賃貸物件の入居者募集および入居手続きは、不動産会社に依頼することが一般的で賢明です。
不動産会社に依頼することで、以下のようなメリットがあるからです。
- 不動産会社が窓口となって物件紹介してくれる
- トラブルのない賃貸借契約を締結しやすい
- 募集や契約における手間を大幅に省ける
賃貸の募集から契約まで、オーナー自らで行うことはできますが、賃貸契約は法律が絡んでいるため、十分な知識がなければトラブルに発展しやすいです。
よって、入居者を募集する、となったらまず不動産会社に相談し、仲介を依頼しましょう。
ただし、どの不動産会社を選んでもすぐに入居者が見つかる、とは言えません。
不動産会社ごとに持つ強みや特徴は異なるからです。また、どの契約で不動産会社に仲介を依頼するかによっても募集力は変わってきます。
そこで今回は、初めての賃貸募集でも募集力を高められる情報を網羅的にまとめました。
ここで紹介するポイントを押さえれば、どの不動産会社に相談・依頼すればいいかが分かり、高い募集力で入居者を確保できるようになるはずです。
ぜひ最後まで読んで、賃貸募集の一歩を踏み出してください。
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不動産賃貸の募集方法2パターンと選ぶポイント

賃貸募集を不動産会社に依頼するとき、2パターンある契約のいずれかを不動産会社と交わす必要があります。2パターンの契約とは以下の2つです。
一般媒介契約 複数の不動産会社に並行して仲介を依頼する | 専任媒介契約 1社のみに仲介を任せる | |
---|---|---|
・物件情報の露出度が高くなる ・物件紹介してくれる窓口が広くなる ・短期間で入居者が見つかる可能性がある | メリット | ・積極的に入居者募集を行ってくれる ・窓口が1社になるからやりとりの負担が少ない ・定期的に募集情報が共有される |
・入居者募集の活動が消極的になりがち ・活動状況が不明瞭になりやすい | デメリット | ・募集力は依頼した不動産会社の営業力に左右される |
・複数の不動産とのやり取りに時間 ・手間をかけられる ・自分で物件の魅力を上げられる ・早く入居者を見つけたい | こんな人におすすめ | ・信頼をおける不動産会社がある ・時間や手間をかけずに賃貸募集をしたい ・物件力を上げるための策が見出せない |
それぞれの契約の特徴と、どちらを選ぶべきかの判断ポイントについて詳しく紹介します。
一般媒介契約
一般媒介契約は、複数の不動産会社に並行して仲介を依頼できる契約です。
『レインズ』という不動産業界の物件情報共有システムへの登録義務はなく、オーナーへの募集活動の報告義務もありません。
契約期間は3カ月が一般的ですが、契約期間に法的な拘束力はないことが特徴です。
一般媒介のメリット
一般媒介契約のメリットは、物件情報の露出度が高くなる点や、物件紹介をしてくれる窓口が広くなる点が挙げられます。
一般媒介のメリット
- 物件情報の露出度が高くなる
- 物件紹介してくれる窓口が広くなる
- 短期間で入居者が見つかる
契約を交わした複数の不動産会社が物件紹介を行うため、物件情報が各不動産会社のHPで紹介されたり、物件を探している人に紹介してくれたりと、物件情報の露出度が高くなることが期待できます。
借り手が見つかりやすい好条件の物件であれば、争奪戦のように募集活動を行うこともあります。
よって、短期間で入居者が見つかりやすいというメリットも期待できる契約です。
一般媒介のデメリット
一般媒介のデメリット
- 入居者募集の活動が消極的になりがち
- 募集状況が不明瞭になりやすい
このようなデメリットが生じる理由は、一般媒介は不動産会社が独占して仲介できない状況であるためです。
というのも、不動産会社が得られる報酬は入居契約に至った場合のみです。他社に契約を取られてしまったら、どんなに物件を紹介しても収入は得られない、という不明確さがあります。
そのため、確実に収入を得られる専任媒介契約の物件と比べると、消極的な営業にとどまる傾向にあります。
また、一般媒介は不動産業界で活用されている不動産情報の共有システム『レインズ』の登録義務がありません。『レインズ』に登録されなければ、物件情報はオーナーが依頼した数社の不動産会社にとどまることもあり得ます。
さらに、一般媒介はオーナーに対しての活動報告義務もないため、オーナーは募集状況を把握しづらい点も懸念されます。
一般媒介がおすすめの人
一般媒介の特徴を踏まえると、一般媒介がおすすめの人は以下のような場合です。
一般媒介はこんな人におすすめ
- 多くの不動産とのやり取りに時間・手間をかけられる
- 自分で物件の魅力を上げられる
- 早く入居者を見つけたい
物件に動きがあった場合に情報共有を各会社に行ったり、不動産会社からの質問や要望に応えたりなど、募集時は何かとやりとりすることがあります。
仲介を依頼する不動産会社が増えるほど、やり取りするべき窓口は増えるため、時間と手間をかけられる余裕のある方におすすめです。
また、一般媒介は「借り手が見つからなそう(収益につながらなそう)」と判断された場合、消極的な募集活動になる傾向にあります。
積極的に物件を紹介してほしい場合は、オーナー自らで物件を魅力的にする必要があります。物件力をオーナー自身で高められる場合は、一般媒介で早く入居者を見つけることができるでしょう。
専任媒介契約
専任媒介契約は、不動産会社を1社だけに限定して募集を任せる契約です。
『レインズ』への登録義務が生じるので、不動産業界全体に物件情報が共有されます。さらに、オーナーへの活動報告義務もあるため、定期的に募集状況を知ることができます。
また、専任媒介の契約期間には法的拘束力があります。
専任媒介の契約期間中は、他社に仲介してもらったり、他社に変更したりすることはできません。設定される契約期間は会社によって様々ですが、最長3カ月と定められています。
専任媒介のメリット
専任媒介のメリットは、募集の積極性が高まりや、不動産会社とのやり取りの負担軽減が挙げられます。
専任媒介のメリット
- 積極的に入居者募集を行ってくれる
- 窓口が1社になるから負担が少ない
- 定期的に募集情報が共有される
専任媒介は不動産会社にとって、他社に契約を取られてしまうという懸念要素がありません。
契約期間内に入居者を見つけることができれば確実に収益につなげられるため、物件を魅力的に紹介する媒体を出したり、優先的に物件紹介を行ったりなど、積極的な募集活動が期待できます。
また、『レインズ』への登録義務が生じるため、全国の不動産会社に物件情報が共有されることにも確実性があります。
オーナーがやり取りする窓口は1社になるうえ、随時、不動産会社から活動報告を受けられます。不動産会社とやり取りする時間や手間は少なく済むことも、忙しいオーナーにとってはメリットであると言えるでしょう。
専任媒介のデメリット
専任媒介の懸念点は、依頼した不動産会社の営業力がそのまま募集力になる、という点です。
専任媒介のデメリット
- 募集力は依頼した不動産会社の営業力に左右される
専任媒介の場合、契約期間に法的な効力があるため、期間中は不動産会社を変更することはできません。
募集がうまくいかなくても、依頼した不動産会社に募集活動を行ってもらわなければいけないので、入居者がどれくらいのスピードで見つかるかは、依頼先の営業力によると考えてよいでしょう。
そのため、専任媒介を結ぶ不動産会社を選ぶ際は、営業力について見極める必要があります。
専任媒介がおすすめの人
専任媒介契約の特徴をふまえると、専任媒介がおすすめの人は以下のような人です。
専任媒介はこんな人におすすめ
- 信頼をおける不動産会社がある
- 時間や手間をかけずに賃貸募集をしたい
- 物件力を上げるための策が見出せない
専任媒介は、入居者募集を成功させるために不動産会社と1対1のパートナーシップを結ぶ契約です。
不動産会社も入居者を見つけるために積極的になるため、物件の改善点を見出してほしい場合も専任媒介は向いています。
もし信頼できる不動産会社があるのであれば、専任媒介契約で手厚くフォローしてもらうと理想に近い募集が期待できるでしょう。
「一般媒介と専任媒介、世間ではどちらが選ばれているのか?」という点も気になりますよね。
ここでは、ライフルホームズが不動産売却経験者3,000人に行ったアンケートの情報を紹介します。
“売却”経験者の情報ですが、賃貸も売却も同じ媒介契約が交わされるため参考になるはずです。こちらの情報も、ぜひ媒介契約選びの参考にしてください。
一番多く選ばれている媒介契約は?

僅差ですが、専任媒介契約の方が選ばれていることがアンケートから分かります。
早く売れたのは専任?一般?

専任媒介契約の方が半年未満に売れている数が多い結果が出ています。
専任媒介契約は積極的に営業活動を行う傾向にあることが、売却の早さにつながっているかもしれません。
郊外と都市部では媒介契約選びの傾向が異なる?

都市部では一般媒介契約が選ばれ、郊外では専任媒介契約が選ばれていることが分かります。
人口が都市部ほどないエリアの場合、不動産会社の営業力が必要だと判断されるケースが多いからかもしれません。
やはり、そのエリアの需要の高さによって媒介契約選びをする必要があることが分かります。
参考)ライフルホームズ|住まいの売却データファイルを参考に画像作成
賃貸募集に強い不動産会社の見極めポイント3つ

どちらの契約で賃貸募集を始めるにしても、賃貸募集力が高い不動産会社に依頼したいですよね。
賃貸募集の際は、必ず複数の不動産会社を比較し、以下3つのポイントを重視して募集力をチェックすることをおすすめします。
この3つをクリアできれば、依頼先の候補として考えてよいでしょう。見極めポイントについて1つずつ解説します
仲介業を行う不動産会社か?
そもそも仲介業を行う不動産会社であるのかは、まず確認しましょう。
というのも、賃貸物件を扱う不動産会社は、大きく分けて『仲介会社』と『管理会社』の2種類があります。
仲介会社 | 集客をして、入居希望者とオーナーの賃貸借契約を結ぶ →賃貸借契約の成功報酬として仲介手数料を払う |
---|---|
管理会社 | 物件の維持管理、入居者の管理(家賃集金、契約更新、退去手続きなど)をオーナーに代わって行う。※募集から賃貸借契約も行う会社もある。 →管理代行の報酬として継続的に管理委託手数料を払う |
オーナーが自主管理する賃貸物件の「募集~賃貸借契約まで」を仲介してほしいのであれば、“仲介会社”に絞って業者を選定します。
募集~賃貸借契約にとどまらず、物件のメンテナンス、入居者の管理に至るまで、賃貸経営の運用を任せたいのであれば、“管理会社”の中から選定しましょう。
扱うサービスの範囲は不動産会社のホームページや、直接の問合せで分かるはずです。求める賃貸仲介業を行っているのかをまずは確認してください。
集客にインターネットを活用しているか?
集客にインターネットを活用している不動産会社なのかも必ず確認してほしい項目です。
というのも、物件を探している人の多くは、まずインターネットで物件を探し、気になった物件に対して問合せを行う、という行動パターンが主流です。
インターネット上で物件がヒットしなければ、ほとんどの人に物件の存在自体が周知されないのです。
特に賃貸募集であれば、賃貸住宅情報の3大サイトと言われる『スーモ』『ホームズ』『アットホーム』に登録していると反響が期待できます。
賃貸住宅情報の各サイトには不動産会社を検索できる『フリーワード検索』や『加盟店検索』があります。気になっている不動産会社を入力して確認し、活用しているかを確認してみてください。
また、集客に自社のポータルサイトを活用している不動産会社もあります。
検索窓に「〇〇区 賃貸」「〇〇市 リノベーション賃貸」など、自身の賃貸物件があるエリアや物件の特徴を入れたりして検索し、どの不動産会社のサイトが上位にきているのかを確認してみるとよいでしょう。
さらに、インターネット上で物件がどのように紹介されているのかを見ることも大切です。
反響のあるポータルサイトに掲載しても、物件の写真が暗かったり、説明文がイマイチ魅力的ではなかったりすれば、集客力は弱くなってしまうでしょう。
物件は、写真の撮り方や説明文などで大きく印象が異なります。物件を探している人の気持ちになってインターネットで公開している物件情報を確認し、物件の紹介方法を見てみることをおすすめします。
賃貸物件のある地域に密着している
賃貸物件のある地域に密着した不動産会社であるのか、も注目したいポイントです。
募集力を高めるうえで欠かせないのは、入居希望者のニーズの把握だからです。
そもそも、その土地によって住む人のライフスタイルや価値観は異なります。
物件のエリアに住む人の特徴や家賃相場、競合物件、地域の需要などが分かっていれば、ターゲット選定や、物件の優位性を出すための施策など、募集力を高めるための対策について提案できるはずです。
実際に不動産会社に相談してみて、どれほど地域に根ざした提案力があるのかをチェックしてみてください。
オーナーができる!募集力を高める4つのこと

募集力を高めるには、募集力が高い不動産会社を選ぶことが鍵ですが、実はオーナーの対応力も募集力に関わります。
そこで、ここからは募集力を高めるためにオーナーができることを紹介します。それは以下の4つです。
募集力を高める方法を1つずつ紹介します。
賃貸物件の強みを把握&情報共有する
オーナー自らが賃貸物件の強みを把握し、不動産会社にその情報を共有することで募集力を高める効果が期待できます。
専任媒介であれば、不動産会社も一緒に物件の強みや見せ方を考えてくれると思いますが、一般媒介は積極的な関わりは期待できません。
オーナー自身で物件の強みを把握し、その情報を共有すれば、一般媒介でも不動産会社はその物件の優位性を打ち出しやすくなります。
簡単な箇条書きでも良いので、どんな強みがあるのかを積極的に伝えていくことが1つ目のコツです。
連絡には素早く反応する
不動産会社の連絡には素早く反応することも募集力を上げるコツと言えます。
不動産会社からの連絡は、入居希望者の質問や要望などの相談である可能性が高いからです。
というのも、仲介をする不動産会社は窓口となって入居希望者の対応をしてくれています。つまり、成約に関わるやりとりが行われているということです。
成約のチャンスを逃さないためにも、連絡をすぐ取れるようにしておきましょう。
こまめな連絡が不可能であれば、不動産会社にある程度の権限を持たせることも1つのコツです。
例えば、「値下げはここまでOK」「敷金礼金はカットOK」など。
不動産会社とのコミュニケーションを密にすることが、募集力の高まりにつながることを押さえておきましょう。
こまめに居室や共用部の清掃を行う
こまめに賃貸物件の清掃を行うことも募集力を高める重要なポイントです。
住んでいない部屋でも、1週間も経てばほこりは溜まっていきますし、風を通さなければ家は傷んでしまいます。
ほこりや匂いが気になる部屋の状態では、せっかく内見に訪れても悪い印象を与えてしまうでしょう。
これから住む部屋を探している人にとって、清潔感ある印象は特に重要な要素です。
室内はもちろんのこと、エントランスや階段、ポスト、駐車場などの共用部分も清掃を行っておきましょう。
インターネットで直接賃貸の情報を公開する
オーナー自身でインターネットを活用し、賃貸物件の情報を公開することも有効です。
前述したとおり、現代の物件探しはインターネットで探すことが主流になっています。
オーナー自身で物件をアピールするホームページやSNSを運用すれば、そこから問合せにつながることもなくはありません。
また、物件のアピール媒体を持っていれば、不動産会社もその写真を活用したり、強みを打ち出したりして、すぐに物件を紹介することが可能になります。
オーナーが賃貸情報を直接アピールできる物件のマッチングサイト『ウチコミ!』の活用もおすすめです。
写真などを準備すれば5分程度で掲載ができる簡単な使い心地があるうえに、掲載費用や利用料はかかりません。
直接情報をインターネット上に載せて物件情報を広める活動も、募集力を高める1つのポイントです。
まとめ
今回は不動産の賃貸募集方法について網羅的に解説しました。この記事の概要をまとめます。
まず、不動産を賃貸として募集するなら、不動産会社に仲介を依頼しましょう。
賃貸の契約は法律が絡んでいることもあり、知識・知見がなければトラブルに発展してしまうからです。
ただし、単に不動産会社に依頼するだけでは賃貸募集が成功すると言えません。
契約の種類や依頼する不動産会社、オーナー取り組む姿勢によって、募集力は大きく変わってきます。
まず契約の種類ですが、物件の状態や考えにマッチする方を選びましょう。
一般媒介契約 複数の不動産会社に並行して仲介を依頼する | 専任媒介契約 1社のみに仲介を任せる | |
---|---|---|
・物件情報の露出度が高くなる ・物件紹介してくれる窓口が広くなる ・短期間で入居者が見つかる可能性がある | メリット | ・積極的に入居者募集を行ってくれる ・窓口が1社になるからやりとりの負担が少ない ・定期的に募集情報が共有される |
・入居者募集の活動が消極的になりがち ・活動状況が不明瞭になりやすい | デメリット | ・募集力は依頼した不動産会社の営業力に左右される |
・複数の不動産とのやり取りに時間 ・手間をかけられる ・自分で物件の魅力を上げられる ・早く入居者を見つけたい | こんな人におすすめ | ・信頼をおける不動産会社がある ・時間や手間をかけずに賃貸募集をしたい ・物件力を上げるための策が見出せない |
不動産会社を選ぶ際は、以下3つのポイントに注目して選ぶようにしましょう。
また、オーナー自身が以下の項目を積極的に行うと、募集力のさらなる高まりが期待できます。
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