海外赴任で留守中の自宅を管理する3つの方法を紹介！賃貸や売却をおすすめする理由も解説

海外出張や長期出張の際などの留守中の自宅を管理するためには、主に以下の3つの選択肢があります。

留守宅の管理を任せるのに、もっとも安心できるのは、家族や知人に頼むことでしょう。

ただし、頼める家族や知人が近くにいない場合や、家族や知人に負担をかけたくないなどの場合は、留守宅管理サービスや遠隔操作で家電を操作するなどの方法もあります。

一方で、赴任期間が3年以上など長くなる方は、賃貸や売却を検討した方が良いケースもあります。

そこでこの記事では、以下のポイントをご紹介しています。

記事を読むことで、自分に合った留守中の家の管理の方法が分かり、海外赴任前の準備がスムーズに進められます。

海外赴任中の留守宅を万全に管理して、帰国後、安心して住めるようにするために、自分にぴったりの管理方法をぜひ見つけてください。

賃貸が都合がいいのか、それとも売却が賢明なのかを判断しながら、今後のライフプランを立てるのがおすすめです。

自宅の賃貸や売却の相場を知ることも大切です。

「株式会社リロケーション・ジャパン賃貸管理事業部」の公式YouTubeチャンネルで転勤時の家の管理について簡単に解説している動画あるので参考にしてください。
※【転勤時の状況別】家の管理方法

海外赴任中に留守宅を管理する方法は3つ

海外赴任中に家を管理する方法は、主に以下の3つです。

どの管理方法が適しているかは、家の形態や海外赴任の任期などにより変わってきます。

まずは、以下のチャートであなたに合う管理方法を見つけてください。

上記3つの方法で管理する場合、実際にできる管理の内容を一覧にしました。

必要な管理	家電の遠隔操作	家族や知人	留守宅管理サービス※
室内の換気	◯	◯	◯
通水	◯	◯	◯
室内の掃除	◯	◯	◯
家電の動作確認	◯	◯	◯
郵便物の回収	✖️	◯	◯
庭木の水やり	✖️	◯	◯
外周りの点検・清掃	✖️	◯	◯

管理方法1｜遠隔操作で家電を操作する

まずは、海外から家電を遠隔で操作しながら、留守宅を管理する方法をご紹介します。

赴任先が日本から比較的近く、数ヶ月に一度は自宅に戻れる見込みがあるマンションの場合、この管理方法が有効です。

具体的には、専用アプリを通じて空気の入れ替えや掃除などを遠隔で実行し、家の状態を維持します。
そして、数ヶ月に一度の帰国時には、徹底的な管理を行います。

ただし、遠隔操作に対応していない家電の場合は、対応機種に買い替える必要があります。
遠隔操作仕様が必要な家電を、以下の表にまとめました。

管理内容	遠隔操作仕様に変える必要のある家電
室内の換気	エアコンサーキュレーター換気扇
通水	浴槽トイレ
室内の掃除	ロボット掃除機
家電の動作確認	照明テレビ

遠隔操作仕様の家電には、スマート家電があります。

またスマート家電ではない家電でも、「スマートリモコン（赤外線リモコンに対応した家電を、スマートフォンやスマートスピーカーから操作できるようにする機器）」を使用することで、遠隔操作が可能になります。

遠隔操作で家電を管理するためにやること

では、遠隔操作で家電を管理する際に実際に行う手順を見ていきましょう。

5.と6.は、防犯のために行います。

照明やテレビを点けたり消したりすることで、家に人が住んでいるように見せられるのです。

また、自動でカーテンを開閉できるスマートカーテンもあります。

1万円前後で後付けができるので、簡単に取り入れられるでしょう。

空き巣は、留守だと判断した家を狙うことが多いため、これらの方法は、防犯や空き巣対策に有効です。

家電を動かす頻度は月に1～4回程度

家電を動かす頻度は、室内の空気を換気したり、掃除したりするために、月に1～2回程度を目安にしましょう。

ただし、遠隔操作で満足のいく換気や掃除ができない場合は、頻度を増やしてみてください。

家電を動かす頻度の目安
エアコン サーキュレーター 換気扇	月に1～4回
浴槽 トイレ	月に1～4回
ロボット掃除機	月に1～4回
照明 テレビ カーテン	毎日

数ヶ月ごとに帰国して家を確認できる方は、家電の遠隔操作を上手く利用してみてください。

管理方法2｜家族や知人に頼む

海外赴任中の留守宅の管理は、家族や知人に頼むのが安心で、費用も安くおさえられます。

ただし管理内容は多岐にわたるため、すべてをお願いできるのか、あらかじめしっかり確認しておく必要があります。

家族や知人にお願いすること

家族や知人にお願いする留守宅管理の具体的な内容をまとめました。

必要な管理	お願いすること
室内の換気	すべての窓を開けて空気の入れ替え（約30分～1時間）
通水	台所や浴室、洗面所の蛇口をひねって通水（約1分～） 水漏れの確認
室内の掃除	床や壁の掃き掃除・拭き掃除 水回りの汚れの掃除
家電の動作確認	エアコン、テレビなどの家電の電源を入れて動作確認
郵便物の回収	郵便受けを開けて、郵便物の回収と処分
庭木の水やり	庭木の水やり、草むしりなど庭の手入れ
外周りの点検・清掃	外構の破損の有無確認 玄関のたたきやベランダの掃き掃除

管理内容は多岐に渡り、頼まれた方にとっては、結構な負担となる可能性があります。

2.管理方法1｜遠隔操作で家電を操作するで紹介した、ロボット掃除機と合わせるなど、頼まれる方の負担を少しでも減らす工夫をすると、頼みやすくなります。

家族や知人に来てもらう頻度は最低月1回〜

留守宅を家族や知人に管理してもらうのであれば、最低でも月に1回は訪問してもらいましょう。

理由としては、以下の点があげられます。

定期的な訪問で室温や湿度、通気などの環境を管理すれば、家の健康状態が保て、不快な状況を予防できます。

また、家電の故障や水道管の亀裂などトラブルがあった場合、早期に発見して修理ができます。
小さなトラブルも放置すると、損害が拡大する可能性があるので、月に1回程度は確認したほうが安心です。

さらに、郵便物の溜めすぎも、紛失や盗難のリスクが高まります。

これらの理由から、月に1回の頻度で留守宅を管理してもらうことは、安全性や快適性を保つために必要です。

家族や知人に依頼するときは謝礼も忘れずに用意しよう

家族や知り合いであっても、管理をお願いする場合は、謝礼を支払うことを検討してみてください。

謝礼を渡すことで、協力してもらったことへの感謝の気持ちをしっかり伝えましょう。

謝礼の金額に決まりはありません。

プロの留守宅管理サービスに依頼した場合、月1回の利用で5,000円～が相場です。

いくら払えばいいか悩んだ場合の目安にしてくださいね。

管理方法3｜留守宅管理サービスに依頼する

留守宅を安心して管理したいけれど、家族や知人に負担をかけたくない場合は、プロの留守宅管理サービスに依頼するのがおすすめです。

留守宅管理サービスなら、費用はかかりますが、基本的に希望するすべての管理をお願いできます。

それでは、実際に留守宅管理サービスでかかる費用を見ていきましょう。

留守宅管理サービスのほとんどの料金は、時間単位で決められています。

＜留守宅管理サービス3社の基本料金＞

	1時間の料金
A社	5,000円
B社	5,500円
C社	11,000円

一般的な留守宅管理サービスの料金相場は、月額で5,000円から10,000円程度です。料金は、家の広さや管理の項目により変わってきます。

会社によっては、月単位や年単位で契約すると割引が適用される場合もあります。

また、空き巣や火災などの被害にあった場合の保証など、オプションで依頼できるかも確かめておくといいでしょう。

料金はかかりますが、留守宅管理サービスは、海外赴任で安心して自宅を管理するための心強い味方です。ぜひ検討してみてください。

海外赴任が3年以上など長くなるなら賃貸や売却も検討しよう

最後に、海外赴任が長期化するようなら、賃貸や売却の検討もおすすめします。

その理由は、次の3つです。

使わない家でも、毎月費用は発生します。

具体的に、3年以上家を空けると費用負担が大きくなるという以下のデータが、東京都の公式ホームページに掲載されています。

海外赴任期間が3年以上になるようでしたら、賃貸や売却を検討するのもいいでしょう。

賃貸や売却をするといい理由を、もう少し詳しく解説します。

少しでも多く収入を得られる

留守宅を賃貸や売却すれば、少しでも多くの収入が得られるメリットがあります。

賃貸の場合は、毎月家賃収入が得られますし、売却すれば一括でまとまったお金が入ってきます。

＜1ヶ月70,000円で賃貸した場合の収入例＞

家賃70,000円‐諸費用2,2500円＝手取り収入34,500円

諸費用の内訳（管理修繕費10％、税金15％、管理サービス費5,000円）

家賃収入をローンの返済に充てれば、毎月の固定支出が抑えられます。

一方、売却した場合は、まとまったお金が入ってきます。

そのお金を、上手く運用することで、収入が大きく増える可能性もあるでしょう。海外赴任が終わった後、現在よりいい家を購入できるかもしれません。

留守中でも発生する固定費を削減できる

自宅を長期間留守にしていても、次のような固定費は発生します。

＜留守中でもかかる自宅の維持管理費用＞

留守宅を賃貸すれば、家賃収入をこれらの費用に充てられます。うまく諸費用より高く貸すことができれば、貯蓄も可能です。

一方、売却してしまえば、維持管理費はかかりません。
海外赴任中の固定費を削減することで、家計が助かります。

また、賃貸や売却をすれば、「留守宅の状態はどうだろう」という不安も取り除かれ、心理的な安心感も得られるでしょう。

期間が長いほど家が劣化しやすくなる

空き家にしておくと、人が住んでいる家よりも劣化が進みやすくなります。

なぜなら、次のような理由が考えられるからです。

雨漏りや壁のひび割れ、床のへこみなど、小さな傷や汚れも長期間放置しておくと、大きなトラブルに発展する可能性があります。

とくに一戸建ての場合、築20年を超えると建物の価値は、ほぼなくなってしまうといわれています。

実際、国土交通省によると戸建ての場合20年で建物の価値はほぼゼロになるというデータが発表されています。

この傾向は、鉄筋建てのマンションも同じで、売却時の資産価値は法定耐用年数より短くなる傾向にあります。

海外赴任で留守宅の管理に迷ったら、まず、自宅の築年数を確認してみてください。

その上で、賃貸が都合がいいのか、それとも売却が賢明なのかを判断しながら、今後のライフプランを立てるといいでしょう。

自宅の賃貸や売却の相場を知ることも大切です。

まとめ

海外赴任中の留守宅の管理方法を、3つご紹介しました。

どの管理方法を選ぶかは、自宅の形態や頼める人がいるかなどで変わってきます。

また、海外赴任が長期にわたる場合は、賃貸や売却の方が管理が楽になり、経済的に有利になることもあります。

賃貸にすると、空き家のリスクが軽減されつつ家賃収入が期待できます。逆に、売却すると、ローンや維持費など出費の心配がなくなり、経済的な負担が軽減されます。

海外赴任が長くなる可能性がある場合は、賃貸や売却も検討してみてください。