土地売却はどうやる?失敗しない基本の流れと費用や税金・注意点

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土地売却の流れ

土地を売却する基本的な流れは次のようになります。

また、次のような書類の準備も必要です。

  • 登記済証(権利証)または登記識別情報
  • 実印・印鑑証明書
  • 固定資産税・都市計画税納税通知書
  • 測量図
  • 本人確認書類

物件によっては、ほかにも必要な書類がある場合があります。

契約時に慌てることがないよう、事前に不動産会社に確認しておくようにしましょう。

また、少しでも良い条件で土地を売却するために、不動産会社の選定は重要です。

そこでおすすめするのが、一度で複数の不動産会社に査定を依頼できる不動産一括査定サイトです。

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1社だけの査定額だと、相場よりも低い価格で売却して、損をしてしまうかもしれません。

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不動産一括査定サイトの評判を確認したい方は以下の記事も参考にしてみて下さい。

おすすめ不動産一括査定サイト17社の評判や選び方を徹底解説

土地を売却して「利益(譲渡所得)」が出た場合には、「譲渡所得税」と「住民税」が課税されます。

いずれも、支払うタイミングは土地売却の翌年です。

所得税・住民税を合わせた税率は、所有期間が5年を超える場合は約20%5年以下の場合は約40%です。

土地売却は、知識がないまま進めてしまうと損失を招く可能性があるため、注意が必要です。

この記事では、土地売却に失敗しないように以下の内容について解説します。

【公式】不動産査定・売却なら「イエウール」の公式YouTubeチャンネル」で、土地売却について解説しているので、参考にしてください。
【記事要約】土地売却するなら何が必要?売る流れやかかる税金。高く売るコツとは

【土地売買の初心者ガイド】手順や費用・必要書類を分かりやすく解説

目次

土地売却で最初に知っておきたい重要ポイント

最初に押さえておきたい重要ポイントからお伝えします。

土地売却までのスケジュールと手続き

まず、スケジュール感と手続きの流れを、つかんでおきましょう。

  1. 現状把握:相場や権利関係・土地の境界線などを確認する
  2. 査定依頼:複数の不動産会社に査定を依頼する
  3. 媒介契約:売却の仲介を依頼する不動産会社を決めて媒介契約を締結する
  4. 販売活動:売り出し価格を決めて販売活動を開始する
  5. 条件交渉:購入希望者が現れたら売買価格や引渡し日などの条件を交渉する
  6. 売買契約:購入希望者と条件が折り合えば売買契約を締結する
  7. 決済・引渡し:売却代金を受け取り物件を引き渡す
  8. 確定申告:売却代金について確定申告し必要な税金を納める

それぞれの詳細は、後ほど「2. 土地売却の基本の流れ 8ステップ」にて解説します。

土地売却で得た譲渡益は課税対象

土地売却の一連の流れは、売却した翌年の2月16日〜3月15日に確定申告を行って、完了となります。

土地売却で得た譲渡益は「譲渡所得」の区分となり、所得税・住民税の課税対象です。

【譲渡所得金額の計算方法】

譲渡所得金額の計算
出典:不動産ジャパンより作成

なお、納税額は、特例や控除を適用させることで、大幅に圧縮できるケースが多くあります。

税金の払いすぎを防ぐためには、使える控除・特例を調べて、漏れなく適用させることが重要であると覚えておきましょう。

税金や諸費用に関しては、「3. 土地売却にかかる費用・税金」にて解説します。

土地売却の基本の流れ9ステップ

続いて、土地売却の具体的な流れを8つのステップに分けて、見ていきましょう。

現状把握

1つめのステップは「現状把握」です。

まずは以下を整理しましょう。

【整理する状況】

  • 売却する理由:相続、住み替え、空き家処分など、売却の背景
  • 希望の売却価格:いくらで土地を売却したいか
  • 希望の売却時期:いつまでに土地を売却したいか
  • 手元の資金:売却費用として確保できる金額
  • 権利関係:所有権(共有名義など)、抵当権、その他

次に、対象の土地がいくら程度で売れそうなのか、目安を知るために相場を調べておきます。

【相場を知るために役立つサイト】

これらの現状把握は、仲介を依頼する不動産会社のサポートを得ながら、進めることができます。ただ、ある程度は、自分でも事前に整理しておきましょう。

知識を身につけておくと、今後のさまざまな意思決定の場面で、主体的に判断しやすくなるからです。

現状把握する際には、東京都住宅政策本部「安心して既存住宅を売買するためのガイドブック」に掲載されている「物件チェックリスト」を活用すると便利です。

査定依頼

2つめのステップは「査定依頼」です。

複数の不動産会社に査定を依頼して、専門家の目で、精度の高い売却見込み価格を算出してもらいましょう。

査定のステップは、正確な見込み価格を把握すると同時に、仲介を依頼する不動産会社を探すプロセスでもあります。

査定のやり取りを通じた対応の質や、査定結果の説明のわかりやすさ、コミュニケーションの取りやすさなど、各不動産会社の様子を見極めながら進めていきましょう。

複数の不動産会社へ、それぞれ依頼する手間を省くためには、一括査定サイトを利用すると便利です。

【一括査定サイトの例】

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土地査定の方法は?流れ・種類・査定額の出し方まで基礎知識を解説

媒介契約

3つめのステップは「媒介契約」です。

媒介契約の種類

媒介契約は、土地の売却の仲介を依頼する不動産会社と、売主との間で締結する契約です。

媒介契約には3つの種類があります。まずは以下を把握しましょう。

【媒介契約の種類】

媒介契約の種類
種類特徴
専属専任媒介契約依頼できるのは1社だけです。 売主自らが買主を見つけたときでも、 依頼した媒介業者を介して契約しなければなりません。レインズへの登録義務、1週間に1 回以上の販売状況の報告義務があります。
専任媒介契約依頼できるのは 1 社だけでレインズへの登録義務があるのは専属専任媒介契約と同じです。売主自らが買主を見つけたときは直接契約することもできます。 2 週間に1 回以上の販売状況の報告義務があります。
一般媒介契約複数の業者に依頼することができます。 売主自らが買主を見つけたときは直接契約することができます。レインズへの登録義務はありません。
出典:全日保証「家を売る。」より作成

簡単にいうと、売主にとっての制限(1社しか契約できない、契約した不動産会社を通さないと契約できないなど)が強いほど、不動産会社に力を入れて販売活動をしてもらえる度合いが強くなる仕組みになっています。

不動産媒介契約の特徴

どの契約がよいかは、状況によるため一概にはいえませんが、依頼したい不動産会社が1社のみで、売主が自ら買主を見つける可能性がない場合には、専属専任媒介契約が推奨されます。

その理由は、専属専任媒介契約は不動産会社が最も注力しやすい契約であり、早く・高く売却できる可能性が高まるからです。

仲介手数料

媒介契約を締結した不動産会社が、売却を成功させた場合、成功報酬で「仲介手数料」を支払う必要があります。

【仲介手数料の簡易計算式】

不動産 仲介手数料 計算

仲介手数料を支払うタイミングは、売買契約時に半金、決済・引渡し時に半金の2回に分けることが一般的です。

いつ・いくらの仲介手数料を支払うかについて、媒介契約を締結する際に契約内容をよく確認し、合意しておきましょう。

仲介手数料についての詳細は、後ほど「3. 土地売却にかかる費用・税金」にて解説します。

販売活動

4つめのステップは「販売活動」です。

媒介契約を締結した不動産会社の担当者との間で、販売戦略について相談し方針を決めたら、いよいよ売り出しスタートです。

売り出し価格

販売活動に入る前にかならず決めるべきこととして「売り出し価格」があります。

土地 売却 価格

売り出し価格は、売主の売却希望価格と不動産会社の査定価格をすり合わせて、決定します。

実際の成約価格は、買主の購入希望価格とすり合わせて決まります。

買主との条件交渉の余地を残すために、“想定される成約価格よりも少し高め”の売り出し価格を設定することが、一般的です。

ただし、適切な売り出し価格は、「どのように売りたいか?」によって大きく変わります。

【売り出し価格の決め方の例】

  • 早く売却することを優先したい:相場よりも安めの価格設定にする
  • 時間がかかってもよいので少しでも高く売りたい:相場よりも高めの価格設定にする

不動産会社の担当者に、明確に希望を伝えて、納得できる売り出し価格を設定することが重要です。

内覧対応

販売活動がスタートすると、物件に興味を持った人から、内覧の申し込みが入ります。

内覧とは、購入検討中の方が、不動産会社の営業担当者の案内で現地を訪れて、物件を自分の目で見学することです。

【土地の内覧対応のポイント】

  • 敷地内の不用品は廃棄し、草刈りをして、土地が広々と明るく見えるように配慮する
  • 売主が立ち会う場合は、想定される質問に正確に答えられるようにしておく(ただし契約に関わる口約束につながる話はしないように注意する)

なお、土地の内覧においては、売主が立ち会う場合と立ち会わない場合があります。

売主が立ち会うことで、物件に関する質問にその場で答えることができ、スムーズな成約につながる可能性があります。

ただし、どのように対応するのが望ましいかは、ケースバイケースです。不動産会社の担当者と相談し、決めておきましょう。

条件交渉

5つめのステップは「条件交渉」です。

「土地を売却したい」という購入希望者が現れたら、条件を交渉していきます。以下は、調整する条件の例です。

【調整する条件の例】

  • 売買価格
  • 手付金の額
  • 引渡しの時期
  • 契約不適合責任の期限
  • 土地の実測を行うか否か
  • 土地の実測を行う場合は、実際の面積に応じた売買代金の精算を行うか否か
  • 建物や設備の補修を行うか否か
  • 古家がある場合は撤去するか否か・公租公課(固定資産税や都市計画税)などの精算方法や金額
    ※それぞれを調整するだけではなく、複数の条件を合わせて調整することもあります。

出典:不動産ジャパン

多くの場合、売り出し価格よりも安い価格にしてほしいと、値引きを交渉されます。

不動産会社の担当者とよく相談しながら、売主として譲れないラインはきちんと守り、譲歩できる部分は譲歩して、成約を目指していきましょう。

土地評価額とは?4種類の指標のどれを使うのか・調べ方を詳しく解説

土地の実測

土地売却ならではのポイントについて補足しておくと、よく論点となるのが「土地の実測」です。

登記簿に登記されている面積(公簿面積)は、現況と異なっていることがあります(参考:公図と現況のずれQ&A)。

よって、土地の売買では、土地の実測を行ったうえで実測面積に基づいて売買するのか、登記簿に登録されている公簿面積で売買するのか、決める必要があります。

トラブルを回避するためには、実際の面積に応じて売買する実測売買が望ましいですが、費用と期間がかかるデメリットがあります。

【実測売買と公簿売買】

スクロールできます
実測売買公簿売買
面積の正確性
正確性が高い

正確性が低い
費用
測量費がかかる
(30〜80万円程度)

新たな費用は発生しない
期間
数ヶ月の期間がかかる

新たな期間は発生しない

上記のとおり、実測売買と公簿売買は一長一短あるため、土地の状況と売主・買主の希望によって、調整する必要があります。

古家の扱い

古家付き土地の場合には、古家の撤去についても、明確にしておきます。

古家の撤去の条件交渉は、売買価格の交渉とあわせて行うことが一般的です。

たとえば、
「売買価格は値引きしない代わりに、売主負担で古家を撤去してから引渡しする」
といった具合に、ほかの条件との兼ね合いも見ながら、調整していきましょう。

【2023年】家の解体費用相場から100万高くなる例まで徹底解説

売買契約

6つめのステップは「売買契約」です。

購入希望者との間で条件の折り合いがついたら、売買契約を締結します。

契約書の内容確認

売買契約の際に重要なことは、事前に契約書の文面を受け取り、内容をよく確認しておくことです。

売主と買主との間で合意された条件が、正確に記述された契約書となっていることを、念入りに確認しましょう。

以下のリストを参考に、売買契約書のすべての文章をチェックしてください。

【売買契約内容のチェックリスト】

●契約全体

 □ 自分の希望条件は記載されているか

 □ 自分にとって無理のある条件はないか

 □ 不明確な条件はないか

 □ 消費者契約に該当するか(該当する場合は消費者に不利な契約は無効)

●売買物件の表示

 □ 売却物件の表示に誤りはないか

●売買代金、手付金等の額、支払日

 □ 売買代金、手付金等の額に誤りはないか

 □ 買主からの支払日はいつか

 □ どのような性質の手付金か(解約、証約、違約)

 □ 手付金等が高すぎたり安すぎたりしないか

●土地の実測及び土地代金の精算

 □ 土地の実測は行うのか

 □ 面積の増減に応じて売買代金の精算を行うのか、行う場合の単価は正しいか

●所有権の移転と引き渡し

 □ 所有権の移転、引渡しの時期に問題はないか(確実に引き渡しができるか)

●負担の消除

 □ 売却物件を完全な所有権で引渡しができるか(抵当権や賃借権などは確実に整理できるか)

 □ 賃借権など引き継ぐ権利がある場合は、その内容は明確か

●危険負担

 □ 契約締結後、引渡し前に物件が天災等により滅失、毀損した場合の取り扱いは明確か

●手付解除

 □ 手付解除は可能か、いつまで手付解除が可能か

 □ 手付金が高すぎたり安すぎたりしないか

●契約違反による解除

 □ 違約金や損害賠償の予定額は適当か

●契約不適合責任

 □ 契約不適合責任の期間は適切か

●付帯設備等の引き継ぎ

 □ 引き継ぐべき付帯設備等は明確か

●公租公課等の精算

 □ 何を精算するのか明確か

 □ 精算方法と金額を把握したか

●ローン特約

 □ 買主に住宅ローンの利用予定があり、特約が付されている場合は、買主の信用力に照らして借り入れ内容(金額など)に無理はないか(無理な借り入れ内容の場合は、解除のリスクが高まる)

●その他

 □ その他特に定めておく事項はないか

出典:不動産流通推進センター

仲介手数料の半金支払いと手付金の受領

売買契約時の金銭のやり取りとしては、以下の2つがあります。

  • 売主が不動産会社に支払う「仲介手数料」
  • 売主が買主から受け取る「手付金」

媒介契約を締結した際に、仲介手数料の半金を売買契約時に支払う約束となっていた場合には、不動産会社に対して仲介手数料の支払いを行います。

一方、買主からは、事前の交渉で合意した額の手付金を受け取ります。

手付金の相場は、売買金額の1割程度です。たとえば、1,000万円の売買価格であれば、100万円を手付金として受け取ります。

手付金は、自己都合で売買契約を解除した場合の、ペナルティー料として機能します。買主の都合で契約を解除された場合には、売主は手付金をそのまま受領することになります。

逆に、売主都合で契約を解除した場合には、受け取った手付金を返済するとともに、同じ額のお金を買主に支払う必要があります(100万円の手付金であれば、200万円を買主に返済・支払い)。

決済・引渡し

7つめのステップは「決済・引渡し」です。

当日の流れ

土地 売却 決済の流れ

決済・引渡しは、買主が売買代金の支払いを行い(決済)、売主が物件を引き渡す(引渡し)プロセスです。

買主が住宅ローンを利用する場合には、「金融機関が買主に融資実行→買主が売主に代金を支払う」という段取りとなります(この場合、決済・引渡しの集合場所は、金融機関となるのが一般的です)。

決済・引渡しと同時に、抵当権抹消登記や所有権移転登記が必要となります。これらの手続きは、通常、売主・買主からの依頼を受けた司法書士が代行します。

必要書類と仲介手数料の支払い

決済・引渡しでは、売主が、必要な書類を抜け漏れなく準備することが重要です。

書類に不備があると、売買契約で約束した引渡し日に引渡しが完了せず、契約違反として大きな問題に発展するリスクがあります。

【決済・引渡しの必要書類の例】

●登記関係書類等
・所有権移転登記の関係書類等(登記を書面申請する場合)
登記識別情報または権利証、印鑑証明書(登記申請日時点で発行後3ヶ月以内のもの)、住民票、固定資産評価額証明書、司法書士への委任状など
・抵当権抹消登記に必要な関係書類等
※登記関係書類等は司法書士等の専門家に確認しましょう。また、登記をオンライン申請する場合は準備するものが異なります。

●実印(登記関係書類に押印する)

●登記費用

●実測図や境界確認書(必要な場合のみ)

●残代金や各種精算金等の領収書(口座振込の場合は振込控えで代替する場合もある)

●建築関係書類、物件の鍵等の買主へ引き継ぐべきもの一式

●仲介手数料(媒介契約書の支払条件に基づいて準備する。不動産会社からは領収書を受け取る)

出典:不動産ジャパン

媒介契約を締結した不動産会社との取引も、決済・引渡しをもってすべて完了します。

よって、仲介手数料の残金を支払う準備も、進めておきましょう。

確定申告

8つめのステップは「確定申告」です。

以下のケースでは、確定申告が必要となります。

  • 土地を売却して譲渡益が出たため、納税の必要がある
  • 納税の必要はないが、特例や控除の適用を受けたい

確定申告を行うタイミングは、土地を売却した翌年の2月16日〜3月15日です。

土地売却 確定申告 スケジュール

具体的にどのような税金が課せられるのかについては、次章で解説します。

土地売却にかかる費用・税金

土地売却では、諸費用や税金などの出費があります。事前に把握しておくことが重要です。

以下で詳しく見ていきましょう。

土地売却にかかる費用

土地売却にかかるおもな費用として、以下があります。

【土地売却にかかる費用】

費用の種類内容(金額は目安)
仲介手数料不動産会社に支払う成功報酬:
・売買代金200万円以下:売買代金の5%
・売買代金200万円超400万円以下:売買代金の4%
・売買代金400万円超:売買代金の3%
(上記に消費税が加算される)
印紙代売買契約書に貼付する収入印紙
(金額は売買代金による/参考:印紙税額の一覧表
ローンの抵当権抹消費用抹消登記の登録免許税:1,000円
司法書士への報酬:2〜3万円程度
確定測量の費用土地家屋調査士への報酬:30〜80万円
土地汚染調査の費用10〜30万円
古家の解体費用100〜300万円
※実際にかかる費用項目や金額は状況によって異なります。

仲介手数料は以下の式で簡易的に求めることができます。

不動産 仲介手数料 計算式

たとえば、仮に「売買代金1,000万円の土地」として、試算してみましょう。

【計算例】

  • 仲介手数料:1,000万円 × 3% + 6万円 + 消費税 = 396,000円
  • 収入印紙代:10,000円 ※軽減措置あり
  • ローン抵当権抹消費用:21,000円
  • 確定測量の費用:300,000円
  • 土地汚染調査の費用:100,000円
  • 古家の解体費用:1,000,000円

 —

 合計:1,827,000円

実際にかかる費用はケースバイケースで幅がありますが、事前によく確認して、必要な資金を確保しておくことが大切です。

土地売却でかかる税金

土地を売却によって得た利益(譲渡益)は、譲渡所得という区分になり、譲渡所得税(所得税・住民税)の課税対象となります。

譲渡所得の計算方法

譲渡所得金額 計算
出典:不動産ジャパンより作成

(注1)譲渡価額とは、土地や建物の売却代金などをいいます。

(注2)取得費とは、売った土地や建物を買い入れたときの購入代金や、購入手数料などの資産の取得に要した金額に、その後支出した改良費、設備費などの額を加えた合計額をいいます。

なお、建物の取得費は、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。また、土地や建物の取得費が分からなかったり、実際の取得費が譲渡価額の5パーセントよりも少ないときは、譲渡価額の5パーセントを取得費(概算取得費)とすることができます。

(注3)譲渡費用とは、土地や建物を売るために支出した費用をいい、仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、売却するときに借家人などに支払った立退料、建物を取り壊して土地を売るときの取壊し費用などです。

出典:国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」

簡単にいえば、土地の売却代金から、土地を購入したときの費用や売却にかかった経費などを差し引いて残った「利益」が、課税対象となります。

利益が出なかった場合(赤字になった場合)には、譲渡所得税を納税する必要はありません。

【譲渡所得金額の計算例】

  • 売却代金(譲渡価額):1,000万円
  • 取得費:900万円
  • 譲渡費用:180万円

 — 

譲渡所得金額:1,000万円 – (900万円 + 180万円) =  -80万円

上記の場合、-80万円の赤字となり利益が出ていないため、納税の必要はないということになります。

※実際の譲渡所得金額の計算は、所轄の税務署や税理士など専門家のアドバイスを受けながら行ってください。

所有期間によって変わる税額

譲渡所得金額がプラスになった場合(利益が出た場合)には、所定の税率をかけた金額を納税する必要があります。

土地建物の譲渡所得は、長期譲渡所得と短期譲渡所得に分類され、税額も分けて計算されます。

  • 長期譲渡所得:譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超えるもの。
  • 短期譲渡所得:譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年以下のもの。

出典:不動産ジャパン

それぞれの譲渡所得税の税率は、以下のとおりです。

長期譲渡所得の税額の計算
税額=課税長期譲渡所得金額×税率20%(所得税15%、住民税5%)

短期譲渡所得の税額の計算
税額=課税短期譲渡所得金額×税率39%(所得税30%、住民税9%)

※2013年から2037年までの税額については、算出された所得税を課税標準として復興特別所得税2.1%分が加算されます。

出典:不動産ジャパン

土地売却で利用できる可能性のある特例・控除

土地売却で利益が出た場合、特別控除を差し引くことで、譲渡所得金額を減額できます。

土地売却 特別控除

以下に土地売却で利用できる可能性のある特例や控除をリストアップしました。

※補足:土地だけの売却であっても、所定の要件を満たせばマイホームの特別控除を適用できるケースがあります。

【完全版】不動産売却の確定申告について|要不要、必要書類、手順

それぞれの要件の詳細や最新情報は、所轄の税務署や税理士などの専門家にご相談ください。税についての相談窓口はこちらからお調べいただけます。

土地売却で失敗しないための注意点

最後に、土地売却で失敗しないために注意したいポイントについて、お伝えします。

信頼できて力のある不動産会社を選ぶ

土地売却では、信頼できる不動産会社を選ぶことはもちろん、経験豊富で知識と力量のある不動産会社に仲介を依頼できるかどうかで、結果が変わることがあります。

土地の権利関係や法令制限などの調査は、売主だけで完璧に行うことは難しく、専門家である不動産会社の担当者が、十分な働きをすることが不可欠です。

また、購入希望者を早期に見つけて引き合わせる営業力やネットワークも重要です。

大手の不動産会社(例:住友不動産販売)、地元の有力不動産会社、その他の不動産会社を比較検討しながら、仲介を依頼する不動産会社を選定しましょう。

「長年の実績がある不動産会社か?」「過去に行政処分を受けていないか?」といった情報も、事前に調べておきましょう。

たとえば、東京都の場合は以下の情報を閲覧できます。

【宅建業者の免許情報提供サービス 】

都庁では、都知事免許業者と都内に本店のある国土交通大臣免許業者について、下表の項目等を記載した名簿や申請書類等の閲覧ができます。また、インターネットで免許証番号、商号、代表者名、行政処分歴など名簿の一部を見ることができます。(宅建業者の免許情報提供サービス https://www.takken.metro.tokyo.lg.jp/

宅建業者名簿 閲覧ポイント

出典:安心して既存住宅を売買するためのガイドブック

確定申告が必要な場合は忘れずに行う

確定申告は、特例や控除を適用させるためにも必要となる点にご注意ください。

別の言い方をすると、特別控除によって納税が不要となる場合、特別控除を受けるための書類を確定申告で提出しないと、脱税行為になってしまう、ということです。

なお、土地売却によって損失が出た場合でも、確定申告を行うと、損益通算や繰越控除の適用によって、節税できる可能性があります。

確定申告をすべきか迷ったときには、しておくと安心です。詳しくは、所轄の税務署や税理士などの専門家にご相談ください。
最寄りの相談窓口は、税についての相談窓口(国税庁)から確認できます。

まとめ

本記事では「土地売却」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

土地売却の基本の流れを、8つのステップでご紹介しました。

  1. 現状把握
  2. 査定依頼
  3. 媒介契約
  4. 販売活動
  5. 条件交渉
  6. 売買契約
  7. 決済・引渡し
  8. 確定申告

土地売却にかかる費用・税金として、以下があります。

  • 仲介手数料
  • 印紙代
  • ローンの抵当権抹消費用
  • 確定測量の費用
  • 土地汚染調査の費用
  • 古家の解体費用
  • 譲渡所得税(所得税・住民税)

失敗を避けるために注意したいポイントはこちらです。

  1. 信頼できて力のある不動産会社を選ぶ
  2. 確定申告が必要な場合は忘れずに行う

なお、土地は売却する以外に“活用する”という選択肢もあります。

売却以外の方法も模索している方は「土地活用の方法とは?アイデア11選!田舎や低コストの選択肢も紹介」もあわせてご確認ください。

不動産売却を検討の際には最低3社の一括査定を利用することがおすすめ

査定額をより正確に出したい場合は、不動産会社1社のみではなく、少なくとも2〜3社まとめて査定を依頼するようにしましょう。

1社だけの査定額だと、相場よりも低い価格で売却して、損をしてしまうかもしれません。

2~3社に依頼すれば、数字を照らし合わせていくらが相場なのかチェックができ、売り出し価格を決める際の参考になります。

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不動産一括査定サイトの評判を確認したい方は以下の記事も参考にしてみて下さい。

おすすめ不動産一括査定サイト17社の評判や選び方を徹底解説

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賃貸マンション・賃貸アパートなど、タイセイ・ハウジーが管理する全国の不動産賃貸住宅情報をご紹介しています。賃貸管理業務を通じた知識をわかりやすくお届けできればと考えています。

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