不動産売却には「仲介」「買取」の2パターンの方法があります。
不動産買取の特徴として、一般的に仲介よりも価格が8割ほど下がってしまうことがあります。
なぜなら、不動産会社が買い取った物件を販売するにあたって、リフォームやリノベーションする必要があるからです。
また不動産の買取には以下のようなデメリットがあります。
さらに不動産買取でよくあるトラブルは以下のとおりです。
不動産の買取の相場は、仲介と比べ7~8割ほど低くなる傾向にありますが、場合によっては5割程まで下がることもあります。
買取で価格が下がる理由としては、不動産会社がその物件を売却・活用する上での費用などがかかるからです。
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---|---|---|---|
LIFULL HOME’S | 記載なし | 日本全国3,913社 | 匿名査定ができる 任意売却査定も可能 住まいに関わるコンテンツが充実 地図上でマンション名と参考価格が丸見えになる「プライスマップ」が便利 過去の成約事例が見られる「不動産アーカイブ」が参考になる 住み替えの場合「空き家バンク」も利用可能(国土交通省のモデル事業請負) |
いえカツLIFE | 最大6社 | 一都三県・大阪府限定500社 | 仲介・業者買取・リースバックの3つの査定額を一挙に一括比較ができる 相続・離婚・金銭問題の絡む物件・共有部分の売却など難しい案件を専門に扱い顧客満足度97.2% 売却方法ごとに査定価格と売却適正期間が比較できる 弁護士への無料法律相談が可能 |
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正しい買取 | 成仏不動産のみ | 日本全国対応可能 ※店舗は一都三県・大阪府・福岡・静岡 | 事故物件の買取に特化 特殊清掃・遺品整理・ゴミ屋敷の残置物撤去も持ち出し0円で可能 相続手続き・税金の無料相談がある 買取後の売り手の責任免除 お祓い・供養等の配慮あり 最短即日で現金化が可能 どんな物件も断らない |
任意売却相談窓口 | 記載なし | 記載なし | 直接面談で30,000円キャッシュバック 24時間・年中無休・無料で相談対応 電話相談対応あり(フリーダイヤル) 住宅ローン返済に困っているケースが得意 任意売却専門業社 |
不動産売却で失敗しないためには、ご自身が「仲介」「買取」のどちらが向いているのか確認しておきましょう。
※仲介:不動産売却方法のひとつ。不動産売却には「仲介」「買取」の2つがある。不動産会社が売却したい不動産の買主を探してくれるサービス。
買取に向いているケース | ・売却期限内に確実に売却したいケース ・築年数が経過しているケース ・不動産を早く現金化したいケース ・周りに知られずに売却したいケース ・仲介で買い主が見つからなかったケース |
---|---|
仲介に向いているケース | ・なるべく高く売りたいケース ・急いでいないケース ・物件の条件が良いケース ・住宅ローンの残債が多いケース |
自身に適した方法を選ばなければ、スムーズに不動産を売却できなかったり、思ったような価格で売れなかったり…と後悔することになるでしょう。
本記事の内容は以下のとおりです。
この記事を読むことで、不動産買取のデメリットがわかるだけでなく、不動産の「買取」「仲介」のどちらがご自身に適しているのかを判断できるようになります。
ぜひ最後までお読みください。
「不動産売買仲介・買取チャンネル【ポラスグループ】の公式YouTubeチャンネル」で不動産買取業者について解説している動画があるので参考にしてください。
※不動産買取業者の選び方のポイントを紹介【ポラスの仲介 不動産講座】
不動産買取3つのデメリット
不動産買取をする際には以下3つのデメリットがあります。
それぞれ詳しく見てみましょう。
仲介の売却価格よりも買取価格は7〜8割ほど安くなる
1つめのデメリットは「仲介の売却価格よりも買取価格のほうが安くなる」という点です。
不動産会社は買い取った不動産にリフォームを施し、リフォーム費用と利益を上乗せした価格で再販売を行っています。そのため不動産会社はできるだけ不動産を安く買い取って利益を増やしたいという本音があるため、仲介の売却価格よりも買取価格は7〜8割ほど安くなる傾向にあります。
たとえば、不動産会社が不動産買取の際に「仲介の売却価格」で買い取った場合を想像してみましょう。
リフォームをし、利益を上乗せした不動産の販売価格は、近隣のライバル物件よりもはるかに高い価格になってしまうでしょう。
このような状態になってしまっては買い手がつかなくなってしまうため、不動産買取では仲介の売却価格よりも安く買い取っているのです。
仲介の売却価格と買取の価格に、数百万円の差があることも珍しくはなく、不動産を高く売却したいと考えている人にとっては大きなデメリットといえるでしょう。
買取対象にならない場合がある
2つめは「買取対象にならない場合がある」という点です。
以下の状態の不動産は、不動産会社が買い取って再販売しても売れる見込みがないことが多く、買い取ってもらえないケースがあります。
- 老朽化が進みリフォームしても人が住める状況ではない
- 法律の制限により再建築が禁止されている
- 周辺地域の治安が悪い
- 事件で人が亡くなっている
買取の基準は不動産会社によって異なります。そのため上記の条件に当てはまる場合でも買い取ってもらえる可能性はあるでしょう。実際に相談してみるまで買取してもらえるかどうかわからないというのが実情です。
買取をしている不動産会社が少ない
3つめは「買取をしている不動産会社が少ない」ということです。
不動産の仲介や賃貸のみ対応する不動産会社が多く、買取に対応してくれる会社は少ない傾向にあります。
不動産買取では、1物件あたり数千万円〜1億円ほどの価格で購入するため、資金力が必要です。
そのため、資金力がない不動産会社は買取を行うことができません。
一方で、不動産の仲介や賃貸は資金力がなくても事業を行えるため、多くの不動産会社が仲介に対応しています。
こうしたことから、買取に応じてくれる不動産会社は少ない傾向にあるのです。
資金力のある不動産会社となると、企業規模が中規模以上で社歴の長い会社を探す必要があります。
しかし、不動産取引が活発ではない地方エリアでは、買取をしてくれる不動産会社を探すのに苦労することもあります。なかなか買取業者が見つからない可能性がある点は、デメリットといえるでしょう。
不動産買取でよくあるトラブル4つ
不動産買取では、1章でお伝えしたデメリット以外にも「よくあるトラブル」があります。
デメリット以外にも、買取にはどんなリスクがあるのか事前に知っておくことで、総合的に買取を利用するかどうか判断できるようになります。
そこで2章では不動産買取でよくあるトラブルについて、以下4つをご紹介します。
売却相場の半額以下の査定額を提示された
1つめは「売却相場の半額以下の査定額を提示された」というトラブルです。
一般的に不動産会社の買取価格は、仲介業者を通して売却する際の相場より7〜8割程度安くなります。
しかし相場の7〜8割よりも安い金額で不動産会社が買取金額を提示してくる場合、つまり売却相場の半額以下の査定額を提示してくる場合は、買取利用者の置かれている状況につけ込んで、意図的に買取価格を低く提示している可能性があるのです。
不動産買取を選択する人は、
- 早く現金化したい
- 売れ残りを避けたい
- 周りにはバレずに売却したい
といったさまざまな事情があり、買取価格が割安であっても、売却を希望する人が多い傾向にあります。
また買取希望者の中には、借金の返済があったり、住宅ローンが支払えなかったり、といった事情で精神的に弱り、騙されやすくなっている状態の人も多くいます。
こうした状況につけこみ、不動産買取の査定額を半額以下で提示してくる場合は、悪徳業者である可能性が高く、買取をしてもらっても損をする可能性が高いのです。
実際にこのような口コミがあります。
10年前、僕の地方の実家を売却するとき実家から目と鼻の先にある不動産会社に査定を頼んだら、路線価の半額、買取はさらに40%オフ。市内で1、2の人気住宅街なのに、近所と比較しても明らかに安く、僕が東京に住んでることで足元を見られてた。
引用:X
あまりにも低い査定額を提示されるというトラブルはよくあるため注意しましょう。
不動産買取後に想定外の費用が請求された
2つめは「不動産買取後に想定外の費用を請求された」というトラブルです。
たとえば、不用品処分費用の請求です。
不動産会社によっては物件に残っている不用品を残した状態でも買い取ってもらえる「不用品処分サービス」を実施している会社があります。
不用品処分サービスを有料で行っている不動産会社に買取を依頼した場合、不動産に不用品が残されていれば処分してくれる代わりに処分費用を請求されます。
このように買取の利用者が想定していなかった費用が請求されるというトラブルもあるため、事前にどの程度の費用が必要になるのか確認しておく必要があります。
契約後に買取価格を値下げされた
3つめは「契約後に買取価格を値下げされた」というトラブルです。
不動産買取の査定時に、不動産会社が契約を勝ち取るために相場よりも高い査定額を提示し、そのあと理由をつけて値下げを強要するというケースがあります。
買取の利用者が「より高く不動産を買い取ってくれる会社に依頼したい」と思うのは自然なこと。そうした利用者の心理を利用して、はじめは査定額を高くします。
その後、買取の段階になると「物件の設備に不具合が見つかった」「物件に欠陥が見つかった」など、さまざまな理由をつけて、買取額を値下げするのです。
こうしたトラブルがないよう、不動産の買取相場をあらかじめ把握しておき、査定額が高い不動産会社を安易に選択するのは避けるようにしましょう。
詐欺業者と契約をしてしまった
4つめは「詐欺業者と契約をしてしまった」というトラブルです。
不動産買取をはじめて利用する人にとって、買取の際に「どのような費用を、いつ支払うのか」分からないケースが多いでしょう。
詐欺業者はそうした不動産売買に不慣れな人を狙い、本来であれば不要な費用や手数料を買取時に請求します。
そして買取利用者がそれらの費用を支払ったあと、急に連絡が取れなくなってしまう、という詐欺のトラブルが発生することがあるのです。
こうした詐欺業者に騙されないためにも、不動産会社の選択には慎重になりましょう。
2章でお伝えした不動産買取にまつわるトラブルを防ぐためには、信頼できる不動産会社を見つけるだけでなく、自分で買取相場を知っておくことが重要です。詳しくは「7章:不動産買取で失敗しないための4つのポイント」で解説しているので、確認しておきましょう。
不動産買取5つのメリット
不動産買取には、デメリットだけではなく、メリットもあります。
買取についてメリット・デメリットの両面を知っておくことで、買取をするべきかどうか客観的に判断できるようになりますよ。
そこで3章では、不動産買取のメリットについて以下5つを解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
売却までのスピードが早く、すぐに現金化できる
1つめは「売却までのスピードが早く、すぐに現金化できる」ことです。
仲介で売却を行うと、平均成約期間が3~6か月、場合によっては1年以上かかります。多くの買主は住宅ローンなどの借入金で購入することが多いため、金融機関の審査が通らず契約が撤回されてしまうこともあります。
また買主がなかなか見つからない場合は、何年経過しても売れないこともあり、現金化できないというケースもあるのです。
一方で買取の場合、買取の契約を行ってからおよそ数日〜1ヶ月の短期間で決済と引き渡しが実施されるため、仲介と比較するとすぐに売却でき、現金化できます。
すぐに不動産を処分したい人や、まとまった現金がすぐにほしいと感じている人にとって大きなメリットといえるでしょう。
仲介手数料が発生しない
2つめは「仲介手数料が発生しない」ことです。
そもそも仲介手数料は、不動産会社の仲介のおかげで売買が成立した場合に支払う「成功報酬」です。
買い手を見つけるために不動産会社が営業活動を行い、売却に成功した報酬として売り手が支払います。
その一方で買取では、不動産会社が買主となって直接取り引きを行うため、成功報酬は発生しません。つまり、仲介手数料は発生しないのです。
仲介手数料は売却価格によって上限が決まっており、おおよその不動産会社は仲介手数料の上限額で請求します。たとえば3,000万円の不動産の売買が成立した場合、仲介手数料の上限はおよそ100万円程度。決して安くはない金額です。
買取において、こうした仲介手数料が一切発生しないという点はメリットといえるでしょう。
契約不適合責任が免除される
3つめは「契約不適合責任が免除される」ことです。
「契約不適合責任」とは、売買契約の締結後、買主に引き渡した不動産の品質や機能などが契約内容と合っていない場合に、売り主は買主に対して責任を負わなければならないという法律です。
たとえば、引き渡し時にシロアリ・雨漏りなどの未共有のトラブルが発生した場合は、「契約不適合責任」に則って、買主は売主に賠償請求できます。
対して買取では、契約不適合責任がありません。
一般的に売主は買い取ってもらった後の不動産に契約不適合責任は問われないため、安心して売却を行えます。
したがって、売却後に賠償などの不安を抱えたくない場合に不動産買取は向いているといえるでしょう。
近所に知られず売却できる
4つめは「近所に知られず売却できる」ことです。
不動産買取では、不動産会社と売主のやり取りのみで売買を進めます。買主を探すわけではないため、不動産の広告を出さずに買取が完了します。
また不動産の訪問調査を行う際には、調査員が社名を隠した車で訪問してくれるため、近所の人に見られたとしても買取業者だとは特定できません。
その一方、仲介での売却はレインズ(※)や不動産情報サイトに「売り出し情報」を掲載したり、近所に買主募集のチラシを配ったりします。
仲介では買主を探すことが一番重要であるため、できるだけ物件情報が多くの人の目にふれるように不動産会社が動くため、近所の人に不動産の売却を知られる可能性があるでしょう。
近所に知られないように不動産を売却してしまいたいと思っている場合は、不動産買取がおすすめです。
内覧の手間・費用がかからない
5つめは「内覧の手間がない」ことです。
仲介では不動産に対して興味を持ってもらうために、買主向けに内覧を実施するケースがあります。内覧での印象を良くするためには、売出し物件にリフォームを施したり、掃除をしたりするなど、手間や費用がかかります。
一方で不動産の買取は、不動産会社に物件を引き渡すのみです。
現在の物件の状態でそのまま引き渡しができるため、掃除もリフォームも必要ありません。
時間や費用をかけずにすぐに売却できるという点はメリットといえるでしょう。
不動産買取に向いているケース
ここまで、不動産買取についてデメリットやトラブル、メリットについて解説しました。
ご自身が買取に向いているのかどうかをしっかり判断するためには、「買取に向いているケース」を理解しておく必要があります。
そこで4章では不動産買取に向いているケースを以下5つご紹介します。
ご自身の状況と照らし合わせて、向いているかどうか最終判断をしましょう。
売却期限内に確実に売却したいケース
1つめは「売却期限内に確実に売却したいケース」です。
たとえば、転勤するまでに不動産の売却が必要な場合など、期限内に確実に売却したい場合は不動産買取に向いています。
というのも、買取では仲介のように買主を探す期間がなく、買取業者さえ決まれば不動産を引き渡すだけでスピーディに売却できるからです。
対して仲介では、買主がスムーズに見つかるとは限りません。買主が見つかったとしても、買主の住宅ローンの借入の都合でなかなか売却に至らなかったり、最悪の場合、金融機関の審査が通らず買主が契約を撤回することもあり得ます。
そのため、売却期限内に確実に売却したいと考えている場合には、不動産買取を利用することをおすすめします。
築年数が経過しているケース
2つめは「築年数が経過しているケース」です。
築年数が経過した物件は、仲介を利用して売り出しても買主に敬遠されがちです。
買主は解体や大規模リフォームを前提として物件を購入しなくてはならないため、多くの買主は購入を検討してくれません。
不動産買取であれば、築年数が経過している古家の場合でも不動産会社が買い取ってくれます。
不動産会社は個人の買主よりも資金力があるため、古家のままで買い取り、リフォームや解体などを行って、売れる不動産にできるのです。
築年数が経過していて仲介では売却が難しそうな場合は、不動産会社に買い取ってもらうと良いでしょう。
不動産を早く現金化したいケース
3つめは「不動産を早く現金化したいケース」です。
仲介を利用する場合、平均成約期間が3~6か月、場合によっては1年以上かかるため、なかなかすぐに不動産を売却して現金化するのは簡単ではありません。
一方で不動産買取であれば、不動産会社との買取の契約を結んでからおよそ数日〜1ヶ月の短期間で、決済が実施されるため、すぐに現金が手に入ります。
たとえば、
- 次の住宅の購入が決まっていて、まとまったお金を早く用意しなくてはならない
- 子どもが大学入学をするにあたり、まとまったお金を早く用意しなくてはならない
といったように、ある程度まとまったお金を早く用意する必要がある場合は、不動産買取の利用がおすすめです。
周りに知られずに売却したいケース
4つめは「周りに知られずに売却したいケース」です。
仲介の売却では不動産の買主を探すために、以下のように広告を出します。
・レインズや不動産情報サイトに、売り出し情報を掲載する
・近所に買主募集のチラシを配布する
そのため近所の人に不動産の売却を知られる可能性があります。
一方で買取では買主を探すために広告を出したりすることなく、不動産会社に買い取ってもらえば取引は終了するため、周りに知られずに売却できるのです。
こうしたことから、さまざまな事情で近所の方に知られないように不動産を売却したいと考えている場合は、不動産の買取をおすすめします。
仲介で買主が見つからなかったケース
5つめは「仲介で買主が見つからなかったケース」です。
仲介での売却では、買主が見つかるまでの期間中、
- 不動産の固定資産税
- 都市計画税(土地にかかる税金)
- 電気代や水道料金
- (土地や不動産の管理を委託する場合)管理費用
といった不動産の維持費用を支払い続ける必要があります。
また長期間売却できないと、不動産の資産価値を落としてしまい、値下げを余儀なくされてしまうケースもあります。さらには当初決めた「売却の最低価格」すら下回ってしまうと、「早く買い取ってもらえばよかった」と後悔することになるでしょう。
そうならないためにも、仲介で買主がなかなか見つからない場合は、早いタイミングで不動産買取を検討すると良いでしょう。
不動産の売却には「買取」「仲介」の2つの方法がある
ここまで不動産買取のメリット・デメリット・向いているケースについて解説しました。
「買取」「仲介」という2つの方法を引き合いに出して解説しましたが、改めてどういう不動産の売却方法なのか簡単に解説します。
「買取」「仲介」はそれぞれ、以下のような売却方法です。
買取とは
不動産会社や買取業者が、不動産を買い取ってくれる方法のこと。
不動産会社は、不動産を個人から買取、その後リフォームなどを行って不動産を再販売して利益を得ます。
仲介とは
不動産会社にサポートしてもらい、不動産を売却する方法のこと。
不動産を売却する際に広告を出して買主を探したり、内覧の対応や売買契約書を作成するなど、仲介業務を行ってくれます。
買取・仲介の大きな違いは、以下の通りです。
仲介 | 買取 | |
---|---|---|
買い手 | 個人 | 不動産会社・買取業者 |
売却期間 | 3~6か月 | 数日〜1ヶ月 |
売却価格 | 相場価格で売却しやすい | 相場価格よりも7〜8割ほど安くなる |
売却に伴ってかかる費用 | 仲介手数料がかかる | 仲介手数料はかからない |
このように仲介と買取にはそれぞれの特徴があり、不動産を売却する場合は、ご自身のケースに合わせていずれかの方法を選択する必要があります。
これまでの解説で「買取に向いていない」と判断できた方は、「仲介」を利用した売却に向いている可能性があります。
そこで次は、次の章では「仲介に向いているケース」を解説します。
不動産仲介に向いているケース
不動産仲介に向いているのは以下のケースに当てはまる場合です。
なるべく高く売りたいケース
1つめは「なるべく高く売りたいケース」です。
買取では、相場の売却価格の7〜8割ほどで買取となることが多くあります。
不動産会社は買い取った不動産をリフォームし、リフォーム費用と利益を上乗せして、再販売を行うため、少しでも安く買い取りたいという本音があるのです。
一方で仲介では、相場価格で売却できる可能性があります。
そもそも仲介は「不動産会社が売主と買主の間に立ち、不動産を売りたい人と買いたい人をつなげる」というものです。不動産の売買が成立すると、売主から成功報酬として「仲介手数料」が不動産会社に対して支払われます。
仲介にはこうした仕組みが整っているため、不動産会社は売り主に対して価格を値切る必要はありません。そのため、相場価格で不動産を売り出してもらうことができます。
このように買取と比べると仲介は相場価格で売却できる可能性があるため、できるだけ高く売りたいと考えている場合は、仲介を利用するのがおすすめです。
急いでいないケース
2つめは「急いでいないケース」です。
仲介で不動産の売却を行う場合、平均成約期間は3〜6ヶ月ほどで、1年以上かかるケースもあります。
売却期間に余裕がある場合は、希望条件でゆっくり買い手を探せる仲介がおすすめです。
一方で買取の場合は、買取業者さえ決まれば不動産を引き渡すだけでスピーディに売却できます。
買取契約をしてからおよそ数日〜1ヶ月の短期間で不動産の「決済」「引き渡し」が実施されるため、売却期限が決まっている場合は、買取のほうがおすすめといえるでしょう。
物件の条件が良いケース
3つめは「物件の条件が良いケース」です。
資産価値の高い、条件の良い物件は買い手が付きやすいため、仲介で売るほうが有利であるといえます。買取の場合は、相場の7〜8割程度の価格となってしまうケースが多いため、条件の良い物件であると判断できる場合は、仲介をおすすめします。
所有する物件が条件が良い、資産価値の高い物件かどうかは、以下のチェックリストで判断しましょう。
▼条件が良い物件が判断できるチェックリスト
- 築浅の物件
- 最新の設備、管理状態のいい物件
- 最寄り駅までの時間が徒歩10分以内
- スーパーやコンビニ、銀行、郵便局、病院、飲食店、市役所などの施設が周辺にある
住宅ローンの残債が多いケース
4つめは「住宅ローンの残債が多いケース」です。
仲介では、買取よりも高く売れる可能性が高くなります。
物件がより高く売れたほうが売却益を使ってローン返済できる額が増えるため、住宅ローンの残債が多い場合は仲介に向いているといえるでしょう。
以下は、不動産買取に向いているケース、不動産仲介に向いているケースをそれぞれまとめた表です。
不動産の売却を考えている人は、以下を参考にして「買取」か「仲介」かを選択しましょう。
買取に向いているケース | ・売却期限内に確実に売却したいケース ・築年数が経過しているケース ・不動産を早く現金化したいケース ・周りに知られずに売却したいケース ・仲介で買い主が見つからなかったケース |
仲介に向いているケース | ・なるべく高く売りたいケース ・急いでいないケース ・物件の条件が良いケース ・住宅ローンの残債が多いケース |
不動産買取で失敗しないための4つのポイント
不動産の買取か、仲介か検討した結果、「不動産買取」を利用することに決めた場合、できれば「失敗したくない」と感じるものです。
そこで7章では、不動産買取で失敗しないためのポイントを4つご紹介します。
自分で買取相場を調べておく
1つめは「自分で買取相場を調べておく」ことです。
不動産買取を選択する人は、
- 早く現金化したい
- 売れ残りを避けたい
- 周りにはバレずに売却したい
といったさまざまな事情があり、買取価格が割安であっても売却を希望する人が多い傾向にあります。
また、借金の返済や住宅ローンの支払いが難しいといった事情で精神的に追い詰められ、騙されやすくなっている状態の人につけこんで、安すぎる買取査定額を提示してくる悪徳業者がいます。
不動産買取業者から受け取った査定結果が適切なのかを判断するために、まずはご自身で売却相場を調べておきましょう。ただし買取金額の相場は売却相場の7~8割程度となる点は理解しておきましょう。
売却相場の調べ方には以下の方法があります。
①最寄り駅や駅からの距離、広さ、築年数などの条件が似ている物件を探す
インターネットの物件情報サイトで、所有している不動産と似たような条件の物件が、いくらで売り出されているのかを調べる方法です。以下の条件が似ている物件を探し、売却相場を調べましょう。
- 最寄駅
- 最寄駅からの距離
- 物件の広さ
- 築年数
- 間取り
②平米単価、坪単価で比較する
①で条件のほぼ同じ物件が見つかれば問題はありませんが、似たような物件を探すのは簡単ではありません。とくに、物件の広さが異なるとほかの条件が同じであっても物件価格は大きく変わります。
そこで「平米単価」「坪単価」を算出してから、所有している不動産の「平米」もしくは「坪」を掛けることで、広さの異なる物件であっても売却相場をある程度計算することができます。
たとえば、売りたい不動産Aの面積が60平米の場合、似たような条件の90平米の不動産Bが4500万円で売りに出ていた場合を考えてみましょう。
このケースで物件Aの相場を計算するには、以下の計算式で算出できます。
不動産Bの平米単価=4500万円÷90平米=50万円
不動産Aの相場=50万円×60平米=3000万円
ただし、ほぼ同じ条件の物件でも広さが変わると平米単価が変わります。
一般的に面積が広くなると平米単価は下がる傾向にあるため、上記のケースでは不動産Bのほうが平米単価は低めになりがちです。そのため、不動産Aの実際の相場は3000万円より高くなることが多いでしょう。
買取の条件をあらかじめ確認しておく
2つめは「買取の条件をあらかじめ確認しておく」ことです。
買取契約が成立したあとに、想定外の費用を請求されたり、契約後に買取金額の値下げをされるというリスクがあるため、トラブルを防ぐために買取に関する条件は漏れのないように確認しておきましょう。
具体的に確認しておくべき条件は、以下のとおりです。
- 買取価格
- 提供サービスの料金
不動産トラブル事例データベースを確認しておく
3つめは「不動産トラブル事例データベースを確認しておく」ことです。
不動産トラブル事例データベースとは、過去に発生した不動産取引に関するトラブル事例について、「裁判事例」「宅建業者に対して行われた行政処分」などを載せているサイトのことです。
これまでに起きた不動産トラブルとその判決について知れるため、
- どのようなトラブルが発生する可能性があるのか
- そのトラブルが発生した際にどのような対応が必要になるのか
といったことがわかるようになります。
事前に発生リスクのあるトラブル事例を詳しく知っておくことで、対策できることも増えるでしょう。不動産買取でのトラブルを詳しく知りたい場合は、以下のサイトを利用してみるのも良いでしょう。
複数の買取業者に査定依頼をする
4つめは「複数の買取業者に査定依頼をする」ことです。
1社だけ買取業者に査定を依頼しても、その対応がいいのかはわかりません。
そこで複数の買取業者とやり取りすることによって、各業者の対応を比較でき、信頼できる不動産会社を見つけやすくなります。
複数社に査定を依頼し、以下のような傾向のある会社を見つければ、スムーズに対応してもらえ、トラブルなく買取が完了できるでしょう。
- 営業担当者の対応が良い
- 連絡や報告が早い
- 買取査定額が安すぎず高すぎない、相場程度の金額(売却相場の7~8割程度)を提示してくれる
複数社に査定を依頼する場合は「不動産一括査定サイト」を利用すると便利です。
一括査定サービスとは、Webサイト上の簡単な入力だけで、複数の不動産会社に一括で買取査定を依頼できるサービスです。
1社ずつ査定を依頼する時間や手間が省けるという大きなメリットがあります。
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まとめ
この記事では、不動産買取のデメリットやトラブル事例、買取のメリットや買取に向いている人、仲介に向いている人、買取に失敗しないためのポイントなどを解説しました。
ここで本記事の内容をおさらいしましょう。
◆不動産買取3つのデメリット
- 仲介の売却価格よりも買取価格のほうが安くなる
- 買取対象にならない場合がある
- 買取をしている不動産会社が少ない
◆不動産買取でよくあるトラブル4つ
- 売却相場の半額以下の査定額を提示された
- 不動産買取後に想定外の費用が請求された
- 契約後に買取価格を値下げされた
- 詐欺業者と契約をしてしまった
◆不動産買取5つのメリット
- 売却までのスピードが早く、すぐに現金化できる
- 仲介手数料が発生しない
- 契約不適合責任が免除される
- 近所に知られず売却できる
- 内覧の手間・費用がかからない
◆不動産買取に向いているケース
- 売却期限内に確実に売却したいケース
- 築年数が経過しているケース
- 不動産を早く現金化したいケース
- 周りに知られずに売却したいケース
- 仲介で買い主が見つからなかったケース
◆不動産の売却には「買取」「仲介」の2つの方法がある
仲介 | 買取 | |
---|---|---|
買い手 | 個人 | 不動産会社・買取業者 |
売却期間 | 3~6か月 | 数日〜1ヶ月 |
売却価格 | 相場価格で売却しやすい | 相場価格よりも7〜8割ほど安くなる |
売却に伴ってかかる費用 | 仲介手数料がかかる | 仲介手数料はかからない |
◆不動産仲介に向いているケース
- なるべく高く売りたいケース
- 急いでいないケース
- 物件の条件が良いケース
- 住宅ローンの残債が多いケース
◆不動産買取で失敗しないための4つのポイント
- 自分で買取相場を調べておく
- 買取の条件をあらかじめ確認しておく
- 不動産トラブル事例データベースを確認しておく
- 複数の買取業者に査定依頼をする
本記事が買取を検討している方にとって参考になれば幸いです。
一括査定サイト名 | 一度の依頼でもらえる査定数 | 提携不動産会社数 | 特徴 |
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LIFULL HOME’S | 記載なし | 日本全国3,913社 | 匿名査定ができる 任意売却査定も可能 住まいに関わるコンテンツが充実 地図上でマンション名と参考価格が丸見えになる「プライスマップ」が便利 過去の成約事例が見られる「不動産アーカイブ」が参考になる 住み替えの場合「空き家バンク」も利用可能(国土交通省のモデル事業請負) |
いえカツLIFE | 最大6社 | 一都三県・大阪府限定500社 | 仲介・業者買取・リースバックの3つの査定額を一挙に一括比較ができる 相続・離婚・金銭問題の絡む物件・共有部分の売却など難しい案件を専門に扱い顧客満足度97.2% 売却方法ごとに査定価格と売却適正期間が比較できる 弁護士への無料法律相談が可能 |
記載なし | 日本全国のハウス・ドゥ | リースバックの取り扱いもある 売却期間に応じて「即時」「1ヶ月程度」「3ヶ月程度」の3段階の価格を提示 底地に強い | |
訳あり物件 買取プロ | 記載なし | 日本全国対応 | 最大5億円までスピーディーに買取対応が可能 最短3日で現金化が可能 未接道・狭小地・違法物件もOK LINEで無料相談が可能 |
正しい買取 | 成仏不動産のみ | 日本全国対応可能 ※店舗は一都三県・大阪府・福岡・静岡 | 事故物件の買取に特化 特殊清掃・遺品整理・ゴミ屋敷の残置物撤去も持ち出し0円で可能 相続手続き・税金の無料相談がある 買取後の売り手の責任免除 お祓い・供養等の配慮あり 最短即日で現金化が可能 どんな物件も断らない |
任意売却相談窓口 | 記載なし | 記載なし | 直接面談で30,000円キャッシュバック 24時間・年中無休・無料で相談対応 電話相談対応あり(フリーダイヤル) 住宅ローン返済に困っているケースが得意 任意売却専門業社 |