この記事ではマンションの相続にかかる必要な手続きと流れ、費用から、相続後のマンションの使い道とそれぞれの注意点まで、わかりやすく解説します。
この記事を読むことで、相続争いや損をすることのない、スムーズなマンション相続ができるようになります。
マンションを相続する場合、故人から相続人へ名義を変更したり、相続税の申告をしたりといった手続きが必要です。
相続税の申告と支払いは、相続開始した時から10か月以内と、期限が決まっています。
そのため、期限内に遺産分割協議や相続登記などの手続きをすませ、相続税を申告する必要があります。
加えて、マンションは分割が難しいことから、相続争いが起こりやすいものです。
しかし、マンション相続の流れや使える特例などが事前にわかっていれば、不要な争いを避け、相続が発生した時に慌てず対応ができるようになります。
マンション相続は次のような流れです。
相続登記を行うと、その不動産の名義が変わりますので、住宅ローンを組むことができ、リフォーム等の為に利用できます。
まずマンションの所在地から、管轄する法務局を調べ、相続登記に必要な書類を提出します。
その後、10日前後で登記完了証と権利証が発行され、相続登記(名義変更)が完了です。マンションを相続する時にかかる相続税以外にも、細々した費用がかかります。
例えば、必要な書類を役所で取得するための料金は、5,000円~20,000円ほどです。
相続する人数分の書類を準備する必要があります。相続税の申告に不安がある方は、相続税申告の専門知識がある税理士に依頼するのがおすすめです。
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【6 STEPで解説】マンションの相続に必要な手続き

マンションを相続する場合、だれが受け継ぐのかを親族同士で話し合った…というだけでは、相続したことにはなりません。
法に則った手続きを踏み、相続税を納めて名義変更をすることで、初めて相続が完了します。
マンションを相続するための流れと、必要な手続きについて解説していきます。
遺言書の確認
相続は、まず遺言書の有無を確認することから始まります。
遺言書は、故人が人生をかけて築き上げた自分の財産をどうしたいかという、故人の生前の希望が書かれているものです。
そのため、まずは財産の所有者であった故人の意思を尊重することが基本です。遺言書の有無を確認する方法は、上から見つけやすい順で以下の3つがあります。
【マンション相続にかかる遺言書の見つけ方】
遺言書の種類 | 調べる場所 |
---|---|
公正証書遺言 | 公正証書役場 |
自筆証書遺言(法務局管理) | 法務局 |
自筆証書遺言(自己管理) | 自宅や貸金庫など※開封厳禁 |
それぞれどのように調べるものか、簡潔に説明しましょう。
公正証書遺言を探す
故人が公正証書遺言を残しているかどうか、全国の公正証書役場にある検索システムで無料で調べることができます。
この検索システムでは、遺言書の有無と、全国のどこの公正証書役場に保管されているかがわかります。
公正証書遺言が保管されていて、保管されている公証役場がわかったら、直接出向くか郵送によって、公正証書遺言の写し(謄本)を請求します。
参考:ホーム > 公証事務 > 2 遺言 > Q1. 亡くなった方について、公正証書遺言が作成されているかどうかを調べることができますか?
自筆証書遺言(法務局管理)を探す
【①遺言書保管事実証明書の交付の請求】
内容 | 手数料 |
---|---|
法務局に保管されているかどうかの確認 | 800円 |
【②遺言書情報証明書の交付の請求】
内容 | 手数料 |
---|---|
法務局に保管されている遺言書の写しをもらう | 1,400円 |
故人が手書きで記した遺言書を法務局に預けているかどうか、法務局の遺言書保管所で「遺言書保管事実証明書の交付の請求」を行います。
この請求により、自筆遺言書の有無と、全国のどこの遺言保管所で保管されているかがわかります。
自筆遺言書が保管されていることがわかったら、実際に保管している遺言保管所に対して、今度は「遺言書情報証明書の交付の請求」を行います。
手数料が異なるため、法務局に保管されていることが確かである場合は、「遺言書情報証明書の交付の請求」だけ行うと良いでしょう。
自筆証書遺言(自己管理)を探す
公証役場にも法務局にも遺言書がなかった場合は、故人の遺品から自筆証書遺言を探します。
たとえ自己管理しているものであっても、様式に則っているものであれば、公正証書遺言や法務局保管の自筆証書遺言と法的な効力は変わりません。
遺産分割協議や、相続手続きを終えた後に見つかった場合でも、尊重されることに変わりはないのです。
自己管理の自筆証書遺言は、以下の場所に保管されていることが多いため、まずは探してみてください。
- 仏壇
- 神棚
- 書斎の鍵付き引き出し
- 自宅金庫
- 銀行の貸金庫など
なお、自筆証書遺言を見つけた場合は、故人以外の人の手で改ざんされた形跡がないことを証明するため、封を開けずに家庭裁判所で「検認」してもらうことが必要です。
相続人と相続財産の確認
遺言書があった場合は、その内容に従って、だれが何を相続するのかが決まります。遺言書がなかった場合は、だれが何を相続するのかを、相続人同士で話し合う必要があります。
故人の遺産を相続できるのは、法定相続人と呼ばれる、相続の権利を持った人だけです。
法定相続人とは、遺産を相続することが法律で認められている人のことで、相続人には決められた優先順位があり、存命している人のうち、配偶者と、より上の順位の人だけが相続することができます。

相続財産は、負債についても必ず調べておきましょう。
負債の有無や金額を調べるには、以下3つの信用情報機関すべてに対して「情報開示請求」をします。
- 一般社団法人全国銀行協会(銀行関係)
- 株式会社日本信用情報機構(消費者金融系の会社または信販会社など)
- 株式会社シー・アイ・シー(クレジット会社または信販会社など)
3つの信用情報機関すべてに情報開示請求を行うことで、故人のすべての借り入れ情報を確認することができます。
分配方法の決定
マンションは、物理的に分けることも、相続人全員で住むこともできないですが、複数人で相続するためには分ける必要があります。
相続人が複数人いる場合、マンションを相続する方法は、大きく分けて以下の4つがあります。
【 マンションの相続方法 】

それぞれ詳しく見ていきましょう。
遺産分割協議書の作成
相続人全員で、遺産をどのように分割するかを話し合った結果を「遺産分割協議書」として法的効力のある文書にします。
遺産分割協議書があることで、マンションの相続登記(名義変更)を行うことができます。遺言書がある場合、遺産分割協議書を作成する必要はありません。
遺産分割協議書の書式に決まりはありませんが、法的効力を得るため、以下の項目は必ず記載するようにしてください。
【遺産分割協議書に記載するべき必要事項】
- 被相続人の名前と死亡日
- 相続人全員が遺産分割の内容に合意をしている旨
- 相続財産の具体的な内容(預金の場合は銀行名・支店名・口座番号など)
- 相続人全員の名前・住所と実印の押印
これらを記載した書類に、相続人全員の印鑑証明書を添付します。
遺産分割協議書は、相続人全員が一部ずつ同じものを持ちます。
相続税の申告と支払い
相続税を支払うことで、故人の遺産を相続することができます。相続税はマンションだけでなく、すべての相続財産の総額にかかってくるものです。
故人が亡くなってから10ヶ月以内に、故人の住所地の税務署に申告と納税をします。
納税は各金融機関または所轄の税務署の窓口で納付するほか、インターネット、コンビニエンスストア店頭、クレジットカードなどで納付することができます。
参考:国税庁 納税の方法
- マンションを売っていないのに、支払うべき相続税が分かるの?
-
マンション売却が成立するまでには、通常数ヶ月の期間がかかります。
しかし、遺産分割協議が進まないなどの理由で、納税期限の10ヶ月以内までに売却が完了しないこともあるでしょう。
そうしたケースを踏まえ、マンションの実際の売却価額ではなく、「相続税評価額」という国税庁の定めている金額に沿って相続税が決まります。
マンションを売らなくても、払うべき相続税は算出できます。
相続評価額についてもっと知りたい方は、以下の記事も参考になさってください。
相続登記(=名義変更)
マンションの所有者の名義を、故人から相続人に変更します。
不動産は名義変更をしてやっと自分の物になるため、相続登記を行うことで、売却やリフォームのための住宅ローンを組むことができます。
マンションの所在地域を管轄する法務局に相続登記の必要書類を提出すると、10日ほどで登記完了証と権利証が発行され、これを受け取ることで相続登記が完了します。
- 相続登記に期限はあるの?
-
2023年4月現在では、相続登記に義務や期限はありません。
しかし「故人の相続財産の中に不動産があることを知った日から、3年以内に登記する」ことを義務化する動きがあります。
2021年4月21日に国会で法案が成立し、2024年度を目途に準備が進んでいるところです。
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マンションの相続に必要な書類一覧
相続手続きでは、確認に使用したり、関係機関で書類の提出または提示を求められたりと、さまざまな書類が必要になります。
重複して使用する書類も多いので、どんな書類が必要か、また、すでに持っている書類がないかなど、確認しながら進めていきましょう。
なお、各種証明書は、基本的に発行から3ヶ月以内のものが有効です。
書類が一覧になったもののPDFもご用意しています。PDFで書類をまとめてみたい方は、下記のボタンをクリック後、「マンションの相続に必要な費用」へお進みください。
遺言書の確認
遺言書の確認で必要な書類は、下記の通りです。
【公正証書遺言の検索】
□ | 遺言者が死亡した事実を証明する書類(除籍謄本等、市区役所・町村役場で入手) |
□ | 遺言者の相続人であることを証明する戸籍謄本(除籍謄本等、市区役所・町村役場場で入手) |
□ | 相続人の本人確認書類 ・運転免許証 ・各種健康保険証 ・個人番号カード (マイナンバーカード) ・年金手帳 ・福祉手帳 ・パスポート など |
【公正証書遺言の写しの取得】
□ | 公正証書謄本交付申請書(最寄りの公証役場) |
□ | 遺言者が死亡した事実を証明する書類(除籍謄本等、市区役所・町村役場で入手) |
□ | 遺言者の相続人であることを証明する戸籍謄本(市区役所・町村役場で入手) |
□ | 相続人の本人確認書類 ・運転免許証 ・各種健康保険証 ・個人番号カード (マイナンバーカード) ・年金手帳 ・福祉手帳 ・パスポート など |
【自筆証書遺言(法務局管理)の有無の確認】
□ | 遺言書保管事実証明書の交付請求書 |
□ | 遺言者が死亡した事実を証明する書類(除籍謄本等、市区役所・町村役場で入手) |
□ | 遺言者の相続人であることを証明する戸籍謄本(市区役所・町村役場で入手) |
□ | 相続人の住民票(市区役所・町村役場で入手) |
□ | 相続人の本人確認書類 ・運転免許証 ・各種健康保険証 ・個人番号カード (マイナンバーカード) ・年金手帳 ・福祉手帳 ・パスポート など |
【自筆証書遺言(法務局管理)の取得】
□ | 故人の出生から死亡するまでのすべての戸籍謄本(市区役所・町村役場で入手) |
□ | 相続人全員の戸籍謄本(市区役所・町村役場で入手) |
□ | 相続人全員の住民票(市区役所・町村役場で入手) |
相続人の確認
相続人の確認に必要な書類は、下記の通りです。
□ | 故人の出生から死亡するまでのすべての戸籍謄本(市区役所・町村役場で入手) |
相続財産の確認
相続財産の確認で必要な書類は、主に下記の通りです。
【遺品から手がかりを探す】
□ | 通帳やキャッシュカード |
□ | 有価証券 |
□ | 保険契約書 |
□ | 貸金庫 |
□ | 故人宛の金融機関からの郵便物 |
□ | 故人宛の固定資産税課税明細書 |
【金融機関での証明書の取得】
□ | 遺言者が死亡した事実を証明する書類(除籍謄本等、市区役所・町村役場で入手) |
□ | 遺言者の相続人であることを証明する戸籍謄本(市区役所・町村役場で入手) |
□ | 相続人の本人確認書類 ・運転免許証 ・各種健康保険証 ・個人番号カード (マイナンバーカード) ・年金手帳 ・福祉手帳 ・パスポート など |
遺産分割協議書の作成
遺産分割協議書の作成で必要な書類は、下記の通りです。
□ | 遺言者が死亡した事実を証明する書類(除籍謄本等、市区役所・町村役場で入手) |
□ | 遺言者の相続人であることを証明する戸籍謄本(市区役所・町村役場で入手) |
□ | 相続人の本人確認書類・運転免許証・各種健康保険証・個人番号カード (マイナンバーカード)・年金手帳・福祉手帳・パスポート など |
□ | 財産目録(相続人が作成、財産目録様式) |
相続税の申告
相続税の申告で必要な書類は、下記の通りです。
【相続関係を証明するもの】
□ | 故人の出生から死亡するまでのすべての戸籍謄本 |
□ | 相続人全員の戸籍謄本 |
□ | 相続人全員の住民票(※マイナンバー記載必須、市区役所・町村役場で入手) |
□ | 法定相続情報一覧図(相続人が作成、主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例) |
【不動産関連の証明書】
□ | 登記事項証明書 |
□ | 固定資産評価証明書(不動産所在地の市区役所・町村役場) |
□ | 名寄帳(固定資産課税台帳・不動産所在地の市区役所・町村役場) |
□ | 公図または地積測量図 |
□ | 住宅地図 |
□ | 賃貸借契約書 |
□ | 路線価図または倍率表 |
【金融関係の証明書】
□ | 残高証明書(各金融機関の窓口) |
□ | 既経過利息計算書(各金融機関の窓口) |
□ | 通帳の写しまたは預金取引履歴(各金融機関の窓口) |
【有価証券の証明書】
□ | 取引残高報告書(各金融機関から定期的に送付) |
□ | 配当金支払通知書(各金融機関から定期的に送付) |
□ | 非上場株式の決算書 |
【保険関連の証明書】
□ | 死亡保険金支払通知書 |
□ | 生命保険証書 |
□ | 解約返戻金がわかる資料 |
【負債関連の証明書】
□ | 借入残高証明書(各金融機関の窓口) |
□ | 金銭消費貸借契約書 |
□ | 未納の租税公課の領収書 |
□ | 未払い金の領収書 |
【葬儀関係の証明書】
□ | 領収書 |
□ | お布施や心付けのメモ |
その他、宝飾品や美術品、金など、資産価値のある相続財産についても申告が必要です。
相続登記
相続登記で必要な書類は、下記の通りです。
□ | 登記事項証明書 |
□ | 故人の出生から死亡するまでのすべての戸籍謄本(市区役所・町村役場で入手) |
□ | 故人の住民票の除票(市区役所・町村役場で入手) |
□ | 相続人全員の戸籍謄本(市区役所・町村役場で入手) |
□ | 不動産の相続人の住民票(市区役所・町村役場、コンビニで入手) |
□ | 固定資産評価証明書(不動産所在地の市区役所・町村役場) |
□ | 相続関係説明図(相続人が作成) |
□ | 登記申請書 |
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マンションの相続に必要な費用
マンションを相続するために必要な費用は、マンションの相続に必要な主な書類一覧で挙げた、必要書類の取得にかかる費用です。
郵送手配の必要なもの、また、提示だけでなく原本の提出を求められるケースもあり、相続人の数にもよりますが、おおよそ3,000円~2万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
ただし、相続という初めてのできごとの中で、期限内に必要書類を不備なく揃えるのが難しい場合には、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家に依頼することも少なくありません。
相続手続きを専門家に依頼した場合、相続の内容や複雑さによって、10万円〜上限なしで費用がかかってきます。
自分で収集できる書類はできるだけ自分で集めたり、相続登記だけ部分的に依頼するなどして、少しでも費用を抑えたいものです。
マンションの相続にかかる税金と特例
マンションを相続するためには、税金がかかります。
どのような税金がどのように計算されて課税されるかについて、お伝えしていきます。
- マンションの相続には2つの税金がかかる
- マンションを相続するための登録免許税
- 相続財産全体にかかる相続税
- マンションの相続税を減らせる【要申告】の控除と特例
- 相続税を軽減できるそのほかの控除
- 相続したマンションの建物の相続税評価額
- 相続したマンションの土地の相続税評価額
それぞれ詳しく見ていきましょう。
マンションの相続には2つの税金がかかる
マンションを相続するためには、以下の税金がかかります。
- 相続したマンションの名義変更にかかる登録免許税
- 相続財産全体にかかる相続税
それぞれ詳しく見ていきましょう。
相続したマンションの名義変更にかかる登録免許税
登録免許税は、不動産の所有者の名義を変更する法的な手続きにかかる税金です。
税額は固定資産税評価額の0.4%ですが、マンションの場合に忘れがちなのが、所有している敷地権に対しても課税されることです。

所有しているマンションの部屋の広さに応じて、マンション全体の敷地の相応分についても所有しているのです。
敷地権の割合は、マンションの売買契約書や、登記事項証明書で部分で調べることができます。
登記事項証明書は全国の登記所または法務局で取得できます。
相続財産全体にかかる相続税
相続税は、マンションや金融資産といった個別の資産に対して別々にかかるものではなく、相続する遺産総額に対してかかるものです。
税率は以下のように定められています。
【 相続税の税率 】
取得金額 | 税率 |
---|---|
1,000万円以下 | 10% |
3,000万円以下 | 15% |
5,000万円以下 | 20% |
1億円以下 | 30% |
2億円以下 | 40% |
3億円以下 | 45% |
6億円以下 | 50% |
6億円超 | 55% |
ただし、相続税には定められた基礎控除があり、基礎控除額を差し引いた金額に対してのみ課税されます。
控除額以内であれば、相続税の支払いも申告さえもする必要がありません。
実際、国税庁の最新の発表によれば、相続税の申告が必要になった人は9.6%しかいないのです。
相続事案全体の9割以上が課税されなくなる「相続税の基礎控除額」は、以下のように計算します。
基礎控除額を超えない限り、相続税は発生しません。
法定相続人の数が多いほど、基礎控除額は以下のように増えていきます。
【 法定相続人の人数に応じた相続税の基礎控除額 】
法定相続人 | 基礎控除額 |
---|---|
1人 | 3,600万円 |
2人 | 4,200万円 |
3人 | 4,800万円 |
4人 | 5,400万円 |
5人 | 6,000万円 |
もしも基礎控除額を超えてしまった場合でも、相続税の申告をすることによって、ほかの控除を受けられる場合があります。
マンションの相続税を減らせる【要申告】の控除と特例
相続税の申告をすると、相続税を減らすことのできる控除や特例を使うことができます。
- 相続税を半分減らせる「配偶者の税額の軽減」
- 相続税を軽減できるそのほかの控除
それぞれ詳しく解説していきます。
相続税を半分減らせる「配偶者の税額の軽減」
配偶者には、「配偶者に対する相続税額の軽減」という特別の控除額が設定されています。
配偶者に対しては、以下のどちらか多い金額まで相続税がかからないという制度です。
- 1億6千万円
- 配偶者の法定相続分(1/2)相当額
「どちらか多い金額まで」相続税がかからないため、配偶者の相続する分が1億6,000万円を超えたとしても、法定相続分として定められている範囲内であれば、課税されることはありません。
配偶者の相続分である相続財産の1/2に対して相続税がかからないということは、相続税そのものも全体の1/2になるのです。
仮に、2億円の相続財産があり、配偶者1名と子2名で相続すると仮定した場合、「配偶者に対する相続税額の軽減」で、どこまで相続税が減らせるのか見てみましょう。

※4-2-2.相続税を軽減できるそのほかの控除の相続税の税率をご参考ください
これは基礎控除をした後の課税対象となる金額からさらに控除されるため、長年連れ添った配偶者に対する特別の配慮と言えます。
参考:国税庁 No.4158 配偶者の税額の軽減
相続税を軽減できるそのほかの控除
配偶者以外にも、特定の条件に当てはまれば、以下のようなさまざまな控除を受けることができます。
【 相続税を軽減できるさまざまな控除 】 | |
---|---|
小規模宅地等の特例 | 土地の評価額を最大80%引きにすることができる |
未成年者の税額控除 | 相続人が満18歳になるまでの年数1年につき10万円を控除 |
障害者の税額控除 | 相続人が満85歳になるまでの年数1年につき10万円を控除(特別障害者の場合は1年につき20万円) |
相次相続控除 | 故人が過去10年以内に課税された相続税額のうち、1年につき10%の割合で減らした後の金額を控除 |
基礎控除によって、相続税は多くのケースで申告すらしなくても良いものですが、それでも課税対象額がプラスになる場合には、上記の控除を受けることができないか、チェックしてみてください。
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マンションの相続評価額の概算の計算方法
相続したマンションにかかる相続税を知るために、まずはマンションの相続税評価額を概算で把握する必要があります。
相続したマンションの名義変更にかかる登録免許税でもお伝えしましたが、マンションは建物だけでなく、所有している部屋の広さに応じて土地の一部も所有しているとみなされます。
そのため、建物と土地のそれぞれで、相続税評価額を算出する必要があります。
相続したマンションの建物の相続税評価額
建物の相続税評価額は、固定資産税評価額と同じです。
固定資産税評価額は、「固定資産税課税明細書」に記載されている建物の欄にある、「評価額」または「価格」の部分にある数字です。

相続したマンションの土地の相続税評価額
土地の相続税評価額は、国税庁の「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」で調べることのできる、前面道路の土地単価を用いて計算します。

マンションの前面道路に記されている数字が「路線価」となり、「1,000円/平米」の土地単価を表しています。
この図では「600C」とあるため、この道路沿いの土地単価は「600,000円/平米」だということがわかります。
この「路線価」と「マンション全体の土地面積」、「敷地権割合」によって、土地の相続税評価額の概算を出すことができます。

マンションの相続評価額についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
→【計算例も】マンションの相続税評価額の計算方法を図でやさしく解説
\ 厳しい審査を合格した税理士のみが登録! /
相続したマンションの3つの活用方法
相続したマンションの活用方法は、3つあります。
それぞれ具体的な注意点などを見ていきましょう。
相続したマンションに住む
相続したマンションに「住む」という選択は、相続登記をするだけなので、手間がかからず相続マンションを生かすことができます。
相続以前から住んでいたり、故人の想い出が詰まっているので手放したくなかったりするという場合は、もっとも簡単で手続きの少ない方法です。
相続した分譲マンションに「住む」ことを選択する場合には、マンションの立地や利便性、周辺の開発計画など、将来的に資産価値を下げる要因がないかどうかの見極めも大切です。
相続したマンションを貸す
相続したマンションを貸すという選択は、家賃収入で固定費の支払いが可能になることもあり、魅力的な方法です。
相続したマンションにいずれ住む予定があったり、早々には手放したくなかったりする場合は、賃貸にすることで、空き家にしておくよりも安全で管理しやすくなります。
賃貸に向いているマンションは、築年数の浅いものや人気エリアにある物件です。
まずは賃貸物件の取り扱いをしている不動産会社に相談し、周辺にある似た物件の家賃相場などを教えてもらいましょう。
家賃収入で固定費がまかなえるのか、実際に賃貸に出した場合に入居者がいるのかなど、事前に十分な検討を行ってください。
マンション経営の注意点について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考になさってください。
→【マンション経営とは?基礎知識と知っておきたいリスク・注意点】

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相続したマンションを売る
相続したマンションを「売る」という選択は、相続をもっとも円満に済ませる方法です。
相続したマンションに住む予定がない、持ち家があるので維持費が負担になるなどの場合は、売却することでまとまった金額を入手することができるうえ、その後の維持費がかかりません。
特に、マンションの法定耐用年数である47年が迫っている場合は、売却を急いだ方が良いでしょう。
建築から47年を超えると、マンション建物の価値はゼロになります。
この年数を超えての売却は一気に難しくなるうえ、修繕積立金などの維持費がかさんでいく一方になるのです。
相続したマンションを売る際にかかる税金について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考になさってください。
→知らないと損!相続したマンション売却にかかる税金と節税できる特例
マンションを売るとなったら、やはりできるだけ高い金額で売りたいものです。
しかし、相続したマンションの場合、相続税が高くついたのでは困ります。
また、前述したように、マンションの法定耐用年数の関係から、築40年を超えると、マンションは途端に売りにくくなるのが実状です。
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まとめ
今回は、マンションの相続の流れを元に、必要な書類や費用、かかってくる税金について詳しく解説しました。
マンションの相続の流れは、以下の通りです。

マンションを相続するためにかかる税金は、以下の2つです。
- 登録免許税
- 相続税
マンションの相続税を軽減することができる特例は、以下の通りです。
【 相続税を軽減できるさまざまな控除 】 | |
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配偶者の税額の軽減 | 配偶者に対しての相続税を法定相続分まで控除 |
小規模宅地等の特例 | 土地の評価額を最大80%引きにすることができる |
未成年者の税額控除 | 相続人が満18歳になるまでの年数1年につき10万円を控除 |
障害者の税額控除 | 相続人が満85歳になるまでの年数1年につき10万円を控除(特別障害者の場合は1年につき20万円) |
相次相続控除 | 故人が過去10年以内に課税された相続税額のうち、1年につき10%の割合で減らした後の金額を控除 |
マンションの相続税を算出するための相続税評価額は、以下のように計算します。
マンションの「建物」の相続税評価額 = 固定資産税評価額
マンションの「土地」の相続税評価額 = マンション全体の敷地面積 × 路線価 × 敷地の持分割合
この記事が、あなたのマンション相続をスムーズに行う手助けとなれば幸いです。
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