイ・ハウジーが管理する全国の不動産賃貸住宅情報をご紹介しています。賃貸管理業務を通じた知識をわかりやすくお届けできればと考えています。

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