不動産売買を入札で行う方法とは?メリット・デメリットも徹底解説

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不動産入札案件とは、一つの不動産に対して複数の買取希望者がオークション形式で価格を競り合い、最終的な買主を決める売買方式です。

一般的な売買方式とは異なり、買取候補者同士で入札額を競うため、売主が提示した価格よりも高値で売却できる可能性があります。

また、買取候補者を公募することも可能なため、買い手と個別に交渉する必要がないのも魅力です。

不動産の入札方式には以下3つの種類があり、仕組みや入札にかかる費用はそれぞれ異なります。

特徴を理解したうえで、自身に合う入札方法を検討する必要があるでしょう。

一般競争入札(不動産競売)
特徴全国の地方裁判所が管理する入札方式
住宅ローンなどの返済不能が生じた際に不動産を差し押さえて競売にかける
入札にかかる費用入札保証金:売却基準価額の20%程度
不動産公売
特徴国税庁によって管理される入札方式
税金の滞納者に対して税務署や国税庁が不動産を差し押さえて公売にかける
入札にかかる費用公売保証金:物件によって異なる
入札保証金:物件によって異なる
不動産仲介会社のオークション
特徴不動産仲介会社が主催する入札方式
一般競争入札や不動産公売にはない売却・入札後のサポートが受けられる
入札にかかる費用入札保証金:売却基準価額の20%程度
仲介手数料:売買価格×5%~売買価格×3%+6万円
※入札保証金や仲介手数料は物件や仲介会社ごとに異なるため、あくまでも参考程度にしてください。

不動産における入札方式は、主に地方自治体や企業間で活用されていましたが、最近では個人も利用できる環境が整ってきています。

個人で一般競争入札の案件を調べられるサイトの一つに「BIT(不動産競売物件情報サイト)」があります。

BITは、株式会社日立社会情報サービスが最高裁判所から委託を受けて運営するサイトです。

全国の競売物件に関する情報を、インターネット上で簡単に確認できます。

BIT(不動産競売物件情報サイト)
※引用元:BIT

地方裁判所管轄のもと、全国各地で入札が行われており、売りに出されている物件の情報や過去の売却価額、入札数、スケジュールなどをチェック可能です。

不動産を入札方式で売却する際は、以下の流れで進みます。

不動産を入札方式で購入する流れは、以下の4ステップです。

本記事では、不動産の入札方式について解説します。

入札方式で不動産を売買する手順や、メリット・デメリットも取り上げるので、ぜひ参考にしてください。

なお、入札方式でなくても売りにくい不動産や訳あり物件を売却したい場合は、以下の3サイトがおすすめです。

事故物件や再建築不可物件、狭小地など、他社で仲介や買取を断られた場合でも高額買取が見込めます。

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目次

不動産入札とはオークション形式で不動産を売買すること

不動産入札とは、一つの不動産に対して複数の希望者がオークション形式で買取価格を競り合い、買主を決める売却方法です。

最終的に最も高い価格を提示した者が、不動産を購入する権利を獲得できます。

一般的な不動産売買では「相対方式」がよく採用されています。

相対方式とは
  • 不動産会社を介して、売り手と買い手の双方が条件に合意することにより売買契約を結ぶ売却方法
  • 特定の買い手と交渉を進めるので情報漏えいのリスクが少ないのがメリット
  • 交渉に時間がかかるのと、競争が発生しないので好条件を引き出しづらいのがデメリット

一見安定した取引に見えますが、双方の合意が得られない場合は他の買い手が現れるまで待ち、一から交渉を繰り返さなければなりません。

また、市場動向や物件の需要によっては、値下げをしないと買い手が現れないケースもあります。

その点入札方式は、買取希望者同士で価格を競り合うため、状況によっては売主が提示した価格よりも高値で物件を売却できる可能性があります。

つまり、不動産入札方式は相対方式よりも良い条件で不動産を購入してくれる買い手を見つけやすいのです。

入札方式は従来、地方自治体や企業間で広く活用されていましたが、近年は個人の参入も少しずつ増えており、注目が集まっています。

不動産を入札方式で売買する方法3つと費用について

不動産の入札方式には、3つの種類があります。

一般競争入札(不動産競売)
特徴全国の地方裁判所が管理する入札方式
住宅ローンなどの返済不能が生じた際に不動産を差し押さえて競売にかける
入札にかかる費用入札保証金:売却基準価額の20%程度
不動産公売
特徴国税庁によって管理される入札方式
税金の滞納者に対して税務署や国税庁が不動産を差し押さえて公売にかける
入札にかかる費用公売保証金:物件によって異なる
入札保証金:物件によって異なる
不動産仲介会社のオークション
特徴不動産仲介会社が主催する入札方式
一般競争入札や不動産公売にはない売却・入札後のサポートが受けられる
入札にかかる費用入札保証金:売却基準価額の20%程度
仲介手数料:売買価格×5%~売買価格×3%+6万円
※入札保証金や仲介手数料は物件や仲介会社ごとに異なるため、あくまでも参考程度に留めてください。

基本的な入札方法は同じですが、売却の主催や仕組みが異なります。

以下でそれぞれの特徴を解説するので、ぜひ参考にしてください。

一般競争入札(不動産競売)

一般競争入札(不動産競売)の特徴
  • 全国の地方裁判所が管理する入札方式
  • 住宅ローンを支払えなくなった人の不動産(財産)を差し押さえて強制的に競売にかける
  • 個人でも入札が可能だが、落札後の対応はすべて自己責任で行う必要がある

一般競争入札は全国の地方裁判所が管理する入札方式で、不動産競売ともよばれます。

債務者が住宅ローンを返済できなくなった際、地方裁判所が財産である不動産を差し押さえ、強制的に競売にかける制度です。

土地や建物を購入するときに組んだ住宅ローンの返済が不能になった場合、金融機関は債務者の財産である不動産を差し押さえ、売却した代金で不能分を回収します。

しかし、金融機関は民間企業にあたるため、個人の財産である不動産を差し押さえたり、売却したりする権限がありません。

そこで、地方裁判所に申し立てを行い、裁判所の権限によって不動産の差し押さえと競売が実行されます。

一般競争入札は、全国各地の地方裁判所が管理する公的な不動産売買のため、基本的には誰でも参加可能です。

ただし、個人でも入札が可能ですが、落札後の対応はすべて自己責任で行う必要がある点には注意が必要です。

不動産競売物件情報サイト「BIT」では、一般競争入札の案件をインターネット上で市区町村別に確認できます。

【不動産競売物件情報サイト「BIT」】

BIT(不動産競売物件情報サイト)
※引用元:BIT

また、各自治体独自でホームページに案件情報をまとめて掲載していることもあります。

普段は見つかりにくい掘り出し物が見つかる可能性があるので、こまめにチェックするのもおすすめです。

不動産公売

不動産公売の特徴
  • 国税庁によって管理される入札方式
  • 税金を払えなくなった人の不動産(財産)を税務署や国税庁が差し押さえて、強制的に公売にかける
  • 個人法人問わず誰でも参加できるが、落札後のサポートが一切用意されていないため注意

不動産公売は、国税庁によって管理される入札方式です。

前述した競売とは異なり、税金の滞納者に対して税務署や国税庁、役所が国税徴収法の規則に則り、公売にかける制度です。

個人の財産である不動産を差し押さえ、入札方式で売り出して未納分を回収します。

不動産公売も一般競争入札と同様、原則誰でも参加できます。

ただし、落札後のサポートが一切用意されていない点に注意が必要です。

公売の案件は国税庁の「公売情報」で確認でき、「KSI官公庁オークション」を活用すればインターネット上での入札も可能です。

【国税庁の公売情報】

国税庁の公売情報
※引用元:国税庁

【KSI官公庁オークション】

KSI官公庁オークション
※引用元:KSI官公庁オークション

不動産仲介会社のオークション

不動産仲介会社のオークションの特徴
  • 不動産仲介会社が主催する入札方式
  • 競売や公売と異なり、落札後のサポートを受けられるのが大きなメリット
  • 案件によっては一部の関係者にしか案内されないものがある

不動産仲介会社のオークションは、その名の通り不動産仲介会社が主催する入札方式です。

対象となる物件は戸建てやマンション、オフィスビル、工場、土地など幅広く、自身が求める不動産を見つけやすいでしょう。

しかし仲介会社によっては、一部の関係者のみをホテルの宴会場に招待し、クローズドな形でオークションを行う場合もあります。

そのようなケースだと情報に辿り着くのが難しく、良い物件を取り逃してしまうこともあるため注意が必要です。

一般社団法人不動産競売流通協会が運営する「FKR不動産オークション」は、インターネット上で案件確認から入札まで対応できるため、特別な人脈がなくても良い物件を見つけられます。

【FKR不動産オークション】

FKR不動産オークション
※引用元:FKR不動産オークション

一般社団法人のサービスなので運営もしっかりしており、一般競争入札や公売にはない売却・入札後のサポートも受けられます。

また、仲介手数料も相場より安価なため、入札にかかる費用を少しでも削減したい場合にもおすすめです。

不動産入札を安心して利用したい方は、ぜひチェックしてみてください。

不動産入札の仲介手数料

入札の際に不動産仲介会社を利用した場合、仲介手数料が発生します。

仲介手数料は入札した物件の価格によって異なりますが、以下の簡易計算式を基準に算出されることが多いです。

【仲介手数料】

物件価格仲介手数料
400万円以上売買価格×3%+6万円
200万円以上400万円以下売買価格×4%+2万円
200万円以下売買価格×5%

上記はあくまでも上限です。

不動産仲介会社によっては、手数料を安価に設定しているケースもあります。

なお、不動産入札を行う場合は、上記の仲介手数料に加えて「入札保証金」を納める必要があります。

入札保証金とは
  • 落札後の契約締結を保証するための前金で、入札の際に支払う必要がある
  • 物件基準価額の20%程度が設定されることが多い
  • 物件を落札できなかった場合は全額返金される

「入札保証金」とは、落札後の契約締結を確実なものにするために、入札者が売り手に支払う金銭的保証です。

一般的には、物件基準価額の20%程度が入札保証金として設定されます。

入札者が物件を落札できなかった場合は返金されますが、落札後に何らかの理由で契約が破棄された際には、損害補償や違約金として売り手に受け渡されます。

不動産入札方式を利用する際は、仲介手数料のほか、入札保証金が必要になることも頭に入れておきましょう。

不動産を入札方式で売却する流れ

ここからは、不動産を入札方式で売却する流れを解説します。

入札方式では、一連の流れが完了するまで4〜6か月程度かかるのが一般的です。

以下の項目で、売却の5つのステップを順番に見ていきましょう。

不動産入札幹事会社を選定して不動産の査定をする

個人が入札方式で不動産を売却する際は、不動産入札幹事会社に入札の手続きを代行してもらうのが一般的です。

その際に重要なのが、不動産入札幹事会社の選定です。

多くの不動産入札を手がける経験豊富な会社を選ぶことで、失敗のリスクを回避できます。

売却を安定かつスムーズに進めるなら、不動産入札幹事会社選びを慎重に行いましょう。

不動産入札幹事会社を選定したら、売却する不動産の査定や市場調査を実施します。

なお、競売や公売の場合は債務者の不動産が強制的に売り出されるため、この限りではありません。

入札準備をする

売却する不動産の査定額や市場調査の結果から、売り出し価格などの落札条件を仲介会社と擦り合わせます。

売却で後悔しないためには、この段階で納得のいく条件と価格を設定する必要があります。

入札の種類(オープン・クローズド方式)やスケジュールなどの条件も重要ですが、とくに注意すべきなのが「最低売却価格」の設定です。

最低売却価格とは
  • 不動産を落札するために最低限必要な金額のこと
  • 低すぎると適正な取引ができず、高すぎても入札されなくなるため設定の際は注意が必要

入札額の最高値が最低売却価格より低かった場合に備えて、どのような条件なら売却してもよいかを具体的に決めておくと、売却をスムーズに進められます。

なお、「最低売却価格」は相場より高すぎても低すぎても良くありません。

不動産会社は相場に詳しいので、彼らの情報をもとにアドバイスを受けながら、適正な価格に設定するとよいでしょう。

入札を行い落札者を決定する

最低売却価格や入札期間、開札日、代金支払い期間などの条件が固まったら、実際に入札を開始します。

入札者が一人でも現れれば入札成立です。

入札が複数ある場合は、最も高い価格を提示した人が落札者となります。

しかし、入札者が一人も現れなかった場合は、不成立となり売買が流れます。

不成立の場合は再度入札にかけるか、相対方式での売却に切り替える必要があるため、不動産会社と相談しましょう。

なお、入札方式では最も高い価格を提示した人が落札者となる仕組みですが、実際に落札者を決める際は価格以外の情報も確認する必要があります。

後のトラブルを避けて安心して取引を行うためにも、入札価格や不動産の購入目的、購入条件など、総合的に見て決めると良いでしょう。

売買契約を結ぶ

入札が成立したら、宅地建物取引業法に基づき、出品者・落札者・不動産仲介会社の3者間で売買契約を結びます。

契約に必要な書類は、不動産仲介会社が用意してくれます。

その中の売買契約書には、売却価格や契約解除の条件、物件に欠陥が見つかった場合の対応、決済や引き渡しのスケジュールなどが記載されているので、必ず目を通しておきましょう。

なお、一度売買契約を結ぶと内容の変更や解除は原則認められません。

契約面で疑問点があれば不動産仲介会社に相談し、内容をしっかりと理解したうえで契約を結びましょう。

また、物件を売却する際は以下の諸費用を支払う必要があるので、あわせて確認してください。

仲介手数料売買価格×5%~売買価格×3%+6万円
印紙税1,000円~6万円
抵当権抹消費用1,000円(行政書士に依頼する場合は1万円~5万円)
住宅ローン返済手数料5,000円~3万円
譲渡所得税短期譲渡所得(所有期間5年以下):売却益×30.63%
長期譲渡所得(所有期間5年以上):売却益×15.315%

売却する際にも費用がかかる点を把握して、売却する必要があるでしょう。

売買代金全額を受け取り物件の引き渡しをする

売買契約を結んだら、売買代金を受け取り、買主に物件を引き渡します。

固定資産税の納付や住宅ローンの一括返済など、売却した不動産に関する精算も、この段階で行います。

また、前述した抵当権抹消や所有権移転登記もあわせて行いましょう。

自身で手続きを進めることも可能ですが、専門知識が必要になる場合もあるため、司法書士に依頼するのがおすすめです。

また、売却で得た利益には譲渡所得税がかかります。

翌年の確定申告で申告する必要があるため、忘れずに対応しましょう。

不動産を入札方式で購入する流れ

続いて、不動産を入札方式で購入する流れを解説します。

入札の場合は、以下の4ステップで進みます。

順番に見ていきましょう。

不動産入札情報を確認する

まずは、不動産の入札情報を確認し、実際に入札する物件を決めます。

競売なら「BIT(不動産競売物件情報サイト)」、公売なら「国税庁の公売情報」にそれぞれ掲載されているので、こまめにチェックしましょう。

【BIT(不動産競売物件情報サイト)】

BIT(不動産競売物件情報サイト)
※引用元:BIT

【国税庁の公売情報】

国税庁の公売情報
※引用元:国税庁

その他にも「FKR不動産オークション」のような不動産オークションサイトや、地方自治体独自で情報を掲載している場合もあります。

【FKR不動産オークション】

FKR不動産オークション
※引用元:FKR不動産オークション

入札案件を探す際には、上記で紹介したホームページをこまめにチェックするのがおすすめです。

入札保証金を入金して入札を行い結果を待つ

入札する物件が決まったら、入札保証金を入金して、入札を行い結果を待ちます。

入札保証金とは
  • 落札後の契約締結を保証するための前金で、入札の際に支払う必要がある
  • 物件基準価額の20%程度が設定されることが多い
  • 物件を落札できなかった場合は全額返金される

入札保証金は売却基準価額の20%程度に設定されることが多いです。

また、入札開始日と期限を確認します。

一般的な入札期限は、1週間程度です。

期限を過ぎると入札が無効になるため注意してください。

入札の際は、裁判所や国税庁、不動産仲介会社などの主催者に対して以下の必要書類を提出する必要があります

  • 入札書
  • 入札用封筒
  • 入札保証金振込証明書
  • 暴力団員等に該当しない旨の陳述書
  • 3か月以内の住民票の写し・運転免許証・パスポートのいずれか(個人の場合)
  • 履歴事項全部証明書・代表者事項証明書のいずれか(法人の場合)

直接はもちろん郵送でも提出可能です。

ただし、郵送の場合は入札期間中に書類が届かなければ無効となるため注意しましょう。

入札保証金を入金、必要書類を提出して、結果が出るのを待ちます。

売買契約を結ぶ

入札が終わると主催側ですべての入札用封筒が開封され、その中から最も高値を提示した人が落札者となります。

不動産仲介会社のオークションを利用した場合は、仲介会社と宅地建物取引業法に基づいた売買契約を結び、代金の支払いや引き渡しを進めます。

なお、競売や公売の場合、売買契約は締結されません。

入札価額から保証金額を控除した売却代金の入金によって、契約が完了します。

売買代金全額を支払って物件の引き渡しを受ける

主催側から売買代金の支払いを指示されるので、期日までに支払いましょう。

支払期日は、契約日から30日以内に設定されることがほとんどです。

なお、不動産仲介会社を介して入札した場合は引き渡し後のサポートを受けられるため、不動産に関する専門知識がなくても安心して利用できるでしょう。

しかし、競売や公売では物件引き渡し後のサポートが一切ないため、自身で諸手続きを行う必要があります。

落札した物件に占有者がいた場合、立退交渉もすべて自身で行わなければならず、専門知識がないと難しい場合もある点に注意しましょう。

不動産入札のデメリット

不動産の入札方式は、一般的な相対方式と比較して高値で売却できる可能性が高いのが魅力です。

しかし、以下のようなデメリットも存在します。

取引の際はデメリットをしっかりと理解して行う必要があるでしょう。

デメリットをそれぞれ詳しく解説します。

売り出し価格の設定が難しい

不動産の入札方式は、売り出し価格の設定が難しいといわれています。

売り出し価格が相場より高いと入札者が現れず、案件が流れる恐れがあります。

しかし、価格が低すぎても適正な取引ができず、発注者が損をする事態になりかねません。

売り出し価格を設定する際は、念入りな市場調査や不動産査定を実施し、正しい価格を把握することが重要です。

そのためにも、不動産入札に関する知識や実績が豊富な仲介会社を選びましょう。

落札者の選定基準を明確にしておく必要がある

入札方式で不動産を売却する際は、落札者を選ぶ基準を明確にしておく必要があります。

不動産入札は、複数の買取希望者の中から最も高い価格を提示した人に、物件を購入する権利が与えられる仕組みです。

しかし実際に落札者を決める際は、後のトラブルを避けるためにも、入札価格だけでなく不動産の購入目的や条件を総合的に加味しましょう。

例えば、購入目的が「自己所有」や「居住用」ならトラブルは少ないですが、「転売」や「事業用」の場合は何らかの問題が生じる恐れがあるため注意しなければなりません。

売却をスムーズに進めるためにも、落札者の条件をあらかじめ設定しておきましょう。

落札先が決定した後は売却をやめられない

不動産入札では、落札成立後は基本的に売却をキャンセルできません。

多く入札してほしいからといって安易な価格設定をすると、結果的に自身が損をこうむることになるため注意しましょう。

不本意な契約とならないよう、値下げ分を想定したうえで価格を設定しておくのも効果的です。

落札した後に後悔しないように、落札者の選定基準だけではなく、最低売却価格落についてもしっかりと考えておきましょう。

一般仲介業者の入札情報は基本的に見られない

一般仲介業者の不動産入札には、情報が公開されている「オープン方式」と、非公開の「クローズド方式」の2種類があります。

オープン方式なら誰でも情報を見られますが、クローズド方式の場合は特定の参加者のみに絞られるため、情報のチェックが難しくなるのが欠点です。

ただし、どのような実施方法にしても、入札が行われるかどうかの情報は幹事会社が握っています。

入札の幹事を多数担うような不動産仲介会社とつながりを持つことで、一般には公開されないクローズド方式の情報を手に入れられる可能性が高まるでしょう。

入札対象者として選定されるよう、日頃からアピールしておくのもおすすめです。

不動産入札のメリット

不動産入札には売り出し価格設定の難しさや落札者の選定基準などの注意点がありますが、対して以下のようなメリットもあります。

不動産入札を検討している方は、メリットとデメリットを理解したうえで、売買するか検討してみてください。

市場価格より高く売れる可能性がある

不動産入札では、市場価格より高く売れる可能性があります。

一般的な不動産売却では、売り手と買い手が一対一で交渉を行う「相対方式」が採用されますが、希望価格から値引きを要求される場合もあり、売り出し価格以上で売却するのが難しいといわれています。

また、双方が条件に合意できなければ、交渉が決裂するケースも珍しくありません。

その点入札方式は、購入希望者同士が価格を競り合うため、状況によっては市場価格より高値で売却できる可能性があります。

物件を少しでも高く売却したい方に不動産入札はおすすめです。

契約破棄がほぼない

入札方式では契約破棄のリスクがほとんどありません。

相対方式では、条件交渉で双方折り合いがつかないと、交渉が決裂するケースがあります。

一方、入札方式の場合、事前に提示された条件に合意したうえで入札されるので、落札後にキャンセルが発生するケースが少ないといわれています。

入札側が不動産入札仲介会社を介している場合、ローンの審査が通らないなどの一方的な理由で契約を破棄されることもないため、安心して不動産を売却できるでしょう。

早期売却が可能になる

不動産の入札方式では、早期売却が可能です。

一般的な相対方式では買い手と条件交渉を行う形式がとりますが、交渉が決裂して契約に至らなかった場合は再度候補者を探さなければならず、売却までに多くの時間がかかります。

入札方式では、一度に複数の購入希望者を募るため、買い手と個別で交渉する必要がありません。

短期間かつ効率的に、手持ちの不動産を売却できます。

不動産を早期に売却したい方に、不動産入札方式はおすすめです。

不動産入札が向いているのは郊外の土地や広い土地

不動産入札が向いているのは、郊外の土地や広い土地です。

なぜなら、郊外の土地や広い土地は住宅用には広すぎて個人の買主を見つけにくい場合でも、地方自治体や企業が開発目的で購入してくれるケースがあるからです。

一方で、一般的な住宅地や居住用のマンションは、不動産入札に不向きといわれています。

住宅地やマンションだと用途が限られるうえ、土地も広くないため活用の幅が狭まり、多くの入札や高額売却は期待できないからです。

ただし、人気エリアの物件や居住用マンションは不動産入札には不向きですが、通常の仲介でも十分高く売れる見込みがあります。

仲介なら売却において手厚いサポートが受けられるので、無理に入札方式にこだわる必要はないでしょう。

自身が売りたい物件や土地に合わせて、入札方式をとるか検討してください。

不動産入札に関するよくある質問と回答

ここからは、不動産入札に関するよくある質問に回答します。

不動産入札に関する疑問を解消したい方は、ぜひ参考にしてください。

土地の入札は個人でできる

不動産競売や公売なら、個人でも入札が可能です。

競売の場合は「BIT(不動産競売物件情報サイト)」、公売なら「国税庁の公売情報」で物件をチェックできます。

【不動産競売物件情報サイト「BIT」】

BIT(不動産競売物件情報サイト)
※引用元:BIT

【国税庁の公売情報】

国税庁の公売情報
※引用元:国税庁

大まかな流れは以下の通りです。

※詳しくは「不動産を入札方式で購入する流れ」の見出しで解説しています。

個人入札の注意点として、競売・公売物件の引き渡し後はサポートが一切用意されていません。

そのため落札した物件に占有者がいた場合は、立退交渉もすべて自身で対応する必要があります。

それらを考慮したうえで、個人での入札を行いましょう。

不動産入札の幹事とは入札を取り仕切る会社のこと

不動産入札の幹事とは、入札を取り仕切る会社のことです。

購入検討者を探す営業活動はもちろん、売却条件を記載した入札要綱の作成、不動産に関する情報提供や説明、質問の回答など、幅広い業務に対応します。

また、売買契約が締結した際には、売買金額やスケジュールなど、引き渡しに際しての諸条件の交渉も行います。

物件が引き渡されるまで、安全な売買取引をサポートするのが、不動産入札幹事会社の仕事です。

競売物件はやばいこともある

競売物件の中には資料よりもゴミや残置物が多かったり、前所有者の不法占拠があったりなど、何らかのトラブルを抱えている物件もあります。

競売物件は事前に不動産を内覧できないリスクがあるからです。

また、競売には物件引き渡し後のサポートがないため、上記のようなトラブルの解決は自身で行う必要があります。

専門家に対応を依頼することも可能ですが、それなりの費用が必要になることを理解しておきましょう。

場合によっては数十万円、数百万円になるケースもあります。

引き渡し後のトラブルを回避するためにも、入札前にはよく資料を確認しておきましょう。

不動産入札のまとめ

本記事では、不動産の入札方式について解説しました。

不動産入札で物件を売買する方法は以下の3種類です。

それぞれ特徴や入札にかかる費用が異なるため、自身に合った方法で売買を検討しましょう。

一般競争入札(不動産競売)
特徴全国の地方裁判所が管理する入札方式
住宅ローンなどの返済不能が生じた際に不動産を差し押さえて競売にかける
入札にかかる費用入札保証金:売却基準価額の20%程度
不動産公売
特徴国税庁によって管理される入札方式
税金の滞納者に対して税務署や国税庁が不動産を差し押さえて公売にかける
入札にかかる費用公売保証金:物件によって異なる
入札保証金:物件によって異なる
不動産仲介会社のオークション
特徴不動産仲介会社が主催する入札方式
一般競争入札や不動産公売にはない売却・入札後のサポートが受けられる
入札にかかる費用入札保証金:売却基準価額の20%程度
仲介手数料:売買価格×5%~売買価格×3%+6万円
※入札保証金や仲介手数料は物件や仲介会社ごとに異なるため、あくまでも参考程度に留めてください。

不動産入札のメリット・デメリットは以下の通りです。

 不動産入札のメリット
市場価格より高く売れる可能性がある
契約破棄がほぼない
早期売却が可能になる
 不動産入札のデメリット
売り出し価格の設定が難しい
落札者の選定基準を明確にしておく必要がある
落札先が決定した後は売却をやめられない
一般仲介業者の入札情報は基本的に見られない

不動産入札とは、複数の買取候補者が価格を競り合って、最終的な買主を決める売買方式です。

地方自治体や企業で主に用いられる方式でしたが、最近では個人による利用も注目されています。

しかし、不動産入札には向き不向きがあり、住宅地や居住用マンションよりも、郊外や農地などの広い土地のほうが高値で売れる可能性が高いです。

入札方式にこだわらず、売却したい土地や物件に合わせて、相対方式に切り替えるか検討するとよいでしょう。

また、不動産仲介を活用して入札方式での売却を行う場合は、不動産仲介会社の選定が重要です。

売却を検討中の方は、複数の不動産仲介会社を比較したうえで、媒介契約を締結しましょう。

なお、入札でなくても売りにくい不動産や訳あり物件を売却したい場合は、以下の3サイトがおすすめです。

正しい買取」は、事故物件をはじめとする訳あり物件に特化した不動産買取業者です。

心理的影響に左右されず、不動産本来の価格を提示してくれます。

訳あり物件買取プロ」では、更地にすると新たな家を建てられない再建築不可物件や、狭小地、不整形地など、他社では断られがちな物件も積極的に買い取ってくれます。

いえカツLIFE」は、手持ちの不動産の査定価格を最大6社まで一括比較できるサイトです。

実績豊富な500社とマッチングできるので、最高価格がすぐにわかります。

また、売却までの目安期間もわかるため、早く高く売りたい方に適しているでしょう。

他社で仲介を断られた、訳ありで売れるかわからないという物件を持っている方は、ぜひチェックしてみてください。

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